続続・次世代エコカー・本命は?(31)

燃費は、「e燃費 実燃費ランキング」の下記によると、

ハイブリッド燃費ランキング一覧」(https://e-nenpi.com/enenpi/?defact=carname_hybrid_best

 

順位   車名             実燃費km/L  JC08モード燃費km/L

 1   トヨタ・カローラアクシオ    22.57       33.0

2   トヨタ・プリウス          21.90       34.0~40.8

3   トヨタ・アクア           21.82       33.8~37.0

4   ホンダ・グレイス         21.74       31.4~34.3

5   トヨタ・カローラフィールダー  20.73       33.0~33.8

6   ホンダ・フィット          20.20       27.6~36.4

7   トヨタC-HR            19.76       30.2

8   日産・ノートハイブリッド     19.75       34.0~37.2

9   レクサスCT            19.75       26.6~30.4

10   マツダ・アクセラセダン     19.39       27.0~30.8

 

 

となっているので、「ノートe-POWER」の燃費はそれほど良いモノではないようだ。トップ3どころか8位にランクされている。

電気自動車のまったく新しいカタチ」なんぞではなく、「ハイブリッド車のもう一つのカタチ」でも下の方に位置している。

 

尤もこのランクでは、EVFCV更にはPHVも除外している。「電気自動車のまったく新しいカタチ」と宣伝するくらいなら、e燃費でもトップに位置しているのかと思いきや、8位と沈んでいる様では島下氏の評価も低い訳だ。

 

それにしても、カローラの実燃費が良いことには驚いた。さすが世界戦略車だけのことはある、ということか。聞くところによると、来年デビューする新カローラは3ナンバーサイズにアップされると言うが、5ナンバー車が無くなるということは庶民のクルマが姿を消すに等しい感じがするのだが、これも年の流れのなせる業か。

 

さてノートe-POWERの燃費は、アクア越えを目指して頑張ったときくが、丁度0.2km/Lだけ凌駕している。日産の技術陣も相当苦労したと見えるが、カタログ燃費が勝っているだけでは、どうしようもなかろう。ノートも、実燃費で負けてしまっては、元も子もない。

 

 

            アクア              e-POWER          

Grade   G.S.L     X-URBAN      S       X,Med.  

燃費    37.0 km/L   33.8km/L     37.2km/L   34.0km/L 

燃料タンク  36L       36L        35L       41L

タイヤ    175/65R15   175/60R16     185/65R15  185/70R14

      165/70R14(L)                 185/65R15(Med.)

オートエアコン 標準装備    ←     なし      標準装備

ナビゲーション 販売店OPT.   ←     なし      標準装備   

車両重量    1,080kg   1,090kg    1,170kg    1,210kg

                            1,220kg(Med.)

乗車定員     5名     ←      5名       ←       

 

 

 

しかしこのように、トヨタ・アクアと日産・ノートe-POWERと主要諸元を較べてみると、アクアの燃費をいかに凌駕するかの苦労の跡がよく見える。

 

アクアの37.0km/L0.2だけ上回る37.2km/Le-POWERの燃費はなっている。しかしこれは「S」と言う最下位のグレードだけで、将に燃費のためのグレードとなっている。

 

そのため、「S」グレードでは

 

・燃料タンクを一回り小さくし(軽くし)、
・タイヤサイズを大きくし(一回転の距離アップ)、更には

・オートエアコンを削除し

・ナビまで落としている。

・そして重量を40kgも減らしている。アクアは10kgしか差がないのに。

 

 

そうでもしないと、アクアの燃費を上回らなかったのではないのかな。細かく見れば、もっともっとこまごましたそぎ落としをやっているのではないのかな。次の論考を見ると、その通りだった。

 

 

日産のノート、EVの走行感 エアコンなしは疑問
日産自動車「ノート eパワー」

2017/1/12 6:30
ニュースソース
日経産業新聞

日産自動車のハイブリッド車「ノート eパワー」

日産自動車ハイブリッド車「ノート eパワー」
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 2012年発売のコンパクト車の仕様向上に合わせて投入したハイブリッド車(HV)トヨタ自動車のコンパクト車「アクア」などエンジンとモーターをともに動力源に使う方式とは異なり、エンジンはもっぱら発電用で、駆動はモーターに特化した方式を採用し、電気自動車(EV)の走行感を味わえるのが特徴だ。

 EVと同様にアクセルを踏むとすぐに発揮される高い加速力は、排気量2リットルのガソリンの過給器付き車並みの水準だ。遮音性能も高く、時速20キロメートルまでの加速時での静粛性は同社の上級車並み。

 3つの走行モードが選択でき、「ノーマル」モードでは通常のガソリン車と同じ感覚で運転できる。加速に優れる「」や燃費重視の「エコ」を選択すると、アクセルを戻すだけでエンジンブレーキの約3倍の減速度を発揮して減速でき、「ノーマル」に比べブレーキの踏み換え回数が7割減少するという。慣れるとほとんどアクセル操作だけで運転できる。

