Ghosn,Gone with the Money(26)

ゴーン元会長の損失移転、監視委・監査法人が問題視

2018/12/22 9:19
日本経済新聞 電子版

 日産自動車元会長のカルロス・ゴーン容疑者(64)の特別背任事件で、ゴーン元会長が私的な金融取引の損失を日産に付け替えた後、証券取引等監視委員会監査法人から相次いで問題視されていたことが22日、関係者の話で分かった。外部の指摘を受け、ゴーン会長は損失を自身の資産管理会社に再移転したという。

 損失付け替えは再移転で解消された形だが、特捜部は、いったん付け替えを実行した時点で日産に損害が生じており、会社法違反の特別背任罪が成立すると判断しているもようだ。

 ゴーン元会長は200810月、自身の資産管理会社が運用していたデリバティブ取引の契約を日産に移転し、評価損約185000万円を負担する義務を日産に負わせた疑いが持たれている。

 関係者によると、ゴーン元会長の資産管理会社が契約していた新生銀行側に監視委の検査が入り、損失付け替えが発覚。日産の取締役会の議決を経ていないなど、コンプライアンス上の問題があると指摘された。

 同じころ、日産を担当する監査法人も会計監査の過程で付け替えを把握。「会社が負担すべき損失ではなく、背任に当たる可能性もある」との指摘が日産側にあったという。

 外部からの相次ぐ指摘を受け、ゴーン元会長はデリバティブ取引の契約を自身の資産管理会社に再移転することにした。この際、巨額の評価損に対応する追加担保が必要になり、サウジアラビアの知人の協力により信用保証を得ることができたという。

 ゴーン元会長はこの知人が経営する会社の預金口座に日産子会社の口座から1470万ドル(現在のレートで約16億円)を振り込ませた疑いも持たれている。

 関係者によると、ゴーン元会長は特別背任の容疑を否認。損失付け替えについては、結果的に契約を再移転していることなどから「日産の損失はなく、背任には当たらない」と主張している。知人への支払いは日産のための業務の対価だったと説明しているという。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO39298300S8A221C1MM0000/?n_cid=SPTMG053

 

 

 

 

もう一度言うが、たとえ日産の損失はなく」とも、損失の可能性を発生させただけで、特別背任となるのである。

 

但しゴーンとしては、一端日産に移した損失は自身の資産管理会社に戻す気はなかったようで、これこそがまた問題ではないのかな。

 

 

ゴーン容疑者、付け替えた契約を自身に戻す意向なし 協議で銀行に示さず

2018.12.27 20:48 社会 事件・疑惑

WEB用 カルロス・ゴーン ゴーン容疑者のニュースを映す東京の街角のモニター(ロイター)

 

 日産自動車の前会長、カルロス・ゴーン容疑者(64)が私的な投資の損失を日産に付け替えたなどとして再逮捕された特別背任事件で、ゴーン容疑者が当初、付け替えた契約を自身側に戻す意向を示していなかったことが27日、関係者への取材で分かった。ゴーン容疑者は「最初から戻すつもりだった」と供述しているが、東京地検特捜部は証券取引等監視委員会違法性指摘を受けて戻したとの見方を強めており、日産に損害を与える意図があったとみて調べている。

 

 特別背任容疑での再逮捕から28日で1週間。報酬過少記載事件に続き、ゴーン容疑者と特捜部は全面対決の構図となっている。

 

 ゴーン容疑者は「スワップ取引」と呼ばれる通貨のデリバティブ金融派生商品)取引を自身の資産管理会社と新生銀行との間で契約。ところが、平成20年のリーマン・ショックによる円高で評価損が急速に拡大し、銀行側から巨額の追加担保を求められたため、同年10月、約18億5000万円の評価損を含んだ契約を日産に付け替えたとされる。

 

 関係者によると、ゴーン容疑者は銀行側に契約付け替えを自ら提案。銀行側から条件として取締役会での承認決議を求められ了承したが、この協議の際、ゴーン容疑者は契約を将来、自身側に戻すとの意向を一切示さなかったという。

 

 取引の経緯を知る関係者は産経新聞の取材に対し、「日に日に評価損が急速に拡大する状況で、契約を戻すというような将来を見据えた話はなかった。とにかく数十億円の担保不足から逃れたい一心という様子だった」と証言した。

 

 協議後、日産側から取締役会で承認決議を得たと報告があり、付け替えは実行されたが、経緯を把握した監視委決議は偽装された可能性があると判断。21年1月、特別背任罪に該当する恐れがあると指摘し、日産側は2月末に契約をゴーン容疑者側へ戻していた。ゴーン容疑者は「追加担保を入れないと契約解除となり、約18億5000万円の支払いが必要な状況だった。担保を出してくれる人が見つかるまでの一時しのぎだった」と供述しているとされる。

 

 ゴーン容疑者は契約を戻す際、信用保証に協力したサウジアラビア人の知人側に21~24年、日産子会社から1470万ドル(現在のレートで約16億円)を入金させた疑いも持たれている。

 

 この知人が同国有数の複合企業副会長、ハリド・ジュファリ氏だったことが新たに判明。ジュファリ氏は追加担保として30億円を負担したという。

 

https://www.sankei.com/affairs/news/181227/afr1812270036-n1.html

 

 

そのためゴーンは死に物狂いで(多分)、サウジのハリド・ジュファリ氏に担保保証を頼んだのであろう。ハリド・ジュファリ氏も、当然タダで頼まれるものではなかった。当然30億円もの巨額な額が動くものであるので、それなりに見返りを要求したことでしょう。こちらもそれなりに腹黒かったのである。ゴーンの足元を見透かしていたものと思われる。それが1470万ドル程の謝礼金であったのであろう。

 

尤もゴーンの評価損も185千万円だけにとどまらなかったかもしれないのだ。それだけの担保保証であれば、30億円もの追加担保とはならなかったのではないのかな。総額100億円から150億円もの規模の金融取引を、やっていたものと思われる。だから、リーマンショックでの円高による損失は莫大な額に達してしまったものと思われる。

