国慶節に思う。(52)

さてここで、今までに使ってきたデータ(数字)をまとめて掲載しよう。
                

(1)先ず先に挙げた2007年の世界のCO2の排出量だ。(IEAデータ)(95P)
---当ブログの'09.12.28,NO.50を参照のこと。
                

2007年・世界のCO2排出量
NO. 国別 % CO2排出量   
1、 中国 21% 60億7,120万トン
2、 米国 20% 57億6,930万トン
3、 EU 14% 39億2,640万トン
4、 露国  5% 15億8,740万トン
5、 印度  5% 13億2,400万トン
6、 日本  4% 12億3,630万トン
7、 加国  2%  5億7,290万トン
8、 韓国  2%  4億8,870万トン
9、 豪州  1%  3億9,630万トン
10, 伯国  1%  3億4,710万トン
11, 其他 25% 72億4,340万トン
合計  100%  289億6,200万トン 
               

(2)JCCCA(Japan Center for Climate Change Action)のデータより。(10P)
---'09.10.20,NO.5を参照のこと。
                

       2006年                2007年
         排出量・億t 割合・% 1人当りt/人  排出量・億t  順位
 1.アメリカ  57.7   21.1 19.3     57.7    2
 2.中国    56.3   20.6  4.3     60.7(30%) 1(↑)
 3.ロシア   15.6    5.7 11.0             3
 4.インド   12.6    4.6  1.1             4
 5.日本    12.4    4.5  9.7     13.7    5
 6.ドイツ    8.2    3.0  9.9             6
 7.イギリス   5.8    2.1  9.6             8
 8.カナダ    5.2    1.9                  7
 9.韓国     4.6    1.7                  9
10.イタリア   4.5    1.6                 Iran
11.その他   90.1   33.2      
   合計   273.0  100.0

http://www.jccca.org/content/view/1043/784/ によれば2007年は1374.3百万トンであり、IEAのデータとは異なっている。(ベースが異なっているかもしれない。) 
                 

(3)WiLLの11月号の桜井よしこ氏の論文によるデータ。(11P)
---'09.10.21,NO.6を参照のこと。
               

GDP単位当りのエネルギーの消費量

日本  1.0
EU  1.9
米国  2.0
中国  8.7
インド 9.2
ロシア  18.0
                    

(4)『2009年7月11日の日経新聞には、中国のCO2排出量の巨大さをデータで示していた。それによると、総量で日本の4.7倍ものCO2を排出している。GDP千億ドル当たりで見ると、中国は日本の5.2倍ものCO2を排出している。中国は地球や人類に対して5.2倍もの悪影響を与えているのである。しかもそのことに対して、なんら改善する意思を示していない。』(12P)
---'09.10.21,NO.6を参照のこと。
              

              中国      日本       米国
名目GDP('08年)  4兆4千億ドル  4兆9千億ドル  14兆3千億ドル
CO2排出('06年)  56億トン       12億トン      58億トン
人口('08年)     13億28百万人   1億28百万人  3億4百万人
排出百万トン   127.3百万トン     24.5百万トン   40.6百万トン
/GDP千億ドル   5.2          1         1.7      
一人当たり     (4.2t/人)       (9.4t/人)     (19.1t/人)       』

もちろんデータの年度がそれぞれ異なっているので正確ではないが、おおよその悪さ加減の程度はこれでよくわかる。これでも中国は、「自分は悪くない」ような言いっぷりをするのか。
                

(5) 61P
先に言及した('09年)11月27日の日経新聞の3面には、主要各国の削減目標の一覧表が掲載されている。この表でもわかるように、日本の目標値だけが突出している。
---'09.12.8,NO.34を参照のこと。
                   

    GDP当りのEnergy消費量  90年比換算CO2削減目標(%)
        ↓          ↓
 日本   1.0         ▲25%
 米国   2.0         ▲  3%
 EU   1.9            ▲20~▲30
 中国   8.7         (▲40~▲45、'05年比でGDP当り)
  ブラジル   ----     (▲36~▲39、対策を取らない場合に比べて)
ロシア 18.0           ▲25
オーストラリア ----             +13~▲11
   カナダ  ----              ▲ 3

               

(6) 61P
地球環境参議様技術研究所(RITE,Research Institute of Innovation Technology for the Earth http://www.rite.or.jp/)によると、日本が25%減を達成する場合のCO2・1トンあたりのコストは、476ドルかかると言う。それと同じコストを投ずるとEU、米国、ロシアはどれだけ削減できるのか。
---'09.12.8,NO.34を参照のこと。
                

日本  25%削減・・・1t/$476
EU  39%削減可能
米国  44%削減可能
ロシア 59%削減可能
                

このようにデータをまとめてみて考える事がある。それは上記(4)のデータにある一人当たり

のCO2排出量のデータである。これは日経新聞のデータを基に小生が計算して、掲載したも

のであるが、中国が自慢している一人当たりのCO2排出量を知りたかったからであるが、地

球上でのCO2の蓄積は一人当たりの排出量で決まる訳ではない。問題はCO2排出量の総

量である。CO2の総排出量=一人当たりの排出量×総人口なのだ。中国の人口は極端に多

いのだ。なにせ、13億人以上もいるのである。そしてその大半が、空気を吸って糞を排泄し

て、炭酸ガスを排出しているだけだ。だから一人当たりのCO2の排出量は少ないのだ。それ

に、一人当たりのCO2排出量が先に来るデータではないのだ。CO2の排出の結果に出てくる

データなのだ。CO2の総排出量 /総人口=一人当たりの排出量 となるのだ。中国は核を背

景に世界をごまかしてはいけない。総排出量が最大だが一人当たりのCO2の排出量が低い

のは、中国共産党政府が選択した道だから仕方が無い。中国共産党は自国にいる人間を人

民と呼び、半ば、政府の所有物と看做している。だから人民の都合なんぞ(福祉)は考慮され

ずに、核兵器と弾道兵器の開発を優先したのだ。そのためCO2の総排出量は世界最大で、

一人当たりの排出量は最低なのだ。(世界最大の軍需国家で核大国なのに、人民の所得は

僅かなのだ。)

(続く)