 エンジンをきめ細かに制御することで燃費性能はガソリン1リットル当たり最高37.2キロメートルに高めた。歩行者を検知できる自動ブレーキもグレード別に設定した。

使い勝手、考慮せず

 EVの加速感や静粛性をガソリン車でも味わえるのが最大の魅力だ。燃費は最高数値はいいものの、これはエアコンが付いていない状態で消費者の使い勝手や実用性を一切考慮に入れていない。しかもエアコンレスにしてまで手に入れた燃費トヨタ自動車の「アクア」との差はわずかで、消費者から見ると差がないと言ってもいい水準だ。アイデアとしては悪くないが「アクア」などに対して圧倒的な性能差、価格差がない限りは大きなメリットは感じられないシステムである。〈自動車部品メーカー〉

タウンユース向け

 EV「リーフ」用のモーターを使って走るので、発進の力強さや滑らかさなど、EVの良さが味わえる。エンジンは効率のいいところだけを使って走るのでわりと静かで、聞こえるのはロードノイズのほうが大きい。市街地中心なら普通に走ってもガソリン1リットル当たり30キロメートル前後の燃費が得られそうだが、高速道路では悪くなるタウンユースを中心に使う人のためのクルマと考えたらいいだろう。足回りなどは特に進化しておらず、操縦安定性は従来と変わらないレベルだ。〈自動車評論家〉

三つどもえの争いに

 「ノート」は日産の主力モデルだが、これまでガソリン車のみで、トヨタ自動車の「アクア」やホンダ「フィット」に後れをとっていた。ようやくHVが追加され、方式が「アクア」などと異なるため大きな注目を集めている。国内コンパクトカー市場に大きな影響を与えることは間違いない。ライバル車の販社は、競合した場合は値引き条件を緩めて対抗する構えをみせている。年度末決算商戦に向けて、アクアとフィット、ノートの三つどもえの争いが注目を集めるだろう。〈流通コンサルタント

肩書取りのエアコン外しはミス

 マーケティング上でのミスは、エントリーグレードとして「e-POWER S(eパワーS)」グレードを設定したことだ。エアコンさえなく、自動ブレーキも外してクラスナンバー1の低燃費、低価格という「肩書」を取りに行ったのだ。こうした装備外しは、他のメーカーも手掛ける業界の悪癖といえるものだが、今回はエアコンを外したことが痛かった。ネットなどでは「今時、エアコンがないグレードまで用意して燃費ナンバー1を取りたいのか」という反応が多く出回っている。今時こうした話題は交流サイト(SNS)経由で、あっという間に拡散する。せっかく優れたシリーズハイブリッド車をつくり上げ、他社のハイブリッド車と差別化ができたのに、こうしたマーケティング上の小細工で足を引っ張られてしまっては、ブランドイメージに傷がつくというものだ。「アクア」の売れ筋グレードの燃費と比べても、「eパワー」の売れ筋グレードは燃費値で勝っているのだから、正々堂々と勝負すればいい。

モーターやインバーター、発電機、モーターなど主要部品はガソリンエンジンなどと一体的に配置。駆動用の高電圧バッテリーは前席シート下に配置した
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モーターやインバーター、発電機、モーターなど主要部品はガソリンエンジンなどと一体的に配置。駆動用の高電圧バッテリーは前席シート下に配置した

 走行フィーリングは、まさに爽快だ。大トルクをもつEV「リーフ」のモーターを使用しているのに、車両重量はリーフより250kg前後も軽い。低中速時は、EV走行も可能だが、数km程度といった印象。EV走行時は、エンジンがかかっていないので、かなり静かだ。高速道路ではエンジンが回りっぱなしになる傾向が強い。走行モードでは、運転の苦手な人は、ノーマルモードを使用すれば、ほぼ普通のクルマのように走ることができる。乗り心地や運動性能もガソリン車より上回っている。力強さ、そしてより高い静粛性と快適な乗り心地を得たことで、ノートはモデル後期に入っているがより魅力的になった。〈自動車総合サイト編集長〉

(続く)

続続・次世代エコカー・本命は?(30)

きっと販売の第一線は、てんてこ舞いであったことでしょう。上からの激も、苛烈を極めていた筈だ。それにしても、特徴のある個性的なクルマを世に出すことが、いかに大切かを如実に示すものとなった。

 

 

 

トヨタ・プリウス日産ノートの首位争い、20172月販売ランキングの勝者はどっち?

2017/03/08 06:03 by 山本晋也

一般社団法人 日本自動車販売協会連合会(自販連)から、20172月の登録車(軽自動車と海外ブランドを除く)の車名別の販売ランキングが発表されています。

201611月には日産車として30年ぶりに月間トップの座についたノート、同年12月にはハイブリッド専用モデルであるトヨタ・プリウスが僅差でトップを奪還。そして20171月には再びノートが首位になるといった具合で白熱している21世紀のTNトヨタ・日産)バトル

20172月のセールスランキングを制したのは、PHVを追加したプリウスでした。


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20172月 登録車販売ランキングトップ10(自販連調べ)
1
位 トヨタ プリウス 15,958322,447台、2位)
2
位 日産 ノート 14,859324,383台、1位)
3
位 トヨタ C-HR 12,985316,816台、4位)
4
位 トヨタ アクア 11,379317,798台、3位)
5
位 日産 セレナ 10,983314,577台、6位)
6
位 ホンダ フリード 10,341314,799台、5位)
7
位 トヨタ シエンタ 10,128313,336台、7位)
8
位 トヨタ ヴィッツ 8,475312,654台、8位)
9
位 トヨタ ヴォクシー 8,468310,831台、10位)
10
位 ホンダ フィット 8,201311,629台、9位)

