ドーハの歓喜(23)

しかしFIFAとしても、いくら裁定を求められたとしても「プレイヤー・ファースト

の精神で望まざるを得ず、二重契約であるからFIFA規則に違反しているので

1日だけで契約は無効との裁定は出せまい。結局は仮にでも選手登録を認める

ことになろう。結局2月17日に認める裁定を出している。

  

岡崎、ドイツで出場可能=シュツットガルト移籍問題で-FIFA裁定

 Jリーグ1部の清水からドイツ1部リーグのシュツットガルトに移籍した日本代表

FW岡崎慎司(24)について、国際サッカー連盟(FIFA)が17日、ドイツ協会へ

の選手登録を暫定的に認める裁定を下し、岡崎の試合出場が可能になった。

日本サッカー協会にFIFAから連絡が入った。 

 今回の移籍をめぐっては、清水がシュツットガルトと岡崎の契約はFIFAの規

則に違反していると主張。このため、海外移籍に必要な国際移籍証明書

日本協会から発行されず、岡崎は当初デビュー戦とみられた12日のニュルン

ベルク戦でベンチに入れなかった。

 清水は契約期間中の1月31日にシュツットガルトとの契約が開始され、二重

契約になることや事前通告がなかったことに抗議。今後は両クラブ間で、契約

問題の解決策を探る
ことになる。

 シュツットガルトは17日、リスボンで欧州リーグのベンフィカ戦に臨み、岡崎も

チームに同行している。(2011/02/17-22:40)

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201102/2011021701046

     
但しFIFAがVfBStuttgart への暫定登録を認める裁定を出したからと言って、

規則違反を免罪されたと言うことにはならない。規則違反になってる可能性が高

い(と言うよりもなっている)から、やむを得ず暫定としたものである。したがって

FIFA規則違反の申し立ては、妥当なものと看做されたのではないか。今後は両

クラブ間での話し合いとなるものと思われる。FIFA規則の内容は知らないが、話

し合いの中心は移籍金の額になるのであろうか。


FIFA規則違反の内容は、次のエスパルスの補足説明に記載されているので、

それを載せる。なお原文には、表題を除いて文字修飾はついていない。ブログ

の筆者が付けたものである。但しエスパルスニュースリリースの表題は赤色

であった。また、2/14には2/13のニュースリリースの英文版も発表している。

           

ニュースリリース
m岡崎慎司選手のシュツットガルト移籍に関する経緯について(補足説明  2011年2月16日

岡崎慎司選手のシュツットガルト移籍に関する経緯について」(2011年2月13

日リリース)について、下記の通り補足説明をさせていただきます。

 
シュツットガルトからの事前通知(FIFA規則第18-3)について

 FIFA規則第18-3項第1文及び第2文には、下記の定めが設けられています。

「選手と契約を締結しようとするクラブは、当該選手と交渉を開始するに先立

ち、当該選手の現在所属しているクラブに対し、書面による通知をせねばならな

い(第1文)。選手は現在のクラブとの契約が終了するか、6ヶ月以内に終了する

場合に限り、他のクラブと契約する自由が認められる(第2文)。」


 本規則の文言上明らかなとおり、獲得を希望するクラブから所属クラブへの、

交渉を開始する旨の書面通知の義務は、契約の残存期間が6ヶ月以内であって

も適用されます(第1文)。このようなクラブからクラブへの書面による通知がある

ことを前提にして、選手の契約期間終了後の契約機会保証のため、所属クラブ

との契約期間が6ヶ月以内であれば、契約期間満了後について別のクラブと契

約締結をする自由が選手に与えられています(第2文)。


 従いまして、エスパルス岡崎慎司選手の契約が終了する2011年1月31日ま

で6ヶ月以内であっても、他のクラブが、エスパルスに対する事前の書面による

通知を行わずに岡崎慎司選手と交渉を持つことは同規則への違反となります。


 エスパルスは、各種報道等から、シュツットガルト岡崎慎司選手に興味を

持っていた可能性は認識している一方、シュツットガルトからは、岡崎慎司選手

との契約交渉を開始する旨の通知を受けておりません。

  
国際移籍証明書(ITC)の発行について

 岡崎慎司選手の国際移籍証明書(ITC)の発行は、(財)日本サッカー協

会(JFA
が行う手続きとなります。


 2011年2月1日、エスパルスJFAより、シュツットガルトドイツサッカー協会

を通じて行なった岡崎慎司選手のITC発行依頼がJFAに届いた旨の連絡を受け

ました。ITCの発行依頼には、「新しいクラブとの契約の開始日」が記載されて

います。シュツットガルトドイツサッカー協会を通じてJFAに通知したITC発行

依頼には、岡崎慎司選手とシュツットガルトとの契約開始日が「2011年1月31

」と記載されていました。エスパルスは、2011年1月31日はエスパルスと岡崎

慎司選手の契約期間中であることをJFAに説明し、JFAはこれを受けて、シュツッ

トガルトおよびドイツサッカー協会に対して、ITC発行依頼の記載内容が誤りで

はないかと照会し、岡崎慎司選手とシュツットガルトとの契約開始日を「2011年

2月1日」に訂正すべきと指摘しました。しかしながら、ドイツサッカー協会から

は、岡崎慎司選手とシュツットガルトとの契約開始日は「2011年1月31日」で間

違いない旨の回答がありました。


 このドイツサッカー協会からの回答を受け、シュツットガルトによる明らかな

FIFA規則の違反が確認されたため、エスパルスは本件についてシュツットガル

トに直接抗議を行なうとともに、二重契約状態を解消すべく、岡崎慎司選手の移

籍契約の締結をシュツットガルトに求めました。しかしながら、シュツットガルト

これを拒否したため、やむなくシュツットガルトFIFA規則違反についてFIFA

に提訴
し、その旨をJFAに報告しました。


 FIFA規則第2-6項は、ITC発行の依頼を受けた協会は、当該移籍に関して契

約上の問題が無いかどうかを確認し、仮に契約上の紛争が生じている場合は

ITCを発行しないことを定めていますが、ITCを発行するか否かはJFAFIFA

則に従って決定することであります。


 エスパルスとしては、エスパルス岡崎慎司選手との契約終了日について、事

実と異なる報告をJFAにすることはできなかったことと、シュツットガルトFIFA

規則違反が明確であったため、これについてFIFAに提訴せざるを得なかったこ

とをご理解ください。

http://www.s-pulse.co.jp/news/20110216-3105.html
(続く)