ただこれは氷が溶けても海水面は上がらない、と言うことの証明にしか過ぎない。
北極の氷が溶けても良いと言うことではない。武田先生は「地球温暖化騒ぎの元
となったものは、1984年元旦の朝日新聞の仮想記事だった」と言う。ここでも朝
日新聞の偏向振りが示されているが、その内容は「世界の平均気温が50年後
には、15℃から18℃に上がりその結果極地の氷が加速度的に溶けて、海岸都
市が水没する」という仮想記事だと言う。ここでは50年に3℃も上昇するとしてい
た。しかし1984年までの過去の50年間では、地球の気温は僅か0.2℃だった。
1984年から50年後の2034年には、地球の気温が今までの平均の15倍
(0.2×15=3℃)もの気温上昇しないとは言えないが、一般的に過去の実績から
一足飛びに15倍もの気温上昇は有り得ないと思われる。
武田先生は、1880年頃から1990年頃までの気温上昇のグラフを表示している
が、それによると平均気温は、14.6℃から15.2℃程度に上昇しているが、1880
年から1940年まではCO2はほとんど増えていなかったにも拘わらず気温はかな
り上昇している。そして1940年以降はCO2が増えているにも拘わらず、平均気
温は上下を繰り返して横ばいを続けて1980からまた平均気温は上昇している。
そしてその平均気温の傾向は太陽風の強さと相関している。だからCO2だけが
地球温暖化の原因ではないのであろう。
このようにマスコミが大々的に報道すると、それが事実とは異なっていても真実
だと思われてしまうと言う恐ろしさがある、と先生は警告している。特にそれが
環境問題だと、そのような「故意の誤報」が存在すると言う。
たとえば「ダイオキシン」は猛毒ではないにも拘わらず、猛毒と報道されてしまっ
たために大問題となり、無用な対策費が消費されてしまったと言う。
しかしCO2が増え続けても良い、と言うものではない。
現在我々は石油や石炭を燃やしてエネルギーを得ているが、そのために大量
のCO2が排出されている。この石油や石炭はもともと大昔の動物や植物の遺骸
であるが、それらを空気中で燃やすと言う事は、その動物や植物が長い間かけ
て体内に取り組んできた炭素や水素を燃やすと言う事で、CO2と水が生まれるこ
とになる。取り込んだものを外に出す、と言うことで「生物がいなかった昔の状態
に戻す」と言う事になるのだが、しかし何が問題かというと、武田先生は、その
状態があまりにも早すぎることだと言っている。
石油や石炭は何億年という長い時間をかけて作られてきた。それを今の人類
は200年で使い尽くすと言われている。地球の空気の中にある二酸化炭素を2
億年かけて植物の体に移し、それを200年で戻そうとしているのである。やって
いること自体は問題がないが、そのスピードがあまりにも巨大すぎると言うのが
地球温暖化問題の本質である。・・・と先生は言っている。
http://www.jccca.org/content/view/1043/784/
先に紹介した上記のJCCCAのホームページには、温暖化原因の物質が6種類
掲げられているが、それらをCO2に換算して、代表値としてCO2を削減してゆこ
う、としているものだが、それはどうしたら可能なのであろうか。
それはCO2を発生させる石油や石炭を使わない事である。これはあまりにも自
明の理なのであるが、現在の文明社会では、石油を抜きにしては成り立たなく
なっている。そのため限りある資源の石油を節約して使おう、としている。だか
ら、エアコンを止める、電気をこまめに消す、車に乗らないなどの節約術が叫ば
れている。現在は、燃費の良いハイブリッド自動車などが売れに売れている。
しかしこの節約術では石油の消費は減るどころか、反対には増えてしまうのであ
ると、先生は主張している。面白いので次にこのことを紹介しよう。
(続く)