前月2位だった日産セレナC-HR、アクアといったトヨタのハイブリッド(を設定しているモデル)が押しのけるなど、上位陣にも動きの見えるランキングとなっています。トヨタといえばハイブリッドを新設定したヴィッツの伸び(前月は14位)も見逃せません。

僅差ですが、コンパクトミニバン・バトルをフリードがライバル、シエンタを抑えて制したのも注目といえるでしょう。

参考までに1月の販売台数を山本晋也氏の記事から、借用しよう。

20171月 登録車販売ランキングトップ10(自販連調べ)
1
位 日産 ノート 14,113
2
位 日産 セレナ 11,179
3
位 トヨタ プリウス 9,883
4
位 トヨタ C-HR 9,144
5
位 トヨタ シエンタ 9,108
6
位 ホンダ フリード 9,029
7
位 トヨタ アクア 8,225
8
位 トヨタ ヴォクシー 6,412
9
位 トヨタ ルーミー 6,218
10
位 ホンダ フィット 6,280

日産勢の躍進に対して、トヨタではブランニューモデルのC-HRが好調なスタートを切っている反面、プリウスとアクアという、かつての月間トップ常連モデルが勢いを失って感じられる結果になっています。

トップ10圏外での注目は11位にあがってきたスバル・インプレッサ。スバルとして久しぶりのトップ10入り(前回は201512月)も目前です。



山本晋也

 





http://clicccar.com/2017/03/08/451750/

 

ちなみに4月はSUVトヨタC-HR」がトップとなっており、ノートはそれなりに健闘しているようだ。セレナは圏外。

 

20174月の登録車セールスランキングに大異変!C-HRがトップを奪取

2017/05/10 07:03 by 山本晋也

一般社団法人 日本自動車販売協会連合会(自販連)から、20174月の登録車(軽自動車と海外ブランドを除く)の車名別の販売ランキングが発表されています。

3月は年度末ということもあり、5位までが1万台以上も登録されるという好調ぶりでしたが、4月は落ち着きを取り戻しています。その中で、ブランニューモデル「C-HR」の好調が目を引きます。



2017
年になってから、1月のトップは日産ノート2月はトヨタ・プリウスと話題のハイブリッドカーが競い合ってきましたが、新年度になってトップの座についたのは前月の4位からジャンプアップしたC-HRだったのです。

20174月 登録車販売ランキングトップ10(自販連調べ)
1
位 トヨタ C-HR 13,168台(前月4位)
2
位 トヨタ プリウス 9,920台(同2位)
3
位 日産 ノート 9,263台(同1位)
4
位 ホンダ フリード 9,111台(同5位)
5
位 トヨタ アクア 7,762台(同3位)
6
位 トヨタ ヴィッツ 7,078台(同8位)
7
位 ホンダ フィット 6,399台(同9位)
8
位 トヨタ ルーミー 5,852台(同15位)
9
位 トヨタ シエンタ 5,821台(同7位)
10
位 トヨタ カローラ 5,287台(同13位)

また、4位にホンダのコンパクトミニバン、フリードが上がってきているのに対して、日産セレナ(35位→417位)トヨタ・ヴォクシー310位→412位)といったMクラス・ミニバンが順位を下げているのは、トレンドの変化を感じるところ。ルーミーが上がってきているのも、コンパクトなスライドドア車に対するニーズが高まっていることを予感させるランキングといえそうです。

山本晋也

 

https://clicccar.com/2017/05/10/470859/

 

 

先ず敬意を表して日産の「ノート」から話題にしてみましょう。

 

このブログの冒頭で提示した「間違いだらけのクルマ選び」では、この「ノートe-POWER」はベストテンにも入っていない。いわゆるA+2B評価では16位、A評価では22位と下位に沈んでいる。

 

自動車の専門家である島下泰久氏の「e-POWER」の評価は、それほど高くはない。まあ、並みと言ったところであろう。「電気自動車のまったく新しいカタチ」と謳ってはいるが、CO2を排出して走行している以上、決して電気自動車のマッタク新しいカタチなんぞではない。

ノートe-POWER

ある意味「虚偽広告」である。電気自動車なら、CO2は一切排出してはならないのである。

e-POWERは普通のガソリン自動車(と同じ)である。ただモーターで走っているだけである。その点、いわゆる電気自動車と走り方は同じと言えるが、分類上はいわゆる「ハイブリッド車」の一種で、「電気自動車のまったく新しいカタチ」ではなく、「ハイブリッド車のもう一つのカタチ」が正しい。ただバッテリーでモーターを回してタイヤを転がしているだけである。そのバッテリーの電気は、搭載しているガソリンエンジンで発電機を回して、供給しているものである。

2017人気ハイブリッド車おすすめランキング!燃費と評価は?」 http://is12.jp/rk-06.html

では、この「ノートe-POWER」を「プリウス」より上の第1位に評価しています。

 