(続く)

Ghosn,Gone with the Money(25)

そのときの議事録には、新たな為替取引の担当者選任についてと記載されていたと言うが役職員の報酬に関する金融商品の契約」の担当者に秘書室長を据えることを決めて、私的損失を日産に付け替えることを偽装する工作をしていった様だ。

絶大な権力を持っていたゴーンの采配には、取締役会であっても、何も言えなかったようだ。

 

ここら辺の損失付け替えのゴーンのとったやり方を、今一度おさらいしておこう。

 

 

損失付け替え、実態隠して取締役会決議 ゴーン元会長

2018/12/25 19:30 (2018/12/25 22:22更新)
日本経済新聞 電子版

 日産自動車元会長のカルロス・ゴーン容疑者(64)の特別背任事件で、ゴーン元会長が私的な損失を日産に付け替えた際、実務を担当した秘書室長に特殊な権限を与えることを取締役会に諮り、決議を得ていたことが25日、関係者の話で分かった。この際、損失付け替えの具体的な内容については取締役会に明かしていなかったという。

 関係者によると、ゴーン元会長の資産管理会社は、リーマン・ショックに伴う円高により通貨取引のスワップ契約で巨額の損失を抱え、契約相手の新生銀行から担保不足を指摘され、日産に評価損を含む契約を移転したとされる。契約移転の実務は当時の秘書室長らが担当したという。

 ゴーン元会長は新生銀行側に契約移転を提案した際、取締役会での決議を求められた。

 そこで「外国人の役員報酬を外貨に換える投資」について秘書室長に権限を与えるという形で取締役会に諮り、承認する決議を得た。私的な損失などについては「個人情報」を理由に説明しなかったという。

 この取締役会の決議を受けて銀行側は契約移転に応じ、200810、評価損約185000万円を含む契約が日産に移転された。

 その後、証券取引等監視委員会新生銀行の関連会社への検査を通じて損失の付け替えを把握。取締役会の決議にはコンプライアンス上の重大な問題があるとして是正を求めたという。

 一方、弁護人によるとゴーン元会長は「銀行との協議に基づき決議しただけで、隠蔽などの意図はなかった」と主張しているという。

 ゴーン元会長は09年2月ごろ、自身の資産管理会社に契約を再移転。この際、サウジアラビアの知人が信用保証に協力したとされる。この知人が経営する会社に対し、0912、日産子会社から1470万ドル(現在のレートで約16億円)が支出された。

 特捜部は、日産への損失付け替えと知人側への約16億円の支出の2点について会社法違反(特別背任)の疑いがあるとして調べている。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO39351870V21C18A2CC1000/?n_cid=SPTMG053

 

 

 

 

ここで簡単にゴーンの履歴をおさらいしておこう。

 

 

Carlos Ghosn

 

ルノーの取締役会長兼CEO、日産・三菱自の会長、64

ルノー・日産・三菱アライアンスの社長兼CEO最高経営責任者2018.10月現在

 

両親はレバノン人、ブラジルで誕生、中等教育ベイルートで受ける。

グランゼコール・高等職業教育機関・パリ国立高等鉱業学校を卒業し、ミシュランに入社し18年間在籍。ミシュランでの業績が評価され、ルノーの上席副社長にスカウトされる。

 

1954.3.9~  レバノン人の両親から、ブラジルで誕生している。

1960年 レバノンベイルートに転居

1978年 グランゼコールのバリ国立高等鉱業学校で工学博士を取得し卒業。

19789月 欧州最大のタイヤメーカーミシュランMichelinに入社

1984年 リタRita1965年生まれ)と結婚、リヨン大学薬学部卒の才女。一男三女をもうける。

19854月 30歳、南米ミシュランCOO、ブラジルの多文化体制下での経営体制を確立する。

1989年 南米ミシュラン(南米事業部)を黒字化させ、北米事業部のCOOを兼任、米国へ移住。

1990年 北米ミシュラン最高経営責任者CEOに昇格する。

199610月 ヘッドハントされ)ルノー入社

199612月 ルノーの上席副社長、パリへ移住する。42才。

 

19993月 日産がルノー資本提携

19996ルノーの役職を維持して、日産の代表取締役最高執行責任者COOに就任。

     日本に移住する。45

     フランス語、英語、スペイン語ポルトガル語アラビア語の五言語を流ちょうに操る。

20006月 日産取締役社長兼最高執行責任者COO

20016月 日産の取締役社長最高経営責任者CEOに選出される。47

20036月 日産の取締役共同会長社長最高経営責任者CEO

20054月 西川博人、日産副社長に就任。

20055 ルノーの取締役社長兼CEOに就任する。51

20086月 日産の取締役会長社長最高経営責任者CEO

20095 ルノー取締役会長兼社長兼最高経営責任者

20116月 西川博人、日産代表取締役・副社長に就任。

20156月 西川博人、日産代表取締役・副会長に就任。チーフコンペティティブオフィサー

20156月 カルロス・ゴーンの不倫が原因で、Ritaさんと離婚。リタさんはかなりの暴力を受ける。

20165月 ガールフレンドのキャロル・ナハスCarole Nahasと再婚、ベルサイユ宮殿の大トリアノン宮殿で大結婚披露宴を行っている。個人住居は、東京・パリ・ベイルートリオデジャネイロアムステルダム・ニューヨークにある。6軒。

2016年11月 西川博人、日産代表取締役・共同最高経営責任者兼副会長に就任。

201612月 三菱自の取締役会長に就任。

20174月 日産自動車取締役会長に就任。

20174月 西川博人、日産代表取締役社長兼最高経営責任者に就任。

 

2018.11.19 有価証券報告書虚偽記載により、東京地検特捜部により金融商品取引法違反容疑で、代表取締役のグレッグ・ケリーと共に逮捕される。'11/3~'15/3の有証虚偽記載。

