小沢資金問題(19)

それに、小沢側からの検察への圧力も相当のものだったらしい。検事総長OB

などを担ぎ出し、直系の部下だった樋渡検事総長にも圧力を掛けさせた。それ

に東京高検の大林検事長は検事総長の後釜を狙っている。そのため官邸から

の圧力には、勢い小沢の起訴に消極的となる。検察人事へは、あの間抜けな

官房長官
からの圧力も相当なものがあったと言う。特捜部は十分に起訴でき

ると踏んでいたものが、上層部の腰砕けで「不起訴」となってしまった。


しかしまだ終わってはいない。今回の胆沢ダム問題では、鹿島、清水、大成、に

多分熊谷組の元受ゼネコン大手4社は、夫々1億円ほどの違法献金を小沢側

に提供している、と言われている。鹿島の下請けに入った水谷建設の1億円だ

けではないと言う事だ。その4倍の4億円が小沢の懐には入ったと思わざるを得

ない。検察には是非頑張って、この件を白日の下にさらけ出して欲しいものだ。


この検察の小沢不起訴を受けて、民主党小沢幹事長と距離を置く、いわゆる

民主党7奉行と言われる議員の方々も小沢批判のトーンを一気に下げてし

まった。


民主党7奉行とは、岡田克也前原誠司、仙石由人、野田佳彦枝野幸男

玄葉光一郎樽床伸二
の7人を指す。枝野が大臣に抜擢されたのも、一種の

小沢批判の口封じであろう。国民もその事はわかっている。まあ、民主党がこの

ように弱体で自浄能力に欠けて、小沢がまだのさばってくれているほうが、自民

党にとってはありがたい事ではあるが、しかし、小沢が幹事長を止めたくらいで

は国民は納得しないであろう。せめて鳩山と一緒に、議員を辞職してもらわない

と、納得はしない筈だ。何せ民主党には、国政を任せられるような能力や信頼

は、当の昔になくなっている。今の国民は誠にかわいそうだ。しかしそうは言って

も直ぐには政権は変えられない。今夏の参院選は、国民全員が良識に訴えて正

しい投票行動をする事ではないかな。まあ小沢の「盗人猛々しさ」に負けない事

だ。


それに、NO.57の記事によると20億円近い虚偽記載が見つかっている、と言

うではないか。やっぱり「深沢銀行」には、数十億円(多分40~50億円)の現金

が積まれていたのではないかな。これはすべで我々の税金からくすねられた物

である。

 
さて本題の「公務員法改正」の話と小沢不起訴がどのように関わっていたか、

の話に戻ろう。この話も「週刊文春2月25日号」の「鳩山官邸VS検察「10日

間の暗闘」をすっぱ抜く
」に載っている。


なぜ公務員法改正が問題かと言うと、この改正案には、「・・・省庁横断的な人事

を目指すが、独立性の高い検察庁警察庁、人事院会計検査院などは一

元管理の対象から除外する
。」となっている。


事務次官を局長に降格できる新たな人事制度をつくりたい」

1月29日午前の閣僚懇談会
の席上、鳩山由紀夫はいきなりそれを発表した。

それには、省庁の幹部人事を一元管理する「内閣人事局」の新設案までもが

含まれていた。


これがその記事の冒頭である。この時点では「小沢不起訴」に変わっていたた

めに、ここでは検察への言及はない。しかし当初は違っていた、検察を恫喝し

続けていたのである。


そして、[官邸サイドは29日までの10日間、小沢幹事長起訴を阻止すべく

水面下で検察と暗闘を繰り広げ、ひそかに「検察解体プラン」まで当局にちらつ

かせていたのだ。]と続いている。

これは、検察人事への介入などと言う穏やかなものではない。これも先の1月20

日の読売新聞の夕刊のスクープ記事が発端だ。先にも述べたが、この「小沢氏 

4億円不記載了承」報道で官邸や民主党は、蜂の巣をつついた様な大騒ぎと

なったと言う。そしてこれを阻止すべく官邸がひそかに動き出した。


それが公務員制度の改革で、検察も含む省庁の幹部人事を一元管理すると言

うものだったのである。検察庁の改革はかなりどぎついものであった。その内容

は次のようなものであった。
    

(1)検察トップを事務次官より格上の「大臣」とする。

(2)大臣ポストの新設に対応し、検察庁法務省から切り離して、「検察省」に昇格させる。

(3)「検察省」の大臣には民間人を起用するが、政治家も可とする。
    

と言うもので、検事総長を大臣ポストに格上げし、政治家に君臨させると言う事

は、検察の独立性を脅かす検察解体プラン以外の何物でもないものだったの

である。この草案を手に、あのぼんくらの平野官房長官の検察への恫喝が熾烈

を極めたと言う。さらに官邸は、あの手この手を使い検察を「小沢不起訴」に追

い込んでいった。「検察幹部の女性問題」なども調べ上げ、検察首脳を追い詰め

ていった。こんな激しい小沢・鳩山の対検察工作の末、検察側は白旗を揚げる

こととなったのである。その結果が、1月29日午前の閣僚懇談会での「事務次

官を局長に降格できる新たな人事制度をつくりたい」発言となったのである。検

察側の小沢不起訴の意向を汲み取り、これには検察庁などは含まないものとし

たのであった。その結果が2月4日の小沢不起訴の決定であり、次のニュース

となったのである。

(続く)