このタイプのハイブリッド方式は、「シリーズ式」と呼ばれている。この件は小生のブログ「プリウス急加速問題(75)」(2011.04.15)で少し説明しているので、それを再掲しよう。

 

 

プリウス急加速問題(75)


ここでハイブリッド方式を勉強してみよう。先ずは「シリーズハイブリッド」方式とはどんな方式なのであろうか。ハイブリッドHybridとは「2つ以上の異なるものを組み合わせること」を表しているが、一般的には主に植物の交雑種のことでハイブリッドと言う言葉に接したことがあると思われるが、自動車で言う「ハイブリッドビークル」とは、2つ(以上)の異なった動力源を使う車を意味する。即ち内燃機関(主にガソリンエンジン)とバッテリーに蓄積された電気によるモーターと言う2つの動力で駆動する自動車である。そして、エンジンとモーターの使い方によってハイブリッド方式が異なる。

シリーズハイブリッド(直列式)方式は、エンジンは発電機を回すことだけに使われて車の駆動には使われない。車の駆動には発電機で作られた電気を蓄電池Batteryに蓄え、その電気でモーターを回して車を動かすものである。したがってエンジンは小型で、その代わりバッテリー・モーターは大型となる。エンジンで充電するため長距離走行が可能となる反面、出力はそれほど期待できない。

         バッテリー
          ↑↓   (直流電力)
        インバーター
            ↓ (交流電力)
E/G
発電機  モーター-車軸(駆動) と言う動力の流れになる。これに対して、



パラレルハイブリッド(並列式)方式と言うものがある。
この方式では、エンジンで発電もするが車の駆動にもつかわれ、更には発電された電気はモーターを介して、駆動にも使われる。発進や加速時にはエンジンとモーターが使われ(場合によっては発進時はモーターのみ)、低速時には発電機も回し充電も行うなど臨機応変に起動させる。そのため構造や制御が複雑となる。

            バッテリー
             ↑↓ (直流電力)
            インバーター
             ↑↓ (交流電力)
E/G
-→{発電機→モーター}--変速機車軸(駆動) と言う流れになる。ホンダのIMAはこの方式となる。そしてその両者のいいとこ取りをした方式が次のスプリット方式である。



スプリット(動力分割式)方式とは、
プラネタリーギアによる動力分割機構により動力を発電機とモーターに分割(スプリット)する方式である。プラネタリーギアによる発電機とモーターの回転制御を行うため、変速機が不要となる。
発進や低速走行ではEV走行し、通常走行ではエンジンで充電しながら駆動輪を回して走行できる。動力分割機構の制御が複雑になるが、変速機が不要となるコストメリットや低燃費と走行との高効率管理が可能となり、トヨタが採用している(THS)方式である。

          バッテリー
           ↑↓   (直流電力)
       イ ン バ ー タ ー
            ↑↓ (交流電力) 
      発電機   モーター   
            ↑↓
E/G
-→動力分割→--→車軸(駆動)
(遊星歯車)

GM
のシボレーボルトはこのうちどんな方式化は知らないが、このスプリット方式に近い方式なのであろう。そのためプリウスのこのプラネタリーギアの制御方式の中身を、知りたくて仕方なかったことであろう。そのためありもしない急加速問題を起こし、電子制御システムを無理やり提出させたものであろう。
さて本文に戻ろう。 

(続く)

続続・次世代エコカー・本命は?(29)

7)このところ日産が元気、喜ばしい限りである。

 

 

2016年の世界販売では、トヨタは5年振りにトップの座をVWに奪われてしまった。

 

このことは2017.4.12の当ブログ(8)でも話題としているが、国内では20171月の登録車販売では、初めて日産の後塵を拝してしまった。

 

何と日産ノートセレナが、1月の登録車販売で「1-2フィニッシュ」の偉業を遂げたのだ。

 

これって、何と32年振りの快挙だと言う。「やったね、日産!

 

 

日産・ノート&セレナが躍進!20171月の登録車販売ランキングで「1-2フィニッシュ」

2017/02/06 19:03 by 塚田勝弘

日産自動車は、三菱自動車の燃費不正問題の煽りを受け軽自動車の落ち込みがあるものの、昨年登場させた新型セレナe-POWERを投入した新型ノートの販売が好調に推移しています。

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ノート161102-01-06-1200x9002-20170206113422-618x464

ノート201611にサニー以来30年ぶりに登録車販売ランキングで1に輝くと、12月はアクアを抑えてプリウスに次ぐ2位に。そして、2017114113台(前年同月比169.3%)で1位に返り咲いています

 

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セレナ160713-03-01-1200x801-20170206113425-618x413

 

2につけたのが11179台(194.8%)でセレナ3位のプリウス9883台。これは前年同月比で47.0%と大幅減で、セレナの2位躍進にも影響したと思われます。しかしプリウスに関しては、9144台を販売して4位に入ったC-HRと顧客を奪い合ったことも減らした要因といえそうです。

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ノート161102-04-03-1200x798-20170206113421-618x411

なお、登録車ランキングで日産車が1位、2位を同時に獲得するのは、19849月のサニー、ブルーバード以来、32年ぶりだそう。先述したようにノートは、新たに追加された「e-POWER」がヒットの牽引役になっています。

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セレナ160713-02-01-1200x600-20170206113427-618x309

2016824に発売されたセレナは、室内の広さや使い勝手、快適性に加え、同一車線の部分自動運転技術「プロパイロットが好評を得ているそうで、新型セレナの魅力が認知されつつある証といえそうです。



 

http://clicccar.com/2017/02/06/443218/2/

 

 

しかし2017.2月は、トヨタがすぐに盛り返してしまった。それと言うのも「プリウスPHV」が、満を持して販売されたからである。「やっちゃったね、日産!」、「やったね、トヨタ

(続く)

続続・次世代エコカー・本命は?(28)

 

その量産EVの投入は、トヨタ2020年を目標にしているようだ。

 

トヨタの量産EVは「Concept-i」似で2020年に発売か?