2018.11.22 日産取締役会にて、会長職と代表取締役から解任される。平取締役となる。

2018.11.26 三菱自動車でも、会長・代表取締役から解任され、平取締役となる。

2018.12.10 '16/3~'18/3有価証券報告書の虚偽記載で、再逮捕される。

2018.12.21 特別背任の疑いで再逮捕される。

 

 

何はともあれ、この損失移転は、証券取引等監視委員会監査法人からも相次いで問題視されていたものだ。巷には監査法人がもっと突っ込む必要があった事案である、と言われているものであるが。

 

ゴーンのこの付け替え操作は、証取監視委に簡単に見つかるようなものであったようで、どう見ても違法なものであった。だからすぐに問題とされたのだ。

(続く) 

Ghosn,Gone with the Money(24)

だからゴーンもかなり神経を使ったようで、2009年から2012年にかけて四分割して送金していたと言う。しかも言い訳が立つように、ハリド・ジュファリ氏からは毎年虚偽の請求書を送らせていたと言うではないか。

 

ゴーンは、このことを正規の正しい社内手続きをとっていた、と嘯いていた訳だ。しかも2013年以降も別の形で支払っていたというではないか、一体どんな理由で支払っていたのか。その実態はわかっているのか、はなはだ問題である。

 

 

 

虚偽の請求書作成させて16億円支出か ゴーン容疑者

2018.12.25 20:08 社会 事件・疑惑

夕刊フジ写真 カルロス・ゴーン カルロス・ゴーン容疑者

 日産自動車の前会長、カルロス・ゴーン容疑者(64)が私的な投資の損失を日産に付け替えたなどとして再逮捕された特別背任事件で、ゴーン容疑者が、サウジアラビア人の知人側からの請求書に基づき、販売促進費などの名目で約16億円を支出していたとみられることが25日、関係者への取材で分かった。東京地検特捜部は販売促進などの活動実態はなく、正当な報酬に見せかけるため、知人側に虚偽の請求書を作成させた可能性があるとみて経緯を調べている。

 

 ゴーン容疑者は平成20年10月、自身の資産管理会社と新生銀行との間で契約した通貨のデリバティブ金融派生商品)取引で生じた約18億5千万円の評価損を日産に付け替えたとして再逮捕された。

 

 さらに、その契約を資産管理会社に戻す際、信用保証に協力したサウジアラビア人の知人が経営する会社に21~24年、日産子会社から1470万ドル(現在のレートで約16億円)を入金させた疑いがある。

 

 この知人はゴーン容疑者と30年来の付き合いがあり、現地で投資活動などを行っている実業家。

 

 関係者によると、日産子会社からの送金額は知人側が各年分を毎年決め、知人の会社から請求書が送られていた。ゴーン容疑者はこの請求書に基づき、日産子会社に指示し、販売促進費などの名目で、「CEO(最高経営責任者リザーブ」という予備費から、約16億円を4回に分けて送金させていた。だが、販売促進などの活動はなかったとされる。

 

 知人側への支払いについて、ゴーン容疑者は「投資に関する王族へのロビー活動や現地の有力販売店とのトラブル解決などへの報酬だった。25年以降も別の形で支払っていた」と供述している。

https://www.sankei.com/affairs/news/181225/afr1812250038-n1.html

 

 

ちなみにサウジアラビアの実業家、ハリド・ジュファリ氏という人物は、サウジの大富豪だと言う。ベンツの販売店としては名が通っているようだが、日産とは特別に関係があったわけではなさそうだ。単にゴーンの知人だと言う事で、ゴーンの債務の保証を頼まれたものであろう。

 

 

家は宮殿そばの大富豪、仕事に厳しく…ゴーン氏の送金先

有料会員限定記事 ゴーン前会長

2019152000

写真・図版ハリド・ジュファリ氏

 日産自動車前会長のカルロス・ゴーン容疑者から約16億円の不正送金を受けたとされるサウジアラビアの富豪ハリド・ジュファリ氏。王子とともに欧州を訪問するなど、サウジで絶大な力を持つ王族にも太いパイプがあるとされる。人となりを追った。

 ジュファリ氏は、サウジアラビア西部の商都ジッダに拠点を置く同国有数の財閥企業「ジュファリグループ」の創業家の出身だ。約3年前からサウジの中央銀行にあたる「サウジ通貨庁」の理事を務める。地元住民には、メルセデス・ベンツの販売店として名が通っている。タクシー運転手の男性(23)は、「ジッダでジュファリ家を知らない人はいない」と話す。

(略)

 

https://www.asahi.com/articles/ASM154VDMM15UTIL007.html?iref=pc_extlink

 

 

 

これらのことから判断すると、カルロス・ゴーン・ビシャラと言う男は、芯からの悪(わる)のようだ。

 

だがあの185千万円の日産への損失移転は、あまりにも強引だったようだ。

 

200810月の取締役会に掛けた議題の「役職員の報酬に関する金融商品の契約」などと言っても、その内容の説明がなければ他の取締役には何のことかさっぱり解らないものであった。

 

その内容を知っていれば、絶対に承認されなかったものである。この意味は、「ゴーンCEOスワップ取引による損失の日産への付け替え、実損が発生した場合にはゴーンの退職金で補填するの件」とでも説明すれば、おおよそのことは判断できたのではあるが、そんなことは取締役会で通る筈もない。

 

この議案も今思うに、このように解釈すれば、何かあった場合にも言い逃れが出来るようにも解釈できるものではないのか。まあ芯からの悪(わる)なのである。

 

この時、ゴーンは日産の取締役会長社長最高経営責任者CEOであった。絶大な権力を持っていたのである。


(続く)

Ghosn,Gone with the Money(23)

知人への16億円、「販売促進費」名目で ゴーン元会長

2018/12/23 18:01
日本経済新聞 電子版

 日産自動車元会長のカルロス・ゴーン容疑者(64)の特別背任事件で、日産からゴーン元会長のサウジアラビアの知人側に流出したとされる約16億円が「販売促進費」などの名目で支出されていたことが23日、関係者の話で分かった。東京地検特捜部は販促活動などの実態はなかったとみている。ゴーン元会長は「業務の正当な報酬だった」と反論しているという。

