そして次には、小沢の説明の矛盾と謎をおさらいしてみよう。一寸古いが、次の
記事を参照願う。
g不可解な小沢氏の説明 矛盾と謎を追う
配信元:産経新聞 2010/01/21 00:43更新
自身の政治献金問題をめぐる小沢一郎氏の発言と実態(1-2)
(1)
(小沢氏の発言)
「私の事務所も、私どもも(政治資金収支報告書に)虚偽記載も何もしていないと
確信している」(平成21年11月の記者会見)
↓
(実態)
元秘書で資金管理団体「陸山会」の元会計事務担当の石川知裕容疑者が「わざ
と(4億円を)記載しなかった」と東京地検特捜部に供述
(2)
(小沢氏の発言)
「最も好きなのが西郷隆盛である。(中略)[子孫のために美田を残さず]との言
葉も味わい深い。私の亡父(佐重喜元建設相)も票田こそ残してくれたが、遺産
はなかった」(昭和58年1月の産経新聞インタビューで)
↓
(実態)
石川容疑者が「(土地購入の原資は)小沢先生が父親から相続し、信託銀行に
本人と妻名義で預けていたしさんをバブル崩壊後に自宅で保管していたもの」と
供述
(3)
(小沢氏の発言)
「私は陸山会所有の不動産に何の権利も持っていない事を書面で確認している」
(平成19年2月の記者会見)
↓
(実態)
東京高裁が20年6月、「(不動産は)陸山会のものであると断定することはでき
ない」とし、事実上、小沢氏の個人資産である可能性を否定しない判決(後に確
定)を下し、小沢氏の主張を退ける
自身の政治献金問題をめぐる小沢一郎氏の発言と実態(2-2)
(1)
(小沢氏の発言)
「政治資金に関しては僕には持論がある。「個人献金はいいが企業献金はダメ
だ」という意見があるが、全く逆だと思う。個人献金のほうが政治化との密着度
は深まるはずだ」(16年9月の夕刊コラム)
↓
(実態)
21年3月に西松建設の違法献金事件で自身の公設第一秘書、久保隆規被告
が逮捕されると、企業献金全廃の主張に転じる
(2)
(小沢氏の発言)
「政治資金規正法違反者に対する罰則を強化し、政治腐敗防止制度を確立すべ
きである。具体的には、違反者を公民権停止処分にし、違反の言い逃れを封じ
るために連座制も強化する」(5年5月発行の自著『日本改造計画』)
↓
(実態)
「このような形式的なミスについては、殆どのケースで報告の修正、訂正で許さ
れてきた。にもかかわらず、今回の場合は、なぜか逮捕、強制捜査という経過を
たどった。納得できない」(今年1月16日の民主党大会あいさつ)
民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体「陸山会」が保有する不動産は10
数件、計約10億円に上るが、小沢氏のこれまでの説明は不可解そのものだ。
記者会見では「違法なことはしていない」の決まり文句を連発し、強気な態度で
追及を煙に巻いてきたが、いつまでもそれが通用するだろうか。「遺産」「秘書寮」
「単純ミス」の3つのキーワードをもとに、矛盾と謎を追った。(阿比留瑠比)
関連記事 うちわで“師をあおぐ”秘書たち http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/346881/
「不動産は小沢先生の趣味だ」
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/344555/
■遺産の有無
小沢氏の元秘書で衆院議員の石川知裕容疑者らが東京地検特捜部に逮捕さ
れたきっかけは、小沢氏の私邸にほど近い東京都世田谷区の3億4千万円の
土地購入問題だった。
調べに対し、石川容疑者はこの土地購入の原資を「小沢氏の父親からの相続
財産」と供述し、小沢氏は16日の民主党大会で「積み立ててきた個人資産」と
説明した。
ゼネコンからの裏献金ではないと印象づけたいのだろうが、小沢氏は自民党
総務局長当時の昭和58年1月、産経新聞のインタビューでこう語っていた。
「私の亡父(佐重喜元建設相)も票田こそ残してくれたが、遺産はなかった」
鳩山由紀夫首相は長年にわたり、実母から年1億8千万円の「子ども手当」をも
らいながら「全く承知していなかった」と語った。小沢氏も同様に億単位のカネで
すら「遺産のうちに入らない」という感覚の持ち主なのか。
■必要ない秘書寮
「秘書に宿舎(寮)を提供してやろうと買った」
小沢氏は問題の土地の購入理由をこう説明してきた。また、国民の税金であ
る政党助成金を含む政治資金の使途に関し、「(事務所の)賃貸はよくて購入は
よくないという論理は分からない」とも述べている。
とはいえ、総務省に届け出のある現職国会議員の資金管理団体のうち、土地
を保有するのは陸山会だけ。小沢氏と同期(衆院当選14回)で40年余の国会
議員歴を持つ民主党の渡部恒三元衆院副議長も10日のテレビ番組で「政治家
が、政治資金で土地を買ったという話は生まれて初めて聞く」と明言した。
そもそも秘書寮が本当に必要だったのか。
「そんなもの必要なはずはない。陸山会の収支報告書には載っていないが、小
沢邸から歩いていけるところに前から秘書が住んでいる複数の一軒家がある」
元秘書の一人がこう語る通り、小沢邸から徒歩3~4分の場所には、小沢夫人
名義で秘書らが住む複数の戸建て住宅がある。優に10人以上は住めるスペー
スはすでに確保されていた。
小沢氏を自民党旧田中派時代から知るベテラン秘書は「故人を含めて小沢氏
の秘書はたくさん知っているが、みんなひどい待遇だった。大金をかけて自分名
義の土地を買い、寮を建てるぐらいならば給料を上げてやればよいのに」と憤る。
■単純ミス?
陸山会の政治資金収支報告書は、石川容疑者が土地購入資金として「平成1
6年10月上旬に小沢氏から受け取った」と供述した4億円の記載がなかった。
これについて、小沢氏は「単純なミスのような話」「計算上のミス」と主張し、「一
点のやましいところもない」と強調するが、言葉通りには受け取り難い。陸山会
の収支報告書では他にも奇妙な部分が指摘されてきたからだ。
例えば、秘書寮の所在地については産経新聞が指摘するまで「深沢6丁目」と
記載していたが、実際は「深沢8丁目」。他にも港区に3320万円で購入した土
地・建物に関して「港区青山」という存在しない地名を記していた。
その一方で陸山会は、保有している複数の土地・建物に関し、「居住する秘書
のセキュリティーなどのため」として不動産地番の号数を省いて記載する周到さ
を見せている。
少なくとも、小沢氏が繰り返し自賛してきた「政治資金の透明性」は陸山会にそ
ぐわない。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/348411/
(続く)