コラム 2017/04/01 08:59 Clicccar

カリフォルニア州によるZEVゼロ・エミッション・ヴィークル規制強化に伴い、2018年以降、対象メーカーの拡大やZEV比率の引き上げにより、自動車各社が新型EVPHVの投入を相次いで予定するなど、エコカー開発の動きが活発化しています。

 

f:id:altairposeidon:20170509151055j:plain

 

報道によると、トヨタホンダ東京五輪が開催される2020を目標にEV投入を予定している模様で、トヨタと包括提携しているマツダEVの開発を表明済み。

またスバルも吉永社長が昨年5月、「2021年を目標にスバルらしい走りを楽しめるEVを発売する」と公言しており、SUV系での投入を匂わせています。

おりしも駆動用2次電池の性能向上により、航続距離問題が解消されつつあり、急速充電器も大幅な充電時間短縮が見込める状況 になってきたことから、トヨタでは水素で走る究極のエコカーFCV燃料電池車)」に加え、昨年12には「EV事業企画室」を社内に設置、EV開発を加速させると発表しました。


同社は2012年に米国でテスラと共同開発した「RAV4 EV」の発売実績があり、国内でも同年に100台限定で小型車「iQ」をベースとしたEVeQを発売。その後も「i-ROAD」など、街乗り用の超小型EVの開発も手掛けています。


 

トヨタでは今後、水素ステーションが拡充されるまでの間のZEV対応を含め、当面EVエコカーの主役になるとの予測から、EV開発に踏み切ったようです。

各種情報によると、同社が2020年に投入するEVは、プリウス用のTNGAプラットフォームをベースに、1月のCESに出展した「TOYOTA Concept-愛i」をモチーフにしたボディデザインを採用している模様。

今秋開催予定の東京モーターショー17への参考出展や、東京五輪のオフィシャルカーへの採用も噂されるなど、今後の動きが注目されます。

Avanti Yasunori・画像:トヨタ自動車

https://autos.goo.ne.jp/column/458870/

 

 

トヨタ2017.1.5~8にラスベガスで開催された「2017 International CES」にて、人工知能を搭載するコンセプトカー「TOYOTA Concept-iコンセプト・アイ)」を出展した。AIを搭載することで、その車が一個の個性を持ったパートナーとして、ドライバーをアテンドしたりリードすると言う。まあ、トヨタが考える「人とクルマの関係」の未来形なのであろう。

 

「コンセプト-愛 i」については、次のURLなどを参照願うが、

https://response.jp/article/2017/01/10/288067.html

http://diamond.jp/articles/-/113513

そんな車が 「愛i」なのだが、この形に似たクルマをEVとして世に問うてくるのではないか、と言うことなのだ。プリウスと同じのTNGA-Cプラットフォームで、時期は2020年のオリンピックの頃だと言う。

 

2020年と言えばあと3年でやってくるそんな遠い将来ではないのであるが、期待して待ちたいものだ。だがトヨタEVとしては、2020年では遅すぎる。世の中はそこまで待てないのだ。だから今年2017年秋の東京モーターショーに参考出品されるとはいえ、そんなに気張らない形で、もっと早くEVは、世に出してもらいたいものだ。

 

まあ「愛i カー」はつながるクルマのカタチの一つとして、自動運転機能を搭載してトヨタが提案したものであろうが、今はEVの方が大事ではないのかな。

 

はてさて、こんなクルマ「愛i カー」はいつ実現するのであろうか。

http://newsroom.toyota.co.jp/en/detail/14631005も参照されるとよい。

 

そう言えばトヨタ2015年に、こんなクルマを発表していたっけ。

f:id:altairposeidon:20170509151151j:plain

Baby86とも呼ばれるこのクルマは、1.2Lturbo1.5LNAエンジンを搭載するガソリン車でEVではない。

 

マツダロードスターやホンダのS660(そのうちにS1000)に対抗するスポーツカーである。1965年(S40年)から1969年(S44年)にかけて、関東自動車工業..で製造された「トヨタスポーツ800」(UP15)の現代版であろう。通称「トヨハチ→ヨタハチ」は当時のパブリカ(UP10)のパワートレーンをベースにしたライトウェイトスポーツカーであり、一世を風靡した。世界で一番早く、あのポルシェよりも早く、タルガトップ形状を採用した超軽量スポーツカーである。

f:id:altairposeidon:20170509151229j:plain

UP15(車両型式)

 