 逮捕容疑では、ゴーン元会長は200912年、日産子会社から知人が経営する会社に対し計約1470万ドル(現在のレートで約16億円)を支払わせ、日産に損害を与えたとされている。

 

 関係者によると、知人側への約16億円は、当時最高経営責任者(CEO)だったゴーン元会長が必要に応じて使途を決められる「CEO reserve」(CEO予備費から捻出。「販売促進費」などの名目で、中東での販促などを担当しているアラブ首長国連邦の子会社「中東日産会社」を通じて支払われたという。

 この知人は09年初めごろ、ゴーン元会長の私的な金融取引の損失を巡って銀行に対する信用保証に協力。約16億円は、知人が経営している会社の預金口座に対し09年6月から12年3月にかけて4回に分けて振り込まれていた。

 特捜部は、知人が経営する会社は日産の販促に関わる業務を手掛けておらず、巨額の支払いに見合う活動実態はなかったと判断。信用保証に協力した見返りなどの趣旨だった疑いがあるとみているもようだ。

 一方、弁護人によると、ゴーン元会長は知人についてサウジアラビアのビジネス界の重要人物であると説明。日産のために同国の政府や王族へのロビー活動を担っていたほか、日産と現地販売店の間で深刻なトラブルが生じた際に解決に尽力するなどし、約16億円はこうした業務への正当な報酬だったと主張しているという。

 ゴーン元会長の私的な資産管理会社は08年のリーマン・ショックに伴ってデリバティブ取引の契約で巨額の評価損を抱え、契約相手の銀行から担保不足を指摘された。

 ゴーン元会長は担保の追加に応じず、0810評価損ごと契約を日産に移転。しかし、証券取引等監視委員会などから契約移転を問題視され、09年2月ごろに契約を資産管理会社に戻したとされる。この際に改めて担保の不足が問題になり、サウジアラビアの知人が銀行に対する信用保証に協力したという。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO39319590T21C18A2CC1000/?n_cid=NMAIL006

 

 

 

サウジの知人中東日産から支払われた計約1470万ドル(現在のレートで約16億円)は、「CEO reserve」(CEO予備費から「販売促進費」などの名目で支出されたものであると言う。

 

その知人とはサウジアラビアの実業家、ハリド・ジュファリ氏であり、彼の会社は日産の販促に関わる業務を手掛けておらず、巨額の支払いに見合う活動実態はなかったと判断していると言う。

しかも販売促進費と言うのであれば、当然「中東日産」もそれなりに絡んでいる筈なので、そのことに(販促費用)ついては熟知していた筈なのである。

 

しかし「中東日産」はそのこと(販促)には関知しておらず、販促費の送金も要請していないと言うではないか。中東日産の担当者は、その支出は「明らかに不自然な支出であり、こちらからは何も要請はしていないものであった」と証言しているのである。

 

 

 

現場は送金「要請せず」 ゴーン氏私的利益図る目的か

ゴーン前会長 https://www.asahi.com/topics/word/カルロス・ゴーン.html?iref=com_matome

2019160555

写真・図版日産自動車のカルロス・ゴーン前会長


 日産自動車の前会長カルロス・ゴーン容疑者(64)が私的な損失を日産に付け替えたなどとして逮捕された特別背任事件で、前会長が日産子会社からサウジアラビアの実業家ハリド・ジュファリ氏に送金した約16億円について、子会社の担当者(当時)が東京地検特捜部に「明らかに不自然な支出で、現場から要請もしていない」と証言していることが、関係者への取材でわかった。特捜部は約16億円が使途不明の支出であり、実態は前会長らの私的な利益を図るものだったとみて調べている。

 ゴーン前会長はジュファリ氏への約16億円について「現地の販売店のトラブル処理や、投資を呼び込むための王族へのロビー活動、王族や政府との面会の仲介を担ってもらっていた」として、「仕事への正当な対価だった」と主張。弁護人も「王族との面会の適正価格を評価するのは難しい。無報酬でやることはありえない」と主張している。

 これに対し、ドバイの子会社「中東日産」の担当者は、ロビー活動などのためであれば、現場から「緊急で数億円が必要」などと本社に支出を求めるのが普通だと説明。現場ではジュファリ氏によるロビー活動の必要性は感じておらず、「約16億円は上司の命令でそのまま送金した」と証言しているという。

 また、中東日産の年度ごとの事業目標について達成できたかどうかを計算する際、約16億円の送金は支出に含まれていなかったことも判明。特捜部は証言や資料から、ゴーン前会長がCEO(最高経営責任者)直轄の「CEOリザーブ予備費)」を使って、トップダウンで送金を指示していたとみている。

 ゴーン前会長は、約18億5千万円の評価損を生んだ私的な取引をめぐって、ジュファリ氏から約30億円分信用保証の協力を得た見返りに、中東日産から計1470万ドル(現在のレートで約16億円)を不正に送金した疑いが持たれている。2009(H21)年6月~12(H24)年3月の間の4回にわたり、「販売促進費」などの名目で送金したとされる。

https://www.asahi.com/articles/ASM154TWYM15UTIL006.html

 

 

この記事によれば、「中東日産」の担当者によれば「ロビー活動などの必要性は更々無かった」と言っているように、相当不自然で訳の分からない支出であったようだ。

(続く)

Ghosn,Gone with the Money(22)

さて話を元に戻して、中東日産から支払わせた1470万ドル(現在のレートで約16億円)の容疑は日産の内部調査で突きとめられたものではなくて、それらの資料から特捜部が独自に突き止めたゴーンの犯罪だと言う。

 

 

日産から16億円流出か ゴーン元会長の私的損失巡り

2018/12/21 20:57 (2018/12/21 22:55更新)
日本経済新聞 電子版

 東京地検特捜部は21日、日産自動車元会長のカルロス・ゴーン容疑者(64)を会社法違反(特別背任)容疑で再逮捕した。自身の資産管理会社で生じた損失を日産に付け替え、さらに同社の資金約16億円を第三者に流出させた疑いが判明。日産は今回の逮捕容疑を踏まえて会社が受けた損害額を精査し、ゴーン元会長に対する賠償請求を検討する。

