番外編・プリウス急加速問題(63)

さてトヨタやレクサスの電子制御プログラムにはなんの問題は無い、とレイ・ラフ

ード運輸長官は2011/2/8に発表している。もともと何ら問題は無い、とトヨタも口

すっぱく言っていたのであるから当然の帰結ではあるが、ここまで遅らせて発表

したと言うことは、トヨタ叩きに一定の効果があったと言うことを確認したかった

からであろう。

2010/10/7の当ブログNO.62では、2009年8月29日にカルフォルニア州サン

ディエゴで起きた、トヨタのレクサスブランドのES350が暴走して一家4人が死亡

した事件が、和解に至ったことを報告した。この事件の内容は2010.5.11の当ブ

ログNO.28を参照願いたいが、2010年9月17日にトヨタはその遺族側と和解

したが、その和解金の額は報じられていなかった。2010年12月にその額が、

公表された。遺族側もトヨタ側も金額を非公表にすることを望んだが、裁判所が

それを許さなかったようだ。和解金一千万ドル。1ドル85円とすると8.5億円と

なるが、これが高いというか安いと言うか、いずれにしてもトヨタは高い授業料を

払ったものだ。トヨタオバマを筆頭として官民上げての袋叩きにあった訳だか

ら、癪に障ることこの上ないことであろう。しかしそれを言ったらお終いになること

も十分承知しているから、じっと我慢することだろう。

  

q17米レクサス死亡事故、トヨタが和解金1千万ドル
2010年12月24日11時2分

 【ロサンゼルス=堀内隆】昨年8月に米カリフォルニア州トヨタ自動車のレク

サスが急加速し、乗っていた警察官ら4人が死亡した事故で、トヨタが1千万ド

ル(約8億3千万円)の和解金を支払うことで合意したことが分かった。米メディ

アが23日伝えた。

 和解成立は今年9月に公表されていたが、和解金額は公表されていなかっ

た。だが裁判所が、金額を非公表にすることを求める原告、被告双方の求めを

今月20日に退けたため、トヨタとともに被告になっていたトヨタ系販売店の代理

人弁護士が23日、金額を公表した。
http://www.asahi.com/international/update/1224/TKY201012240063.html

  

しかしトヨタ叩きの核心は、トヨタの心臓部の技術である電子制御スロットルシ

ステム
ETCS
に移っている。NHTSAは昨年の8月に中間報告('10/8/24,NO.

54ブログ)をして、「問題は見つかっていない」と言っていたが、到頭(とうとう)年

が変わった2011年2月8日に正式な最終報告を発表し、「電子制御系に欠陥

はなかった
」と結論付けたのである。オバマトヨタを完全に打ちのめすことが

出来なかったことで、さぞかし悔しかったことであろう。しかしオバマのNHTSAは

NASAを動員して28万行にも及ぶトヨタのETCSの全プログラム手に入

れた
ことになる。


しかも強力な電磁波をそのETCSにぶつけてみても、トヨタの車は暴走などはし

なかったのである。さすがのNHTSAも兜を脱いだわけであるが、負けたわけで

はない。究極の目的は果たしているのである。そのうちに国有化したGMやCrys

lerの車のハイブリッド車の性能が向上してくることであろう。秘密がわかってし

まえば
GMとしても「プリウス」何ぞは少しも怖くはなくなる。わかったからには、

こんなもんか」と言う気になったのであろう。GMの最高経営責任者CEOが

プリウス」を酷評しているのである。


その「酷評ニュース」は、2010/12/12で、米運輸省が「電子制御系に問題なし」と

発表したのが、2011/2/8である。だから、NHTSAからGMに、トヨタのETCSの

プログラムが渡ってしまったことがわかるのである。そうでもなければ、こんな時

にGMのCEOがこんなことを言う筈がない。

    

q1プリウス「オタクっぽい」…GMのCEO酷評

YOMIURI ONLINE     2010年12月12日(日)09:05
 【ニューヨーク=小谷野太郎】米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)のダニ

エル・アカーソン最高経営責任者(CEO)は10日、ワシントンでの講演で、トヨ

タ自動車のハイブリッド車(HV)「プリウス」を「オタクっぽい車だ」と酷評し、「私

は死んでもプリウスには乗りたくない」と切り捨てた。

 一方、自社のHV「シボレー・ボルト」については、「本当に格好良い」とアピール

した。

 AP通信が報じた。GMは今月から、ボルトを米国内で発売しており、環境対応

車で先行するトヨタへの対抗心と、自社製品への自信を示した格好だ。ただ、世

界的企業のトップ自らが、ライバルメーカーの商品をここまで批判するのは異例

だけに、波紋を呼びそうだ。

http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/business/20101211-567-OYT1T00345.html?fr=rk

    

きっとこのCEO(Chief executive officer 最高経営責任者)は、自社の「ボルト」

の仕組みと、今回手に入れた「プリウス」の制御の仕組みを見比べて、「ボルト」

の方が優れていると思ったから、こんなことが思わず口から出てしまったのであ

ろう。だから、プリウス」の28万行の電子制御プログラムは、そっくりそのま

GMの手に渡ってしまったと思ったほうがよいのであろう。

(続く)