S-FRはそのコンセプトを継承している。「東京モーターショー2017」が待ち遠しいのだが、発売は2017年末~2018年とか2020年とか言われている。しかしこのクルマをEVにしたら面白いのではないのかな。

 

まあ、エンジン、トランスミッション、リアデフなどを取っ払って、バッテリー、モーター、コントロールユニットに乗せ換えればEVが出来上がるとは思ってはいないが、こんなコンセプトのEVも面白いのではないのかな。これからのスポーティな環境対策車として、脚光を浴びること間違いなし、である。

 

是非「EV事業企画室」で検討を願いたいものだ、現代版UP15EVを。

(続く)

続続・次世代エコカー・本命は?(27)

だからトヨタをはじめカーメーカーは焦っているのである。HVZEVであれば、何ら問題はないのである(かといってCO2の排出があるので、これは問題ではある)。この文は、2016.11に書かれている割には、完全に時代錯誤の感がある。

 

2018ModelYearの数字は下記。

 

 即ち

 

 MY Total ZEV ZEV  TZEVs

 2018 4.5%  2.0%   2.5%

 

ちなみに2018年規制以前の規制は、こんなもので確かに14%から16%に引き上げられることになっていた。

これは、http://www.cev-pc.or.jp/kiso/zev.html によるものであるが、このうち下表の「2018MY~」の規制数値が、2018年規制で上表のもの(4.5%)に変更されたのである。

 

 

ちなみにZEVの規制値を年別に示す。これは下記のURLに掲載されているものである。http://www.mitsui.com/mgssi/ja/report/detail/__icsFiles/afieldfile/2017/03/15/170315i_nishino.pdf

 

 加州ZEV規制で州内販売台数に占めるべきZEVの割合

  (規制値、%)

年    区分

TOTAL

ZEV

TZEV

AT PZEV

PZEV

2012

'12.0

0.8

2.2

'3.0

'6.0

2013

'12.0

0.8

2.2

'3.0

'6.0

2014

'12.0

0.8

2.2

'3.0

'6.0

2015

'14.0

'3.0

'3.0

'2.0

'6.0

2016

'14.0

'3.0

'3.0

'2.0

'6.0

2017

'14.0

'3.0

'3.0

'2.0

'6.0

2018

4.5

'2.0

2.5

2019

'7.0

'4.0

'3.0

2020

9.5

'6.0

3.5

2021

'12.0

'8.0

'4.0

2022

14.5

'10.0

4.5

2023

'17.0

'12/0

'5.0

2024

19.5

'14.0

5.5

2025

'22.0

'16.0

'6.0

 

注:ZEV:BEV/FCVTZEV:PHEV/HICEAT PZEV:HEVPZEV:低燃費内燃機関

補足として、2014.12.4の「次世代エコカー、本命は?(8)」も参照されるとよい。

またTZEVtraditionl ZEVで、過渡的なZEVを意味しPHVが該当する。HICEは水素エンジン車、hydrogen internal combustion engin vehicle である。

 

https://www.arb.ca.gov/msprog/zevprog/zevtutorial/zev_tutorial_webcast.pdf などを参照されるとよいが、

この2018年規制からは、何度でも言うが、EVFCVPHVだけがZEVに該当して、トヨタやホンダが得意としているHVは完全にZEVからは除外されたのである。だから、トヨタとしても一大事なのである。まあCO2ゼロが目標なってしまったので、いくら燃費が良いと言っても、Gasolineを燃やしているEngineは、ZEVの対象とはならないのである。

 

そんなわけで日産が「ノート e-POWER」なるハイブリッド車を発売して意気軒高のようだが、これは当然ZEV対象車ではない。PHVは完全にエンジンが動いていない時間があるのだが、このシリーズ式ハイブリッド車は常時エンジンが回っているから、常にCO2を排出していることになり環境的に言うとそれほど性質(たち)は良いモノではない。どちらかと言うとEVと言いながら、常にCO2を排出するから、性質は悪いのである。なぜ日産は今頃こんなものを出したのであろうか、はなはだ疑問である。トヨタと同じタイプのHVは出したくない、と言う依怙地があったのではないのかな。そのために燃費は良いと言うが、一時の稼ぎのために常時CO2を排出するEVを発売することになったものと思われる。

 

だから、トヨタは、ようやく2017.2.15プリウスPHVの国内発売に踏み切ったのであり、これでやっとZEV規制に対しては、FCV「ミライ」と「プリウスPHV」の2本立てで、対処できることになったわけである。「プリウスPHV」は、2016年秋から加州では販売されている様である。

 

残すところは、EVである。これが問題なのである。本来は2018年規制の主力となるべきクルマはEVだったのである。今から思うにトヨタは、FCVよりもEVの開発を優先すべきだったのではないのか、と思われる。まあFCV「ミライ」が発売されたときは、やんややんやと持て囃されたものであったが、トヨタは優先順位を間違えていたのではないのかな。

 

なおこの論考ではEVを近距離用途としているが、今ではバッテリーの進歩によりEVは近・中距離用途に格上げしても良かろう。そして300kmから500km位までの距離をカバーできるようにはしたいものである。

(続く)

続続・次世代エコカー・本命は?(26)

GMFORDEV電気自動車の開発・販売には相当力を入れている。それと言うのもZEV2018年規制が間近に迫っているからだ。

 

