年央雑感(24)

これも忘れてもらっては困る。H22年度の国家予算92兆円のうち44兆円以上

国債なのである。これは民主党ばら撒き政策の結果、国家予算の約半分

近くの48%が国債などで賄(まかな)われる事になったのである。この割合は、

民主党政権になって急増しているのである。次にH19年度からの国家予算の

総額とそのうちの国債費等の数字を示す。

        予算総額   内国債費等  その割合%
H19年度  82.9兆円   25.4兆円   30.6%  (自民党政権
H20年度  83.1      25.3      30.4   (自民党政権
H21年度  88.5      33.3      37.6   (自民党政権
H22年度  92.3     44.3      48.0  (民主党政権


当時の自民党政権国債の発行額を33兆円以内に収めるべく努力したので

ある。当時のニュースには、よくこの33兆円なる数字が現れたものであるが、

民主党政権になってからは、傍(はた)からそんな嗜(たしな)みは無い。税収

が縮小する状況からは、到底考えられない放漫な財政となったのである。この

民主党の無定見なばら撒きの結果自民党政権が折からのリーマンショック

らの経済の低迷の中、苦心に苦心を重ねた緊縮財政を放漫財政へと道を誤ら

せてしまったのである。その結果がこの体たらくなのである。これは単年度で済

む話ではない。継続するのである。これは我々の子や孫の代に影響する。

まあ、国民も馬鹿ではないから、もうこれ以上は騙されないぞと、参院選では鉄

槌を民主党に与えたのである。

   

21.8行政改革’10参院選 無駄なくす道筋明確に
'10/7/5 (中国新聞The Chugoku Shinbun ONLINE)

 増税論議ばかり取り上げられるが、無駄の削減は忘れていないか。そう思う

有権者は多かろう。

 菅直人首相は就任以来、消費税の話となれば熱弁を振るうものの、行政改革

については前ほど力が入っていない印象も受ける。


 先月公表した財政運営戦略でも将来にわたる財源不足を強調し、具体的な歳

出削減策は示していない。財務省など官僚のシナリオのように見える。「増税

りき」との批判にどう応えるのか。


 「税金の無駄遣いをなくす」というのが民主党の基本政策だ。参院選のマニフェ

ストでも第一に掲げる。昨夏の衆院選と違うのは、節約によって9兆1千億円

財源をひねり出す、という数値目標が消えたことだ。


 民主政権が財源確保の切り札としていたのが行政刷新会議事業仕分け

ある。独立行政法人公益法人など官僚の天下り先に多額の税金をつぎ込む

構図をあぶり出した。だが本年度予算に反映できたのは7千億円足らず。削減

効果は期待通りとはいかなかった。


 「予算を組み替え、無駄を省けば財源はいくらでもある」という
主張は

すっかり影を潜めた
。当初の思惑が外れたのなら、それなりの説明が必要だ。

そのうえでどう仕切り直しをするのか。
歳出削減の新たな道筋をはっきり示す

べき
である。


 今や自民党公明党なども、官僚の既得権益にメスを入れよと主張している。

問われるのは実行力だろう。


 事業仕分けのガラス張りの議論は国民の喝采(かっさい)を浴びたが、事業

一部だけ取り出すやり方には限界がある。すべてに網を掛けられるよう態勢を

どう強化するか。国会も、本来のチェック機能を取り戻すべきだ。


 無駄の温床とされる総額176兆円の特別会計は手つかずだ。政府は10月

に仕分けをするというが、行政改革の本丸だけに官僚の抵抗も予想される。ど

の会計からどれほど財源を生み出せるか、きちんと目標を立てる必要がある。


 公務員制度の抜本的な改革も急がれる。政府は国家公務員人件費の2割削

減を約束している。ところが第一歩となるはずの法改正は前首相の退陣で廃案

になった。支持母体の連合に遠慮せず強い姿勢をどこまで貫けるだろうか。


 与野党こぞって掲げる天下り根絶も道半ばだ。菅政権になってから、国家公務

員が出向する形で独立行政法人などの役員に就く「抜け道」を認めた。官僚の

側に配慮して手を緩めた感もある。


 民主政権の姿勢は生ぬるいとして、自民やみんなの党は地方公務員も含め

た削減を打ち出す。単なる数合わせなら、本来必要な仕事に影響してくる恐れも

ある。公務員がなすべき職務の全体像まで踏み込んだ議論が欠かせない。


 国民の負担増を議論する前に、国会も身を削る覚悟が要る。多くの党が打

ち出す衆参の定数削減に踏み出すのか、議員歳費や政党助成金を見直すの

か。改革の本気度が試されている

http://www.chugoku-np.co.jp/Syasetu/Sh201007050069.html

      

その最大の被害者のひとつは、日本の科学技術なのである。2010.6.25の当

ブログNO.3でも言及しておいたが、あの「はやぶさ」の予算は麻生政権で17

億円
を付けていたものを、あの蓮舫のおかげでたったの3千万円に削られてし

まったのだ。


しかし自民党政権時代に蒔いた種は、順調に育っていた。金星探査機「あか

つき」
が5月に打ち上げられている。この「あかつき」は世界初の金星気象衛星

となり、金星を回る軌道を周回して金星の大気などを2年間観測するという。そし

てこの「あかつき」を打ち上げたH-ⅡAロケットには、「イカロス」と言う「宇宙

ヨット
」なる小型の衛星も相乗りしている。これは宇宙ヨットの実証機で、14m

四方の膜
を広げてそれに太陽光を受けて推進することを実証するための世界

初の衛星なのだ。

(続く)