 今回の逮捕容疑はゴーン元会長による「会社の私物化」の疑いを強める構図。保釈の可能性が高まるなかで特捜部は3回目の逮捕に踏み切り、勾留はさらに長期化する見通しとなった。

 

 関係者によると、再逮捕容疑の発端は2008年のリーマン・ショックに伴う急激な円高。ゴーン元会長の資産管理会社は、新生銀行と締結していた通貨取引に関するスワップ契約で巨額の損失を抱え、銀行から担保不足を指摘された。

 新たな逮捕容疑の一つは0810月、このスワップ契約を損失を含めて日産に移転し、185000万円の評価損を負担する義務を日産に負わせたというものだ。

 ところがこの契約移転が一部で問題視され、資産管理会社にスワップ契約を再移転することになった。この際、ゴーン元会長のサウジアラビアの知人が信用保証に協力したという。

 0912、自分と知人の利益を図り、知人が経営する会社に対し日産子会社から1470万米ドル(現在のレートで約16億円)を振り込んだというのが2つ目の容疑だ。

 関係者によると、ゴーン元会長は調べに対し容疑を否認している。損失付け替えでは結果的に契約を再移転しており「日産の損失はない」と主張。知人には「日産のための仕事をしてもらっていた」とし、振り込みは業務の対価だと説明しているという。

 今後の捜査では、特別背任罪の構成要件である「自己または第三者の利益を図る目的」と日産の「財産上の損害」を立証できるかが焦点となる。

 今回の逮捕容疑は日産の内部調査では突き止められず、特捜部の捜査によって判明。司法取引で合意した日本人の幹部社員の証言や提出資料が重要な役割を果たしたという。幹部社員は秘書室長としてゴーン元会長を長年支えた側近だった。

 逮捕容疑の一部は約10年前の行為だが、ゴーン元会長は海外滞在が長く、特捜部は特別背任罪の公訴時効(7年)は成立していないと判断した。

 特捜部は10日、金融商品取引法違反の罪でゴーン元会長らを起訴し、同法違反容疑で再逮捕した。20日に東京地裁に勾留延長を請求したが却下され、保釈の可能性が出てきたため、予定を早めて新たな容疑で逮捕したとみられる。3回目の逮捕容疑について22日にも地裁に勾留請求する見通しだ。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO39285720R21C18A2MM8000/?n_cid=NMAIL006

 

 

 

不法に資金が流出されたものであるとして、日産はゴーンに対して損害賠償の請求を検討し始めているようだ。まあ、当然と言えば当然ではあるが。何分額が額である。ただ損害はこれだけではないようで、会社経費で自宅を購入させたり、リフォームさせたりしているので、精査が必要となる。おかげで日産も大変である。大変でも、何事も、しっかりと進めてゆかなければならないのだ。

 

 

日産、損害賠償請求を検討 ゴーン元会長の再逮捕受け

2018/12/21 17:09
日本経済新聞 電子版

 日産自動車が元会長のカルロス・ゴーン容疑者に対して、損害賠償を請求することを検討していることが(2018.12)21わかった。東京地検特捜部が同日、ゴーン元会長を会社法違反(特別背任)の容疑で再逮捕したことを受け、日産は会社に与えた損害額を精査して賠償請求することを検討する。

 関係者が同日、明らかにした。今回の再逮捕で特捜部はゴーン元会長が私的な投資での損失を日産に付け替えたことや知人に日産の資金を流出の疑いを指摘した。関係者は「損害はこれから調査しなくてはいけないが、損害が発生しているならば当然、請求につなげていかないといけない」と指摘した。

 日産はゴーン元会長による不正行為に関する内部調査で役員報酬の過少記載のほか、投資資金の私的流用、経費の不正支出3点を確認したとしていた。この内部調査を主な理由として、1122日の臨時取締役会でゴーン元会長の会長職を剥奪し、代表権も外す決定をしていた。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO39256340R21C18A2000000/?n_cid=SPTMG053

 

 

この金は一体どこから出たものであろうか。

 

(続く)

Ghosn,Gone with the Money(21)

だから頓珍漢な訳の分からない題名で、取締役会に掛けたのである。他のボードメンバーは何のことがさっぱりわからなかったのではないのかな、ただゴーンの言う事だからと言って賛成に回ったものと思われる。

 

 

損失含む契約 日産取締役会で“付け替え”決議
[2018/12/23 11:51]

 日産自動車の前会長、カルロス・ゴーン容疑者(64)が特別背任の疑いで再逮捕された事件で、ゴーン容疑者の損失を含む契約の日産への付け替えが取締役会で決議されていたことが分かりました。

 ゴーン容疑者は、金融商品で生じた約185000万円の損失を含む自らの資産管理会社と新生銀行との契約を日産に付け替えたなどの疑いが持たれています。その後の関係者への取材で、日産はこの付け替えを取締役会で決議をしていたことが分かりました。200810月の)取締役会では個人情報を理由にゴーン容疑者の名前は伏せられ、「役職員の報酬に関する金融商品の契約」と説明されたということです。ゴーン容疑者側は取締役会の過程で「一部の幹部は付け替えを認識していたのではないか」と主張しています。また、東京地裁23日にゴーン容疑者の10日間の勾留を認めるか判断します。

https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000143774.html

 

 

 

役職員の報酬に関する金融商品の契約」などと言っても、その内容の説明がなければ他の取締役には何のことかさっぱり解らなかったことでしょう。

 

取引の経緯を知る関係者は「議事録は、取締役会で実際に諮られたとしても、他の取締役たちは何の決議をしたか分かっていないだろうなと思われる内容。日産という会社はゴーンさんに逆らえないんだなと思った」と話した。」と言われるように、しかも英語で会議が進行されているので、ちょっとした専門用語をゴーンが適当にしゃべれば、他の取締役が質問しても煙に巻いたことでしょう。