何と言っても2018年には4.5%Total ZEVを販売しなければならなくなっているからである。Total ZEV4.5%=ZEV2.0%(EVorFCV)+TZEV2.5%(PHV) としなければならないからである。

 

そして

Model Years   Total ZEV    Minimum  TZEVs

        Percent     ZEV floor

        Requirement                         

  2018     4.5%     2.0%      2.5%

  2019     7.0%     4.0%      3.0%

  2020    9.5%     6.0%      3.5%       

  2021    12.0%      8.0%      4.0%

  2022    14.5%      10.0%      4.5%

  2023    17.0%      12.0%      5.0%

  2024     19.5%     14.0%      5.5%

  2025    22.0%     16.0%      6.0%

 

と決められているから大変である。2018年モデルと言えば、今年2017年の8月頃から生産されるものである。

 

トヨタはようやく「EV事業企画室」を2016.12.1付けで作ったわけだが、当座はZEVとしてはFCVしかないので大変だ。TZEVは漸くPHVを作ったので一安心であるが、2020年の東京オリンピックの年には、6.0%FCV(とEV)を加州を含む8州(→12州)で販売しなければならないことになる。

 

だからトヨタとしても、EVの投入は必須事項なのである。諸々の事情で、FCVだけでは賄いきれない、からである。(ここら辺の事情は、当ブログ「続・次世代エコカー・本命は!(14)2016.4.21)などを参照願う。)

 

そしてカリフォルニア州が決めたZEV規制は、アリゾナコネチカット、メイン、メリーランドマサチューセッツニュージャージーニューメキシコオレゴンニューヨークロードアイランドバーモントの各州にまで広がっているのである。(http://nedodcweb.org/dailyreport/2011_files/2011-12-14.html による。)

 

トヨタPHVFCVに加えて、「EV」開発にも本腰を入れる理由とは?

2016/11/15 08:03 by Avanti Yasunori 

 

トヨタ自動車2016年度上期(49月)の決算発表で、今後のパワートレーン戦略について明らかにしました。

TOYOTA_PRIUS_PHV

 

それによると、短期的には重点的に投資している従来車の燃費向上や、排ガスのクリーン化促進、HVのバリエーション拡充に取り組む予定で、中期的にはPHVFCVに加え、EVの開発にも力を入れる方針といいます。



TOYOTA

同社はこれまで日産などに比べ、バッテリー容量に起因する航続距離の課題から、EV開発には積極的ではありませんでした。しかし昨今、バッテリー性能が向上しつつあることや、欧州勢の電動化推進状況を踏まえ、EV開発にも力を入れることにしたもの。

FCV開発からの方向転換という訳では無く、当初からの計画に則ったものであり、構造的に難易度が高い燃料電池車から優先的に実現したというスタンス。

 

FCVは水素の充填時間や一充填あたりの航続距離など、ほぼ現行車と同様に扱えるメリットが大きく、排ガスを一切出さないため、「究極のエコカー」とされています。

TOYOTA

 

FCVもモーターで走行する一種のEVであり、外部充電する代わりに、水素燃料を使ってFCスタック(燃料電池)で自車発電する構造で、技術的にはHVPHVFCVからEVへの移行は同社にとって比較的容易なもの。(その逆は難易度大)

TOYOTA_PRIUS_PHV

同社は2017年初めに新型「プリウスPHV」の発売を予定しており、2018年には「カローラレビン」のPHV投入を予定するなど、PHVの展開を加速する構えのようですが、主力市場の米国では、カリフォルニア州で「ZEVZero Emission Vehicle)」規制強化が待ち受けています。

2018年以降、排出ガスを一切出さない電動車(EVFCVの販売比率が、現状の14%から16%に引き上げられる見通し。

同州以外でもZEV普及に積極的なことや、欧米勢がEVの開発に余念が無いことから、トヨタとしても持ち前の開発力と資金力を活かし、「EV」の品揃えを充実させ、フルライン体制で米国の規制強化を乗り切る考えのようです。

Avanti Yasunori

http://clicccar.com/2016/11/15/416047/2/

 

ここに「2018年以降、排出ガスを一切出さない電動車(EVFCVの販売比率が、現状の14%から16%に引き上げられる見通し。」の一文があるが、この「14%から16%」は既に昔の話であって現在は先に掲げた表のように決められているものである。この%には、HV車やPZEV車(Partial ZEV、極限までクリーンなGasoline車)までもが含まれていたもので、2018年規制からはこれらは除外されて、ZEVEV,FCV,PHVだけとなっており、HVZEVからは完全に除外されているのである。この%表示はかなり古いものであり、間違ったものである。詳しくは、小生のブログ「次世代エコカー、本命は?(8)(2014.12.4)を参照願う。

(続く)

続続・次世代エコカー・本命は?(25)

シボレーBOLT EV日産リーフ、テスラモデルSを比較する

2016/01/12 2016/11/18


シボレー_BOLT EV
シボレー BOLT EV Bolt_77484f7b s5nk

画像の出典: netcarshow.com

リーフやモデルSを越えた?

