尖閣諸島問題(36-2)

  4) 胡錦濤政權の対外路線と真っ向から対立するこんな主張が、なぜ今軍事系

や民族系のネット に 再登場し、多くの支持を得ているのか? 遅浩田が面の急

務に挙げたのが尖閣諸島南海諸島の「三島」問題だ。海洋拡大

努める中海軍の面の略目標は、東シナ海にあると西側専門家は指摘す

る。04 年に中原潜が石垣島周辺で日本領海を侵犯する事件があったが、今

2008年、筆者注) 8 日には中の調査船が尖閣諸島海域を侵犯した。前者

については中国政府は遺憾の意を表明したが、後者については中国固有の領

土と強弁した。しかし中国の対日友好協力路線と相容れぬ行動てあり、中国政

府の指示や容認があったとは思えない。

  5) 遅浩田講演が今ネット上に公開された背後に、国防力強化を追求する軍の

強い意志があると専門家筋は見る。遅浩田は現役時代、空母保有を初め、装

備近代化を強く主張する鷹派として有名だった。そして今、中国海軍にとって飛

躍への好機が訪れた。ソマリア沖への艦艇派遣。中国の艦船が領海外へ戦闘目

的で遠征するのは初めてだ。海賊退治の国際協力というお墨付きがあるものの、

中国軍が本格的な空母艦隊を保持する大きなステップになろう。

  6) 遅浩田講演を紹介した文章は、遅浩田が嘗て日本に対処する特殊兵大隊

編成したが、平和な時代には不要として解散させられたとし、日米が絶えず中

を刺戟する悪しき結果を招いたと述べている。中国軍が何を目指している

か、平和惚けしては居られない。

  →遅浩田の問題講演「米國打倒、日本殲滅」
( 台灣の聲」【全譯文】

12.30/15:06)産經新聞 12.27 付掲載の伊藤正中国総局長の記事は、中国軍

長老遅浩田が 2005.4.の中央軍委拡大会議で行った講演「戰爭正向我們走

來」に触れている。

 以下に講演の日本語訳を掲げる(伊原註:訳文に手を入れてある)

(続く)