小沢資金問題(16)

56.小沢幹事長続投へ 4億円不記載、4日不起訴処分
2010年2月4日3時11分

 小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体陸山会」の土地取引事件で、東京

地検特捜部は、不起訴処分(嫌疑不十分)にする方向で検討していた小沢氏に

ついて、正式に不起訴とする方針を固めた。4日に上級庁の最終決裁を仰ぐ。

小沢氏は、政治資金規正法違反(虚偽記載)容疑で刑事告発されていた。

一方、鳩山由紀夫首相は3日、小沢氏が不起訴になった場合の対応について

「幹事長として仕事をやってもらいたい」と述べ、幹事長を続投させる考えを表明

した。首相官邸で記者団の質問に答えた。


 首相は記者団に「小沢幹事長を続投させるのか」と問われ、「今、人事を考え

ていない」と語り、幹事長を代えない考えを明言。「小沢幹事長参院選を任せ

るのか」との質問には「至極当然だ」と強調した。小沢氏は1日の記者会見で

「私自身が刑事責任を問われるようなことになれば、非常に責任は重い」と述べ

ていたが、刑事責任が問われない見通しとなったことで、首相も幹事長続投の

判断を固めたと見られる。


 また、首相は、陸山会の元事務担当者で衆院議員石川知裕(ともひろ)容疑

者(36)の起訴後に衆院に提出される議員辞職勧告決議案について「(政治家

の出処進退は)基本的にはご自身で考えるべきことだと思う」と述べ、採決には

慎重な姿勢を示した。


 特捜部は、石川議員と、元会計責任者の公設第1秘書・大久保隆規(たかの

り)容疑者(48)を勾留(こうりゅう)期限となる4日に起訴する方針。石川議員の

後任の事務担当者で元秘書の池田光智容疑者(32)については、関与の度合

いを慎重に検討する。


 処分の発表は同日午後の予定で、石川議員の弁護人はただちに東京地裁

保釈を請求する方針だ。


 石川議員と池田元秘書は容疑を認め、大久保秘書も両者から虚偽記載の報

告を受けて了承したことを認めている。一方で、3人とも虚偽記載への小沢氏の

関与は否定。特捜部は土地代金の4億円にゼネコン側の裏金が含まれる疑い

があるとみて追及したが、石川議員らはこれも否定した。

 特捜部は、こうした供述や証拠を検討した結果、虚偽記載に小沢氏が加担し

たことを示す十分な証拠は認められないと判断したとみられる。不起訴の方針は

3日に法務省にも報告された模様だ。


 小沢氏の不起訴処分については、告発人の市民団体が検察審査会に不服を

申し立てる可能性があり、今後の動向が注目される。

http://www.asahi.com/special/ozawa_sikin/TKY201002030467.html

     
57.石川議員ら3人起訴、小沢氏は不起訴に 東京地検
2010年2月5日3時45分

(Photo)自宅を出る民主党小沢一郎幹事長=4日午前、東京都世田谷区、林敏行撮影
(Photo)民主党本部で会見する小沢一郎幹事長=4日午後7時51分、東京・永田町、杉本康弘撮影

 小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体陸山会」の土地取引事件で、東京

地検特捜部は4日、小沢氏の元秘書で事務担当者だった衆院議員石川知裕

(ともひろ)容疑者(36)ら3人を政治資金規正法違反(虚偽記載)罪で起訴。小

沢氏については加担の証拠が十分でないとして、不起訴(嫌疑不十分)とし

た。小沢氏は同日夜、幹事長続投の意向を表明したが、石川議員らの起訴につ

いては「責任を感じている」と述べた。


 ほかに起訴されたのは、公設第1秘書で元会計責任者の大久保隆規(たかの

り)(48)、元秘書の池田光智(32)の両容疑者。


 昨年3月の西松建設事件以降、約1年間続いた陸山会をめぐる捜査は、一応

の区切りとなる。一方、小沢氏を刑事告発した市民団体は同日、近く検察審査

会に不服を申し立てる
方針を朝日新聞の取材に明らかにした。審査会で2度、

「起訴相当」の議決が出れば強制的に起訴される。


 起訴状によると、石川議員らは2004年10月29日に小沢氏からの借入金4

億円で東京都世田谷区の宅地を約3億5千万円で買い、07年に小沢氏に4億

円を返済するなどした収支を政治資金収支報告書に記載しなかったとされる。


 特捜部は4億円にゼネコン側からの裏金が含まれるとみて捜査したが、小沢

氏は個人資産と説明。特捜部は処分の発表会見で「小沢議員の説明をそのま

ま認定したわけではなく、資金の趣旨は公判で明らかにする」と述べた。


 一方、石川議員らからは虚偽記載について小沢氏の具体的な指示や関与が

あったとする供述は得られず、特捜部は小沢氏と共謀したとは認定できないと

判断した。


 土地購入原資4億円を記載しなかったことで、五つの小沢氏関連団体の収支

が崩れ、事件全体での虚偽・不記載額は計18億1700万円にのぼることも

明らかになった。


 石川議員は起訴を受けて「収支報告書に不適切な記載をしたことは間違いな

く深く反省しておりますが、一部に報道されているような不正な資金を受け取った

ことは断じてないことをお誓い申し上げます」との談話を弁護人を通じて出した。

http://www.asahi.com/special/ozawa_sikin/TKY201002040326.html

    

以下は、「週刊文春2月18日号」の「小沢一郎の『高笑い』特捜部は何をし

ているのか
」などを要約して、記載している。


その会議は2月2日に開かれた。検察首脳会議。出席者は、先に述べた樋渡検

事総長に伊藤次長検事東京地検の岩村修二検事正(地検の場合のトップは

検事正という。)と谷川恒太次席検事、それと特捜部の佐久間部長、吉田副部

長ら。それにオブザーバーとして最高検察庁刑事部の大鶴基成検事。


伊藤鉄男次長検事--「供述に具体性が乏しい。これでは無理だろう。」

大鶴基成検事----「『小沢先生の了承を得た』と石川も認めています。

偽装融資の書類に、小沢直筆のサインもある。起訴できるじゃないですか。」

樋渡利秋検事総長--「不起訴でも仕方がないね。」

と、言ったがどうかは判らないが、結局小沢は不起訴となってしまった。
(続く)