デトロイトモーターショー2016で、「シボレー・BOLT EV」が発表されました。

VOLT」という名前のレンジエクステンダーEVも同社のラインナップに存在しますが、今回発表された「BOLT EV」は完全なEVで、内燃機関は搭載されていません。つまりは日産リーフのライバルです。

そこで先ごろマイナーチェンジされた日産リーフとシボレー・BOLT EV、そしてテスラ・モデルSの、性能差や価格などを比較してみました。

 

目次 [hide]

航続距離の比較

まずはEVの泣き所、航続距離を比較してみましょう。

メーカー名

車名

バッテリー容量(kWh)

車重(kg)

航続距離(km)

日産

リーフ(30kWh)

30

1460

280(JC08)
→172km(EPA)

シボレー

BOLT EV

60

1625

320(EPA)

テスラ

モデルS P85

85

2108

426(EPA)

厄介なのが、航続距離の計測方法がそれぞれ異なることです。計測方法がもっとも厳しいのは米国EPA燃費で、航続距離はJC0860%程度となります。

モデルS P85kWhあたり航続距離は5.01km/kWhBOLT EVの場合は5.33km/kWhです。モデルSBOLT EVよりも30%重い車ですが、kWhあたりの航続距離はおよそ6%悪化しただけですEVの場合、車重が航続距離に与える影響が小さいようです。

以上のことを踏まえた上で、日産リーフEPA航続距離を推測してみましょう。リーフの車重はBOLT EVより10%軽いため、リーフのkWhあたりの航続距離はBOLT EVのそれよりも2%ほど良好であると考えられます。5.44kWh/kmですね。

よってリーフのEPA航続距離は163kmと推定されます。JC08モードの約58%という航続距離は、50プリウスEPA/JC08とほぼ同じ比率なので、当たらずといえども遠からずだと思います。

20161118日追記

リーフ・30kWhモデルの米国EPA燃費は172kmでした。

EVは重量増を気にせず電池をたくさん積むべきか?

上述のとおり、EVは車重増に対し航続距離の減少幅が小さいです。モーターはゼロ発進時のトルクが大きいためでしょう。つまり電池をたくさん積むテスラやシボレーのやり方は、基本的には正しいのです。

しかし電池をたくさん積むことで、コスト増という新たな問題が発生します。日産リーフのバッテリー容量が小さいのは、安価に供給することを最優先にした結果でしょう。



バッテリーメーカー(参考)

日産    NECAESCオートモーティブ・エナジー・サプライ(→最近売却を検討、LG化学製に切り替えか?)

シボレー  LG化学 Landscapeタイプ

テスラ   パナソニック18650

トヨタ    パナソニックプライムアースEVエナジー

ホンダ   GSYジーエス・ユアサコーポレーションブルーエナジー、パナソニックとも協業している。)

三菱     GSYジーエス・ユアサコーポレーションLEJリチウムエナジージャパン

 

日産_リーフ 30kWh日産 リーフ(30kWh) 日産リーフa8f14171

画像の出典: netcarshow.com

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動力性能の比較

メーカー名

車名

馬力(ps)

トルク(kg-m)

0-96km/h()

日産

リーフ(24kWh)

109

25.9

10.9

シボレー

BOLT EV

200

36.7

7.0以下

テスラ

モデルS P85

421

44.8

4.4

3台の中で最も重いモデルSが最速です。大容量のバッテリーを積めば強力なモーターを使えるので、加速性能でも有利なのでしょう。


テスラ_モデルS
EV
界のゼロヨンチャンプ、テスラモデルS モデルS8346061c

画像の出典: netcarshow.com

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価格の比較

メーカー名

車名

価格(万円)

kWh/価格(万円)

1馬力/価格(万円)

日産

リーフ(30kWh)

319.7~401.8

10.65~13.39

2.93~3.68

シボレー

BOLT EV

442.5

7.37

2.21

テスラ

モデルS P85

1018

11.97

2.41

1ドル=118円で計算

リーフとモデルSはコンセプトからして対極にあるような車ですが、kWhあたりの価格はほぼ同じです。

BOLT EVは性能もそこそこ良く、kWhあたりの価格が飛び抜けて安いので、かなりの競争力があると思われます。LG製の電池がかなり安価なのかもしれません。

BOLT EVは電気自動車の新たなベンチマーク

航続距離と性能に比して、BOLT EVは安価です。かといって車体を切り詰めて軽量化したりしているわけでもなく、室内は50プリウスと同等の広さを確保しています。

室内箇所

BOLT EV

50プリウス

前席ヘッドルーム

1009mm

1000mm

前席レッグルーム

1056mm

1097mm

後席ヘッドルーム

962mm

950mm

後席レッグルーム

927mm

848mm

荷室容量

478L

502L

BOLT EVは、電気自動車のコストパフォーマンスをワンランク上のレベルに引き上げたといえます。今後発売されるEVは、BOLT EVベンチマークにせざるを得ないでしょう。

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最後まで読んでいただきありがとうございます。以下の関連記事もぜひご覧ください。

 

http://syachiraku.com/archives/20160112/2994342.html

 

 

まあLGダンピングGMに電池を売り込んだようなので、早々にボロを出さないでもらいたいものだが、先の記事にもあるようにバッテリーの劣化が早そうなのでどんな評価となるのであろうか、心配ではある。

(続く)