 

この取引の経緯を知る関係者とは、きっと新生銀行の関係者なのであろう。

 

まさにゴーンは、任に背いたのである。

 

 

だから、マレー系英国人で英国弁護士資格を持つ専務執行役員は、「もう耐えられない」と20185、日本人幹部にそれらのことを打ち明けたのではないのかな。



そして、2018518にはCFOを務めていたジョセフ・ピーター氏Joseph-G.Peter)も、ゴーンに嫌気がさして退社して(させられて)いったのではないのかな。だから、W.S.Journalもこの退社事件を、もっと詳しく調べるべきであったのである。

 

 

この案件を見ても、如何にゴーンが傍若無人に振る舞っていたかが、わかるのである。傍若無人にと言うよりも、不正、不法に振る舞っていたと言う事である。

 

そしてこの件で、勾留が更に10日間延長となっている。

 

2019.1.1までの勾留期限だったものが、111日までの勾留となった訳である。正月元旦に手続きをするよりもよかろう、と言う事で一日前出しで大みそかの手続きとなった訳である。

 

ゴーン元会長、1月11日まで勾留延長認める 東京地裁

2018/12/31 11:10
日本経済新聞 電子版

 日産自動車元会長のカルロス・ゴーン容疑者(64)の特別背任事件で、東京地裁31、ゴーン元会長について勾留期限だった2019年1月1日を前に、10日間の勾留延長を認める決定をした。延長後の期限は1月11東京地検特捜部は同日までにゴーン元会長の起訴の可否を判断する。

 東京地裁1223日にゴーン元会長の10日間の勾留を認め、19年1月1日に期限を迎える予定だった。特捜部は期限に先立ち、地裁に勾留延長を請求した。

 ゴーン元会長を巡っては、直近3年分の報酬を有価証券報告書に過少に記載した疑いで再逮捕された後、1220日に地裁が勾留延長を却下した。保釈の可能性が出たため、特捜部は捜査日程を前倒しして21会社法違反(特別背任)容疑で3度目の逮捕に踏み切った。

 ゴーン元会長は私的な金融取引の契約で損失を抱えて銀行側から追加担保を求められ、0810月、損失ごと契約を日産に一時移転し、評価損約185000万円を負担する義務を日産に負わせた疑いが持たれている。

 この契約はゴーン元会長の資産管理会社に再移転されたが、この際にサウジアラビアの実業家、ハリド・ジュファリ氏が信用保証で協力。ゴーン元会長は、日産子会社からジュファリ氏側に約1470万ドル(現在のレートで約16億円)を入金させ、日産に損害を与えた疑いも持たれている。

 弁護人によると、ゴーン元会長は損失付け替えについて「一時的に信用を借りただけで、日産に実損はない」と主張。ジュファリ氏側への支出は「日産のための仕事に対する正当な対価だった」とし、特別背任の容疑を否認している。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO39590260R31C18A2CC1000/?n_cid=SPTMG053

 

 

これで勾留の再延長はなくなったことになる。あとは「起訴」されるだけとなる。きっと東京地検特捜部は、2019.1.12(土)に、ゴーンをこの件で起訴することになる。

 

そしてこの件での、特捜部とゴーンの争いは、裁判の場に移ることになろう。

 

 

そのためゴーンは、サウジアラビアの実業家の知人ハリド・ジュファリ氏に中東日産から支払わせた1470万ドル(現在のレートで約16億円)は、販売促進費だと嘯いている。

 

 

今回の逮捕容疑は、金融商品取引法違反ではなくて、自己の損失を日産に移転させ更には同社の資金を第三者に流出させた疑いである。

 

 

さて本日(2019.1.8)ゴーンが法廷に出たのでそのことに少し言及しよう。

 

2019.1.810:30過ぎ東京地裁425号法廷において、日産前会長のカルロス・ゴーン容疑者(64)の「勾留理由開示手続き」が開かれた。

 

容疑者の供述などにてらすと、関係者に働きかけ、証拠を隠滅すると疑うに足りる相当な理由が認められる」との内容で、多田裕一裁判官はゴーンに勾留理由を告げた。

 

事実ゴーンは、日産名義のリオデジャネイロのマンションから、ブラジル裁判所を動かして書類を持ち出させている。日産は書類が日産のものである可能性があるとして、内容確認を求めたが、拒否されている。

 

この件は2019.1.5の当ブログNO.18を参照願いたいが、ゴーンが外に出れば必ずや大々的に証拠隠滅を行う事は、目に見えている。だから勾留を続けることは当然な事である。

 

 

ゴーンは手錠と腰縄を付けられ入廷したが、意見陳述ではそれらは外されている。

そして「私にかけられている容疑は無実です」と鋭い眼光を発しながら、しゃべっている。

 

 

「カリスマ経営者」法廷に姿 よく通る声で自ら名前読み上げ

毎日新聞2019181129(最終更新 181255)

傍聴券を求めて列を作る人たち=東京都千代田区201918日午前831分、藤井達也撮

 

 国内外に衝撃を与えた東京地検特捜部の逮捕から50日。かつての「カリスマ経営者」が法廷に姿を現した。「私にかけられている容疑は無実です」。日産自動車前会長、カルロス・ゴーン容疑者(64)は勾留生活でやや痩せた印象だったが、裁判官を見据え、よく通る声で自らの正当性を主張した。【巽賢司、遠山和宏、金寿英】

 「私は日産に関して、心から親愛と感謝の気持ちがある」「人生の20年を日産の復活にささげてきた」「日産に損害を与えていない」――。8日午前、東京地裁425号法廷。傍聴席を埋めた約40人の視線は、証言席で熱弁を振るい、無実を訴えるゴーン前会長の姿に注がれた。

 逮捕時と同じとみられる黒いスーツに白いシャツ姿で、足元は青いスリッパ。ネクタイはつけていない。午前10時半手錠と腰縄を付けられ、拘置所職員2人に誘導され入廷。傍聴席を見渡し、最前列に座った大使館関係者を見て軽くうなずいた。「職業は会社役員ですか」。裁判官に問われると「イット イズ(そうです)」と短く答えた。

