尖閣諸島問題(5)

20、台湾総統反日団体に祝辞尖閣領有を主張し新設200811171026

    

 台湾でこのほど尖閣諸島(中国名・釣魚島)の領有権を主張する反日団体

華保釣(釣魚島防衛)協会」が設立され、馬英九総統が異例の祝辞を寄せていた

ことが17日分かった。反日団体としては台湾最大規模とされ、設立集会には香

港やマカオ、米国の活動家など約100人が出席した。

 同会は「領有権問題の平和的解決を目指す」とする一方、「毎年1回は釣魚島

を目指す」としており、日本政府関係者が警戒を強めている。

 設立に関与した活動家によると、馬政権発足直後の今年6月、内政部(総務

省)が設立を正式許可。馬総統はかつて領有権を主張する活動に参加していた

こともあるため、同活動家は「李登輝陳水扁時代に抑え込まれていた活動が有

利な状況を迎えた」と述べた。

 団体は「中国など各地の活動家ともネットワークを強化し、台湾社会における領

有権の意識向上に努める」ことも掲げている。(共同)

http://sankei.jp.msn.com/world/china/081117/chn0811171028000-n1.htm

     

18、「尖閣は日本領土だ」台湾・李登輝元総統200809242039

    

 沖縄を訪問している台湾の李登輝元総統は24日、仲井真弘多沖縄県知事ら

との昼食会の席上、「私にいわせれば尖閣諸島(中国名・釣魚島)は日本の領土

である」との見解を改めて表明し、尖閣問題で領有権を主張し続ける馬英九

権を牽制(けんせい)した。

 尖閣沖で今年6月に起きた日台の船舶事故で、領有権を主張する馬政権は日

本領海に巡視船を派遣、政権内から「開戦の可能性を排除しない」(劉兆玄行政

院長=首相)との発言まで飛び出した。

 馬政権は厳しい対日強硬姿勢をとり続け、尖閣周辺における台湾の漁業権

認めるよう日本に迫っているが、李氏は「尖閣は沖縄に所属する日本領」との持

論を展開。馬政権の強硬姿勢は「漁業権とは関係がなく、政治的にやっている

だけ。(日本は)神経質にならない方がいい」と述べた。

 李氏の訪日は今回で4度目だが、日本国内で尖閣に対する認識を表明したの

は初めて。李氏は台湾と沖縄が尖閣問題を含め連携を強めるべきとの考えを強

調した。

     ◇

 台湾の“駐日大使館”に相当する台北駐日経済文化代表処は24日、尖閣

島の領有権をめぐる李登輝元総統の発言について「李元総統の個人的見解」

とし、「(尖閣が)中華民国(台湾)の領土であるとの一貫した立場に変化はない」

と表明した。

http://sankei.jp.msn.com/world/china/080924/chn0809242043005-n1.htm

    

19、李登輝氏、尖閣諸島は「日本の領土だ」と発言20081001中村圭志

      

沖縄を訪れた李登輝氏が尖閣諸島を「日本の領土だ」と発言した。今回が初め

てではないが、李氏があえて主張し続けるのは、この問題で中国と歩調を合わせ

て騒いでは、台湾の独立性まで危なくなるとの懸念があるからだろう

訪問していた李登輝氏は24日、仲井真弘多知事、稲嶺恵一前知事、高嶺善伸

県議会議長らとの昼食会席上、尖閣諸島を「日本の領土だ」と発言した。

「台湾と沖縄は地域的にも非常に近い。戦前の日本統治時代、台湾の漁民は

尖閣諸島近辺で漁業をして生計を立てていた。獲った魚は本土に持っていくより

も(台湾の港町)基隆のほうが近いので、そこで水揚げして消費していた。

 戦後、台湾と日本は別の国になり、尖閣諸島の近海は日本の海となった。尖閣

諸島は間違いなく日本の領土。問題なのは、漁業権の問題だけ。昔どおり、そこ

で漁業をさせて欲しいというだけの話だ。

 私が総統の時代、漁業権の解決のため、日本の農林水産省と交渉を始めた。

現在の馬英九政権の「尖閣諸島中華民国の領土」という主張とは全く違う。

あれはただの政治的なものだ。」

李登輝氏が「尖閣は日本領」と発言するのは今回が初めてではないが、それで

も同行取材の台湾メディアは一斉にこれを大きく取り上げた。メディアは午後も、

首里城を見学する李登輝氏に殺到、ここでも同氏はこう断言した。

 「もちろん、日本のものだ。台湾が『自分のものだ』と言い張るのはおかしい。

歴史上、そのような記載はないし、いかなる決定、地理上の画定もなかった。」

 「きれいな娘を見て、『あれは私の妻だ』と言うことができるか。歴史に基づいて

考えるべきだ。」

「1970年ごろまで、台湾や中国の教科書の地図には、尖閣諸島ははっきりと

「尖閣」と言う名の日本領域内の島々として描かれていたのだ。ところが現在日

本では、そうした都合の悪い文献が在日中国人の組織的行動により、古書店で

は買い漁られ、図書館では盗まれ、あるいはページを破られるなどしていると言

われる。台湾人はそのような中国人と、いつまで同じ立場に立ち続ける気なの

か。」

 李登輝氏が「売国奴」との非難も恐れず、あえて「日本の領土だ」と主張し続け

るのは第1に、「この問題で中国と歩調を合わせて騒いでは、台湾が危なくなる」

との懸念があるからだろう。

 「釣魚台は中国領土」との主張の受け入れは「台湾は中国領土」と自認するに

等しくなり、そのために対日関係を損なうなど愚の骨頂だと言うわけだ。国民党

政権の政治宣伝から抜け出せない台湾人を救おうと李登輝氏は孤軍奮闘して

いる。日本人も国益のため、日台の運命共同体の関係に「陽光」をもたらす努力

が必要なのだ。

戦後の台湾で、最初に「台湾は中国の一部ではない」と世界に訴えた総統が李

登輝氏だった。蒋介石時代以来の「1つの中国」の建前を放棄し、台湾を「台湾

人の主権国家」へと改造した李登輝氏は、かくして台湾を併呑して東アジア・西

太平洋地域に覇権を打ち立てることを国家目標に定める中国にとり、世界で最も

許しがたい人間となった。

 だから、総統選挙で同氏の当選を阻止するため、台湾沖合いにミサイルを撃ち

込み、世界を震撼させるまでしたのだ。李登輝氏は台湾を防衛するために、中

国人化教育で洗脳された台湾国民に台湾人意識を持たせる一方、「日本と台湾

は運命共同体」「台湾は日本の生命線」だとして、日本人に奮起と、台湾との関

係強化を訴えてきた。

 22日から沖縄県を訪問していた李登輝氏は25日午前、帰国の途に着いた。

http://www.news.janjan.jp/world/0810/0809268194/1.php

        

いくら李登輝元総統が馬英九政権を牽制してくれても(このことは非常にありがた

いが、)馬英九政権は台湾の実権を握っている。注意するに越したことはない。

現に国民党の呉伯雄主席は、中国とは一戦を画す、と言って変化球を投げてい

る。こんなことに気を許してはいけない。主権問題を棚上げにしてまで、海洋資

源の共同開発などを進めてもらっては困る。なんとなれば、中国は台湾との連

を模索しているのも事実だからである。2008年6月の記事であるが、それ

を紹介する。

(続く)