それだからこそ、次のようにあわてて文書を公表してまでして、自身の関与を否
定しまくったのである。このあわて振りは何を意味するのものか。
44.「裏金もらっていない」小沢氏が公表した説明文書要旨
2010年1月23日22時31分
小沢一郎・民主党幹事長が公表した文書「陸山会への貸付等に関する経緯の
説明」の要旨は次の通り。
◇
■陸山会に4億円を貸し付けた経緯
秘書の数も増え、妻帯者も増えたので、事務所兼用の住居を提供したいと思っ
ていたところ、秘書が本件土地を見つけてきて、これはいいのではないかという
ことになった。秘書に不動産業者にあたらせたところ、土地売買代金の額が金3
億4千万円余りと決まった。
そこで、この土地を購入することになったが、当時陸山会の経理を担当してい
た秘書から各政治団体の資金をかき集めればなんとかなるが、そうすると各政
治団体の活動費がほとんどなくなってしまうので、私に何とか資金調達できない
かと言ってきた。
そこで私は自分個人の資産の4億円を一時的に陸山会に貸し付けることにした。
(1)1985年に湯島の自宅を売却して、深沢の自宅の土地を購入し建物を建
てた際、税引き後残った約2億円を積み立てておいた銀行口座から89年11月
に引き出した資金2億円、(2)97年12月に銀行の私の家族名義の口座から引
き出した資金3億円、(3)2002年4月に銀行の私の家族名義の口座から引き
出した資金6千万円――を東京都港区元赤坂の事務所の金庫に保管していた。
04年10月には、同金庫に4億数千万円残っており、うち4億円を陸山会に貸し
付けた。
4億円の一部は建設会社からの裏献金であるやの報道がなされているが、事
実無根だ。私は不正な裏金など一切もらっていないし、私の事務所の者ももらっ
ていないと確信している。
■4億円の銀行口座への入金や売買代金支払いへの関与
すべて担当秘書が行っており、私は、全く関与していないので、具体的な処理
については分からない。
■所有権移転日を05年にした理由
そのことについては何の相談も受けていない。
購入資金は自分で出しており隠し立てする必要はないし、また所有権移転日
を翌年にすることに政治的にも何のメリットもないので、なぜ翌年にしたのか私
には分からない。
■売買代金支払い後に定期預金を組んで預金を担保に借り入れをした理由
具体的な事務処理については、私は関与していないので分からない。
■銀行から融資を受ける際に個人が借り入れ、陸山会に貸し付けた理由
これについても私は関与していないので分からない。
ただし、以前に陸山会が不動産を購入した際にも金融機関から個人での借り
入れを要請されたこともあったので、担当秘書から銀行の書類に署名するよ
うに頼まれ、そういう理由からと思って署名したことはある。
■収支報告書の記載
私は、本件不動産に関する収支報告書の記載については全く把握してい
なかった。また、収支報告書の記載内容について、相談されたり、報告を受
けたりしたこともない。
■収支報告書の内容の確認
常々、担当秘書には、政治団体の収支についてはきちんと管理し、報告するよ
うに言っていたが、実際に私自身が帳簿や収支報告書を見たことはない。担当
秘書を信頼し、実務については一切任せていた。
担当秘書から、各政治団体ごとの収入支出と残高などの概要について報告を
受けることはあったが、収支報告書の内容を一つ一つ確認したことはない。
http://www.asahi.com/special/ozawa_sikin/TKY201001230334.html
何れも「秘書にまかせっきりで、知らぬ存ぜぬ」だ。それにしても石川は、オチか
けていた。しかし読売新聞の1月20日の夕刊に「小沢氏、4億円の不記載了
承」との記事が出ると、持ち直したと言う。それには小沢サイドから石川に、強烈
な叱咤激励が走ったためであろう。石川がオチると、小沢はもう浮かばれない。
小沢や鳩山も必死だ。そのため検察上層部は「起訴」のハードルを挙げざるをな
くなった。それには、水谷建設からの5千万円が土地代金にあてられた、と言うこ
とを裏付ける供述を条件としたのである。
水谷建設の水谷功元会長が、その旨証言している。密会場所の都内のホテル
名が記された石川の手帳も押収されている。しかし石川被告たちは、「絶対に
貰っていない」と否認している。
(続く)