尖閣諸島問題(45-3)

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 さらにもう一歩、麻生首相は気力を振り絞って、日本の姿を歪(ゆが)めてきた

戦後体制を正さなければならない。それは集団的自衛権の行使を禁じている

閣法制局憲法解釈を、真っ当な解釈に変え、同権の行使を可能にすることで

ある。それこそが祖父、吉田以来の日本の課題の達成であり、麻生首相に託さ

れた天命であろう。

 日本周辺諸国の激変に目を移せば、日本の対応は待ったなしだ。

 中国は正式に空母建造を宣言した。ウクライナから購入した「ワリャーグ」を含

めて中国自身が建造する2隻と合わせて、空母3隻体制の海軍大国、中国が、

近い将来私たちの眼前に姿を見せる。アジア唯一の空母保有国となる中国は、

従来にもまして、軍事力を背景に外交上の要求を実現していくだろう。

 中国はこれまでも長年にわたって東シナ海で日本の海を侵してきた。天然ガス

田に関して、日本が試掘の可能性に言及しただけで、中国側は軍艦を派遣して

対抗すると、複数回にわたって恫喝(どうかつ)した。軍事力で支えられた中国外

交は、すでに日本に対してその軍事力の果実を得てきているのだ。

 日本側は、首相自らが「お友達のいやがることはしない」と愚にも付かないこと

を語り、中国の日本への侮(あなど)りを増幅させた。日本側が糠(ぬか)喜びし

た“共同開発”も現状維持の“合意”も、中国にとっては何の意味も持たない。覇

気なき日本の姿に、中国側はさぞかし自信をもってガス田開発を進め、樫(中国

名・天外天)での掘削を続けたことであろう。

 日本はあらゆる意味で足元を見られているのである。中国同様、米国の新政

権も、日本の覇気の欠如に加えて、安全保障の法的基盤の未整備という国家

とはいえない欠陥を放置し続けるわが国の足元を見ることだろう。

 だからこそ、首相は一連の対策に、全力でとり組まなければならない。それを

成し遂げれば、祖父の志は実現される。首相の掲げた「自由と繁栄の弧」の旗

も輝く。その一事をもって、首相は、自身の信念を貫き、日本の国益に資する

と、十分なのだ。

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090108/plc0901080233001-n1.htm


将に櫻井よしこ氏の言う通りである。日本国憲法の前文②と9条のすべてを

破棄して、普通の国に立ち戻らなければならない。さもなくば日本は永久に独立

と主権の確保が出来かねるガラスの国のままである。

(続く)