 前会長は弁護人に促されると、通訳を介して約30分間、意見陳述した。「昼夜を問わず、飛行機の中でも働いた。私たちは日産を変革した」。A4の紙を手に特別背任容疑を否定するとともに、会社をV字回復に導いた実績を誇示した。

 勾留理由開示手続きについて、弁護人がゴーン前会長に説明したのは昨年末。前会長は「そういう場があるなら発言したい。裁判官に私の意見を聞いてもらいたい」と請求に同意したという。

 前会長の出廷について、ある日産関係者は「会社から事件の具体的な説明はなくモヤモヤとした気持ち。会社を私物化したとされているが、本当はどうだったのか。前会長には真実を語ってほしい」と話した。

https://mainichi.jp/articles/20190108/k00/00m/040/070000c#cxrecs_s

 

 

この「勾留理由開示手続き」に関しては、ゴーンの長男がフランス紙のインタビューで大きなことをしゃべっている。

 

ゴーンの息子のアンソニーは前妻のリタの一男二女の長男で、アメリカで不動産融資関連の会社を営んでいると言うが、日本のメディアの報道によると、世間がびっくりするようなことを言うだろう的なことが報道されていたのだが、Bloombergによれば「力強く反論」するだろう、と表現されているだけだ。何もびっくりするような隠し玉を発表するような言い草ではなかった。

 

ゴーンは、世界各地での不倫がばれて、リタとは離婚している。今でももめている様だがこの件も追々述べてゆくつもり。

 

まあ、ゴーンが「力強く反論」することは当たり前のことだ。

 

 

ゴーン容疑者は「力強く反論」へ、8日の出廷で-息子が仏紙に語る

William Horobin

2019173:55 JST

日産自動車前会長で、会社法違反(特別背任)の疑いで再逮捕・勾留されているカルロス・ゴーン氏(金融商品取引法違反で起訴済み)は、今週行われる勾留理由開示の手続きで「力強く反論」する考えだ。ゴーン氏の息子アンソニーさんがフランス紙ジュルナル・デュ・ディマンシュ(JDD)とのインタビューで語った。

  ゴーン容疑者は8日に東京地裁での勾留理由開示手続きに出廷する。1119日の逮捕以降、勾留が続いていることに関して、ゴーン氏の弁護団が理由の開示を請求していた。

 

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ゴーン容疑者と息子のアンソニーさん

写真家:Jim Spellman / Wire Image

  アンソニーさんはJDDに対し、「父の話を聞けば誰もが非常に驚くだろう」とし、「これまでは疑惑についてしか伝えられていない」と語った。



  一方、フランスのルメール経済・財務相は、仏政府としてゴーン氏のルノー会長辞任は求めていないと発言。不正行為の証拠が見つかっていないためだと説明した。同相は「推定無罪だ。ゴーン氏の辞任要求が必要になるような情報は何も持ち合わせていない」と仏ラジオ局ヨーロッパ1で語った。

原題:Ghosn to Mount Vigorous Defense at Hearing, Son Tells JDD (1)(抜粋)

 

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-01-06/PKX78H6TTDS001

 

 

結局この「勾留理由開示手続き」は、何事もなく終わったようだ。

 

午後には、都内の外国特派員協会ゴーン氏の弁護人を務める大鶴基成氏記者会見を開いたのであるが、これも目新しいことは何もなかった。

 

大鶴弁護士が話したことは一つ一つが説得的で、検察への直接的な批判は避けた。今後の裁判を考えると(検察との全面対決を避けたことは)賢明な判断だった思う」と言った

ような見解も見られるが、そのことが反対に不気味に感じられなくもない。(https://dot.asahi.com/dot/2019010800078.html?page=1参照のこと。)

 

2019.1.11にゴーンの再逮捕があるのか、保釈されるのかが今後の焦点となるであろう。

(続く)

Ghosn,Gone with the Money(20)

もう一度言うが、このように、保釈されてしまう可能性が出てきてしまったために、東京地検特捜部もそれなりに慌てた事と思われるが、年明けてからこの背任容疑での逮捕を想定していたモノを、早出しせざるを得なかったものと思われる。

 

但し、それなりに想定はされていたことでもあったのであろうが、地検側にも強がりも見られる。当分はゴーン側と地検との抗争は続く。

 

 

 

「前倒ししただけ」「非常手段」=ゴーン容疑者再逮捕で検察OB

201812211915

 一時は保釈間近とみられていた日産自動車の前会長カルロス・ゴーン容疑者(64)が一転、特別背任容疑で再逮捕されたことに、検察OBからは「捜査を前倒ししただけ」「非常手段だ」などとさまざまな見方が出ている。



【特集】日産ゴーン容疑者逮捕

 元東京地検特捜部長の宗像紀夫弁護士は「年末年始は休んで年明けにやるつもりだったが、保釈されて日本からいなくなると捜査が難しくなるので着手したのだろう。司法取引で証拠は十分集まっている。別動隊がそれなりの捜査は進めていて、時間が早まったということだ」と説明する。

 これに対し、特捜部に在籍経験がある高井康行弁護士は「勾留延長が却下されて前倒しせざるを得なくなったが、2回目の時に特別背任で逮捕することもできたのではないか」と苦言を呈す。

 「特別背任は捜査に時間がかかるので、他に嫌疑があればそれを済ませてから取り掛かるのが常道だ。しかし、今回は司法取引をしているのだから、本来なら虚偽記載も特別背任も内偵段階で詰めた上でまとめて逮捕、起訴できれば一番よかった」と話した。

 元検事の郷原信郎弁護士は「経過を見る限り、特別背任が立証できる状況だったとは思えない。やれるならもうやっていたはずだ」と指摘。「ゴーン容疑者が保釈されたら、いろいろと捜査を批判される。非常手段的にもともと無理と思っていた事件に手を付けたのではないか。海外には身柄拘束を長引かせていると映るだろう」と話した。(2018/12/21-19:15

https://www.jiji.com/jc/article?k=2018122106978&g=soc

 

