番外編・プリウス急加速問題(29)

そして鳩山政権である。アメリカの希望する牛肉の日本への輸出に対しては、

何かとイチャモンをつけて、より厳しい制限を課するなどということをやんわりとと

ることである。そしてアメリカが日本へ輸出したいと思っているその他のものへ

も、もっともっと安全を条件に制限を広げることである。何せ安全が第一なのだ

から。これはよく中国がとる政策手段である。


アメリカもいい加減日本とは付き合ってはいけないと思い出しているのではない

かと、日本政府も考えていかないといけない。だから日本政府も本当の日本の

自主独立を念頭において政治をつかさどってゆかないと、ひどい目にあうことに

なろう。まず最初に手を打つことは「非核三原則」の撤廃であろう。非核三原則

は、「核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず」と言う三つの原則で、1967年12

月11日の衆議院予算委員会において「小笠原諸島」の米国から日本への返還

の決定に際して、佐藤栄作総理大臣が示したものである。「持ち込ませず」を撤

廃して2原則化することから始めればよい。


しかし日本の鳩山も全くあてにならないときている。抑止力の「よ」の字も知らな

かったなどと言う無責任な返事を平気でしている。だからトヨタの足を引っ張って

ばかりいる。トヨタも、誠に間の悪い時に社長交代があったものである。


今永田町でこんなジョークがはやっているのをご存知だろうか。面白いから次に

記載しておく。


≪日本には謎の鳥がいる。正体は分からない。

  中国から見れば「カモ」に見える。米国から見れば「チキン」に見える。欧州か

ら見れば「アホウドリ」に見える。日本の有権者には「サギ」だと思われている。

オザワから見れば「オウム」のような存在。でも鳥自身は「ハト」だと言い張って

いる。

  私はあの鳥は「ガン」だと思う。≫
と言うもの。もうひとつ。


≪(前略)「カッコウ」だけは一人前につけようとするが「おフクロウ」さんに、

「タカ」っているらしい。      それでいて、約束したら「ウソ」に見え、身体検査

をしたら「カラス」のように真っ黒、疑惑には口を「ツグミ」、釈明会見では「キュウ

カンチョウ」になるが、頭の中は「シジュウカラ」、実際は単なる鵜飼の「ウ」。

「キジ」にもなる「トキ」の人だか、私にはあの鳥は日本の「ガン」だと思う。≫


と言ったものだが、これはWiLLの6月号の「鳩山首相に告ぐ。あんたはビョーキ

だ。」と言う堤堯(つつみぎょう)氏と久保紘之(くぼこうし)氏の蒟蒻問答第49回

に出ている一文だ。言いえて妙である。しかし小生にとっては鳩山は「痴呆」鳥だ

と思っているし、日本の親「ガン」は小沢一郎で、民主党そのものは日本の

子「ガン」だと見ている。そして国民が「アホウドリ」なのである。だから始末が

悪い。今夏の参院選が見ものである。


さてトヨタのリコール問題は他人事ではない。大げさに言わなくても、トヨタどころ

か日本の一大事である。日本の経済が成長するかどうかは、この一事にかかっ

ている。豊田章男社長の責任は重大である。

     

   
今週のキーワード 真壁昭夫
【第115回】 2010年3月2日  真壁昭夫 [信州大学教授]
p12.7トヨタのリコール騒動は他人事にあらず!クルマより重要な創業家社長の“品質”
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 トヨタ自動車リコール騒動が燃え盛っている。米国議会の公聴会の場で、ト

ヨタの豊田章男社長が厳しく糾弾され、新聞・雑誌などのメディアも激しい批判

を浴びせている。


「今年秋の中間選挙を意識した米国の政治家に囲まれた公聴会で、格好のア

ピールの標的にされてしまった」という、トヨタに同情的な声が上がる一方、「い

かんせん対応が遅く、しかも拙かった」との見方も多い。


 そうした批判のなか、昨年からのリコール騒ぎの最中でも、一向に表面に出て

こなかった豊田章男社長
に対する批判の声は小さくない。


 もともと、自動車業界のリコールはそれほど異例なことではない。以前にも、部

品の一部で発覚した不都合などによって、大規模なリコール騒ぎが起きたことは

あった。それでも、ここまで問題が発展したことはなかった。今回に限って、何故

ここまでの大騒動になっているのか


リコール問題への対応の拙さが
選挙を控えた米国議員の餌食に


 今回、これほどまでに問題が大きくなった要因は2つある。

 1つは、米国のGMやクライスラーが破綻する一方、トヨタ事業規模が急速

に拡大しているため、米国民の顰蹙を買い易い状況にあったことだ。それは、

中間選挙を控えた政治家諸氏には、絶好のアピールの場となった。


 もう1つはトヨタ自身の対応の拙さだ。同社の車について、部品などの不都

合で事故が発生しているという報道は、実はかなり前からされていた。


 ところが、当初トヨタはそれに正面から取り組む姿勢を示さなかった。特に昨年

の後半以降、米国での批判が高まってからも、最高責任者である豊田章男

は、この問題に対して先頭に立って対処することはなかった。そうした態度が、

米国の世論を燃え上がらせ、問題をここまで大きくしてしまったと言えるだろう。

2
創業家出身者に求心力の回復を期待
絵に描いたような「エリート社長」


 渦中の豊田章男社長とは、どんな人物なのか? 章男社長は1956年トヨタ

の創業家一族である豊田章一郎氏の長男として生まれた。高校時代の米国留

学から戻り、国内の大学を卒業した後、再び米国に渡ってMBA(経営学修士

を取得した。


 一時、米国の投資銀行に勤めた後、1984年トヨタに入社した。父である章

一郎氏の方針で、章男氏は入社当初から特別扱いはされなかったという。主

に生産管理部門や国内の営業畑を歩み、その後、米国におけるGMとの合弁

事業となる「NUMMI」の副社長を務めた。


 2000年に44歳の若さで取締役に就任し、アジア地区の事業担当、世界戦略

プロジェクトなどの統括を担当した。そして09年1月、不況に喘ぐトヨタの求心力

を高める切り札として、社長の地位に上り詰めた。


 こうした経歴だけを見ると、まさに絵に描いたような“エリート経営者”と言える

だろう。


 だが、その“エリート経営者”については、「プライドが高すぎる」「現場の苦しさ

が本当の意味でわからないのでは」などと、かなり厳しい見方をするメディアも

少なくない。


 本人の実像はともかく、これだけサラブレットとしての条件がそろっていると、多

くの人々がそうした批判に違和感を持たないだろう。


 ただし、1つだけ確かなことがある。それは今年1月末、新型プリウスのリコー

ル問題が持ち上がるなか、章男社長がリコールの対応を佐々木真一副社長に

任せ、ダボス会議世界経済フォーラム年次総会)への出席を優先したことだ。


 その背景には、周囲のアドバイスがあったのかもしれない。しかし、最終的な

優先順位を決めるのは社長自身のはずだ。このとき、「ボタンをかけ違えてし

まった」という見方ができる。この点については、わが国を代表する企業の経営

者として、厳しく糾弾されても仕方がないだろう。

(続く)