国慶節に思う。(38)

小沢は12/10の一日だけ北京に滞在するだけだ。12/11には単独で韓国へ行く。そして李明博大統領と夕食会に臨み翌日には帰国する。これでは何も出来ない。小沢にとっては、自分の力のある事を外に向かって示す事だけが目的なのだ。鳩山政権の漂流振りなどそ知らぬ顔だ。自分だけが目立ては良いのである。

             

【主張】小沢訪中団 国益に資する議論を望む
2009.12.10 03:04  このニュースのトピックス:小沢一郎

 民主党小沢一郎幹事長をトップ(名誉団長)とする訪中団が10日出発する。輿石東参院議員会長ら計143人の衆参両院議員に支持者らも加わり、総勢は実に600人以上にのぼる。

 「心と心の交流」(訪中団の案内状)を強調する小沢氏は胡錦濤国家主席と会談する予定だ。日中両国の意思疎通を図るうえで、顔合わせの意義はある。

 だが、米軍普天間飛行場の移設問題で日米関係の亀裂が拡大しつつあるこの時期、日本からの大がかりな訪中団が世界に与える印象は、必ずしも日本の国益にかなうとはいえまい

 議員の参加者は6つのグループに分かれ、外交、商務、環境保護など分野ごとに中国政府の関係機関や軍事施設、経済技術開発区、農村などを訪問するようだ。わずか3泊4日の日程だが、突っ込んだ意見交換を求めたい。

 小沢氏は北京には1泊しかせず、翌11日には韓国・ソウルへ飛んで李明博大統領との非公式夕食会にのぞむ別日程をとる。自国の国益を守る毅然(きぜん)とした姿勢をみせてほしい

 今や中国は日本にとっての最大の貿易相手国であり、最大の投資先だ。日米も欧州も、金融危機と同時不況から抜け出すためには、今年も8・5%の成長率が見込める中国経済に頼らざるをえない現実がある。

 しかし、政権党がかかわった訪中団である。中国が一党独裁国家であり、日中間の多くの懸案が未解決のままであることを念頭に置くべきだ。

 最近では日中両国が共同開発で合意している東シナ海のガス田に関し、日本が出資予定の「白樺」で中国側が一方的に掘削施設を完成させた。背景に、エネルギー資源の確保を目的とする軍事力、とくに海軍の増強路線があることも忘れてはならない。

 訪中団には先の衆院選で初当選した新人議員が約80人も含まれている。ガス田問題のほか、軍事力の透明化ギョーザ中毒事件を教訓とした食品の安全対策など、中国側と議論するテーマは少なくないはずだ。将来につながる経験の場としてほしい。

 両国の間には、「日中友好」では律しきれない複雑な利害の対立が生起している。そうした問題を糊塗(こと)したり封じ込めたりすることのない「真の友人関係」の一助となる訪問を期待する。
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/091210/stt0912100304003-n1.htm

まあ、先の(当ブログの'08.1.18,小沢一郎土下座外交3/5)でも指摘しているように、今回も「借りてきた猫」に近い状態だったようにも、小生には感じられた。何れにしても日本国にとってはそれほど益のあったものとは思えない。なんと言っても日本にとって最も大事な同盟国の米国に対しては、全く非礼極まりない行為に映るからである。

中国側でも、もろ手を挙げての歓迎と言う事でもなかったようだが、小沢に何らかの哲学があっての事ではないので、民主党が中国に完全に取り込まれてしまった事には変わりは無い。

小沢訪中 時代錯誤の「乾杯」
2009.12.11 19:53

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 小沢一郎幹事長が率いた、総勢600人超の民主党訪中代表団を中国の国際情報紙『環球時報』(11日付)は、世界の交流史上想像を絶する規模と評し、鳩山由紀夫政権の中国に対する「空前の重視」を示すものと述べた。一方で同紙は「日中間の戦略的摩擦や対抗要素は排除できず、蜜月期の序幕にはならない」(社会科学院日本研究所高洪副所長)といった専門家の見方を紹介、小沢氏の意図に警戒心も表している。(北京 伊藤正)

 数百人規模の訪中団はまれではないが、143人もの国会議員の来訪は、中国にとっても「驚き」で、主宰者の小沢氏の意図がさまざまな憶測を呼んだ。

 高洪氏は、小沢氏は一貫して民主党の対中交流の核心人物であり、日本の戦略的重点を米国から中国にシフトするよう主張してきたとし、今回の訪中は世界、特に米国に対し、民主党の対外政策は自主、独立と宣言したものと分析。小沢氏が自分の政治権力を誇示する狙いもあると述べている。

 いずれにせよ、中国が「日本の●(=登におおざと)小平」(最高実力者)と見なす小沢氏を歓迎して当然だ。10日の代表団との会見前、胡錦濤国家主席は、全員と記念撮影、国会議員の大半とのツーショット撮影にも応じた。小沢氏は胡氏に丁重な礼をいい、「日中友好発展にいい結果を生むと思う」と述べている。

 この場面や小沢氏の言葉は中国では一切報じられなかった。中国の主席が日本の議員にこうした慣例や規格外のサービスをすれば、国内の反日世論を刺激しかねないからだ。しかし小沢氏が言う通り、中国は議員の多くを取り込み、政治的に大成果を収めた。

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 小沢氏だけでなく、鳩山首相岡田克也外相菅直人国家戦略室長ら民主党幹部は親中派として知られているが、中国側は、鳩山政権は発足して間もないため、日中関係はなお調整期が続くとみており、好感しつつ警戒もしている。

 中国現代国際関係研究院日本研究所の劉軍紅研究員は、世界金融危機後、日本は中国をより重視しているが、米国に「平等な関係」を求める一方、鳩山首相が10日の「バリ民主主義フォーラム」で、中国に民主と人権改善を求めたと指摘。日本は中国一辺倒にはならないとの見方を示した。

 小沢幹事長が11日、中国の梁光烈国防相に、中国の軍備増強への懸念を表明したのも、小沢氏が友好姿勢の半面で、中国との力関係のバランスを追求している表れとみられている。

 特に中国が注視しているのは、日米同盟の行方だ。中国は対米協調を世界戦略の基軸にし、対日戦略も日米同盟を前提にしてきた。日本の日米同盟からの離脱はないにせよ、不安定になることは中国は望んでいない。それは北朝鮮問題などを抱える日本が、核を含む軍備増強に向かう危険性を生むとの分析による。

 小沢訪中団は、日中友好ムードを演出したが、双方の利害が複雑に絡まる難題が山積している。日本の選良が大挙訪中して「乾杯」し満足する時代ではない。   
http://sankei.jp.msn.com/world/china/091211/chn0912111959001-n1.htm

★選良-「多くの人の中から選ばれた良い人」の意味で、代議士の事。(清水国語辞典)

(続く)