 

当然ルノーのフランスでは、このニュースは批判的に伝えられている。

 

 

「保釈の希望消え去る」=ゴーン容疑者に同情的-仏メディア

201812211845

 【パリ時事】日産自動車前会長のカルロス・ゴーン容疑者の再逮捕を受け、同容疑者が会長兼最高経営責任者(CEO)を務める自動車大手ルノーが本社を置くフランスのメディアは21日、「保釈の希望は消え去った」(経済紙レゼコー)と同情的に伝えた。20日に東京地検の勾留延長請求が却下された際には、フランスでは「(ゴーン容疑者側の)大逆転」だと報じられていた。


日本の刑事手続きに批判集中=ゴーン容疑者再逮捕で-仏メディア

https://www.jiji.com/jc/article?k=2018121000635&g=soc


 ゴーン容疑者の逮捕をめぐっては、仏メディアは勾留期間の長さや取り調べに弁護士が同席できない点などを厳しく指摘。保釈の可能性が出てきた直後の再逮捕について、日本の刑事手続きに対する批判がさらに強まる恐れがある。(2018/12/21-18:45

https://www.jiji.com/jc/article?k=2018122106806&g=soc

 

 

 

但しフランスのマスコミも、もう少しゴーンの行動にも取材の網をかけてほしいものである。この特別背任容疑となった損失の付け替え事件も、調査すればそれなりにゴーンの不正の事実も掴めることも出来た筈だ。

 

何と言ってもゴーンは新生銀行と、損失の付け替えに関してそれなりのやり取りはしていた筈なのであるから。それに、日産の関係者にも取材は出来た筈だ。

 

 

 

ゴーン容疑者「決議あればいいんだね」 損失付け替え、銀行難色を押し切る

   2018.12.23 07:00社会事件・疑惑

    カルロス・ゴーン容疑者と新生銀行の主なやりとり ゴーンやり取りafr1812230001-p1

 日産自動車の前会長、カルロス・ゴーン容疑者(64)が私的な投資の損失を日産に付け替えたとされる特別背任事件で、損失が生じた通貨デリバティブ金融派生商品)の取引先だった新生銀行(東京)側とゴーン容疑者の間でなされた交渉の詳細が22日、関係者への取材で判明した。ゴーン容疑者は付け替えを自ら提案。銀行側が強く難色を示しても「取締役会決議があればいいんだね」と意に介さず、付け替えの実行を求めたという。



 ●巨額の評価損

 ゴーン容疑者は日産のCEO(最高経営責任者)だった平成20年10月、自身の資産管理会社と新生銀行との間で契約したデリバティブ取引で生じた約18億5千万円の評価損、資産管理会社から日産に付け替えたなどとして再逮捕された。

 関係者によると、ゴーン容疑者が契約したのは、通常より有利なレートで外貨と交換できる「為替スワップ取引」。ゴーン容疑者は日産からの報酬を円建てで受け取っていたが、生活の大半は海外のため、安くドルが買えるこの契約に大きな関心を寄せ、20年夏頃、自身の資産管理会社名義で契約したという。

 だが、同年秋に発生したリーマン・ショックの影響で急激な円高となり、取引で約18億5千万円という巨額の評価損を抱えることとなった。銀行側は同年10月、現金による追加担保を求めたが、ここでゴーン容疑者が持ち出したのが日産への契約付け替えだった。

 

 

 ●予期せぬ提案

 東京・東銀座にあった旧日産自動車本社で、新生銀行の担当者ら3人と向き合ったゴーン容疑者はこう語りかけた。

 「それじゃあ、この契約の当事者を日産との契約に変えたらどうか」

 評価損を含む全ての権利を会社に付け替えるという予期せぬ提案に、担当者は耳を疑ったという。

 担当者はすぐに「取引先が日産であれば追加担保は求めませんが、取締役会の決議が必要ですよ。でも常識的に考えて決議されませんよ」と強く難色を示した。

 ゴーン容疑者は「君、何を言っているんだ」と意に介さず、「なるほど、取締役会の決議があればいいんだね。分かった。法務部長、秘書室長をよこすから打ち合わせをしてくれ」と手続きを進めるよう促したという。

 その後、新生銀行の担当者は日産の法務部長と秘書室長と面会。「本当にいいんですか」と担当者が確認したところ、法務部長らは「取締役会で決議したので日産の契約に付け替えてください」「法的手続きは踏みました」と応じたという。同月、契約の当事者がゴーン容疑者の資産管理会社から日産へ変更された。

 ●監視委が問題視

 翌年の(平成)21年(2009)1月証券取引等監視委員会の検査官新生銀行を訪れた。監視委が問題視したのは、日産幹部が「問題ない」と語っていた取締役会での決議内容だった。

 取締役会の議事録に書かれていたのは「新たな為替取引の担当者選任について」という趣旨の案件名と、「全員承認した」との簡素な決議内容。取引内容の説明や他の取締役からの意見などは一切記載されていなかったという。



 監視委は取締役会での決議は事実上、偽装された疑いがあると判断。契約変更は会社法違反に当たる恐れがあると指摘した。結果として、契約は日産からゴーン容疑者の資産管理会社へ戻されることになった。

 取引の経緯を知る関係者は「議事録は、取締役会で実際に諮られたとしても、他の取締役たちは何の決議をしたか分かっていないだろうなと思われる内容。日産という会社はゴーンさんに逆らえないんだなと思った」と話した。

https://www.sankei.com/affairs/news/181223/afr1812230003-n3.html

 

 

 

実際には、この日産取締役会の議事録は、ゴーンとその配下の法務部長と秘書室長によって、捏造されたものであった。形式的には取締役会は開かれていた訳であるが、まともに「損失の付け替え」などと議題に挙げれば、私的なものであるから承認される筈がないものである。


(続く)