番外編・プリウス急加速問題(65)

なんと言ってもオバマトヨタを叩いてGMに利益を上げさせ、立ち直ったところ

で株式再上場を果たし自身の名声も確保したかったに違いない。オバマは、そ

のころは選挙に負け続けていた。2010/1/19のマサツセッツ州の上院補選、

2009/11/4のバージニアニュージャージーでの知事選など、立て続けに負けて

いる('10/8/25,26,NO.55,56ブログ)。

だからGMの再生は至上命題だったのである。

GMの再上場は2010年11月18日に行われている。IPO(新規株式公開

InitialPublic Offering、株主を一定数以上増やし、株式の上場条件を満たす)の

機運を高めておけば、議会中間選挙(2010/11/2)でもオバマに有利に働く、と

踏んでいたものと思う。


だから、いくらトヨタの「電子制御スロットルシステムに欠陥がない」ことがわ

かっていても、それまではそれを公表させたくはなかった事であろう。事実、急加

速したとされる23台のトヨタ車を調査したNHTSAは、そのすべておいてブレー

キではなくアクセルが踏まれていたとの記録を2010年7月には確認していたが、

レイ・ラフッド運輸長官らの指示で公表を控えていたと言う実績がある。これは内

部告発で判った事であるが、2010年8月24日~25日のNO.54,55ブログを参照

願う。

  

再上場のGM株は堅調なデビュー、終値は3.6%高と伸び悩み終了
2010年 11月 19日 08:24 JST

 [ニューヨーク 18日 ロイター] 米政府による救済を受けて再上場を果たし

ゼネラル・モーターズ(GM)(GM.N: 株価, 企業情報, レポート)は、上場初日の

18日、公開価格の33ドルを3.6%上回る34.19ドルで取引を終えた。

 35ドルで堅調な初値を付けた後、一時は公開価格を9%上回る水準まで上昇

したものの、市場全体の力強い上昇にもかかわらず伸び悩む展開となった。

 市場では、米政府の持ち株比率が33%に低下した(オーバーアロットメントオ

プションが行使された場合)ものの、依然として政府保有株が多いことを懸念す

る声が聞かれた。

 GMの新規株式公開(IPO)に対する人気を高さを受けて公開価格や公開株

数が当初計画から引き上げられたことから、上昇余地が少なくなったと指摘する

向きもある。

 マックギン・インベストメント・マネジメントの最高投資責任者、バーニー・マック

ギン氏は「IPO価格の引き上げで、想定されていた上昇分の多くが株価に織り

込まれてしまったようだ。上昇余地も下落余地も大きくないだろう」と語った。

 GM株は2億2200万株の商いを集め、出来高は次に大商い銘柄だったシティ

グループ(C.N: 株価, 企業情報, レポート)の3倍以上に膨らんだ。  

 この日のニューヨーク市場では、GMのIPOに対する期待から11月に入って

17%値を上げてきたフォード(F.N: 株価, 企業情報, レポート)も売りに押され、

3.4%下落して取引を終えた。

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-18252020101118

  

しかしいくらオバマトヨタつぶしに加担しGMを再生させたように見えても、アメ

リカ国民は騙されなかったようである。オバマが考えた「中間選挙」勝利の方程

式は、実を結ばなかった。中間選挙は、民主党の歴史的敗北に終ったのである。

  

【米中間選挙無党派層 オバマ流に「ノー」 「チェンジ」に失望感 (msn 産経ニュース)
2010.11.3 22:49

 【ワシントン=佐々木類】米中間選挙で共和党が下院で過半数を獲得し、上院

でも躍進したのは、高止まりする失業率や過去最悪の財政赤字が、オバマ大統

領の「変革」に対する米国民の失望をふくらませたことが最大の要因だ。とりわ

け選挙の勝敗を大きく左右したのは、有権者の4割近くを占めるとみられる無党

派層と女性有権者の動向だった。

 米ウォールストリート・ジャーナル紙の最新の世論調査によると、無党派層

オバマ大統領への支持率は40%まで落ち込んだ。米世論調査会社ラスムセン

の最新の調査結果では、無党派層の52%が、今回の選挙は「オバマ大統領の

政策実行力への信任投票」と答え、顕著な「オバマ離れ」がみられた。

 一方、女性有権者の票は、2006年など近年の中間選挙では共和党をしのぎ

一貫して民主党に流れていた。しかし、ニューヨーク・タイムズ紙の調査による

と、今回は女性有権者の45%が「共和党に投票する」と答え、41%の民主党

上回った。

 米シンクタンク、ブルッキングス研究所のマーン上級研究員は2日、産経新聞

に対し、民主党の歴史的な敗北について「民主党は06年の中間選挙と08年の

大統領選挙で大勝しすぎた。加えて経済はひどい状況にあり、今回の選挙はこ

うした米国が置かれた状況に審判を下す選挙であり、当然の結果だ」と語る。

 一方、クレアモント・マッケナ大のピットネー教授は「レーガン政権下の1982

年、失業率は10・8%と今より高かったが、下院における共和党の議席減は、今

回の民主党より少ない26減だった。失業率の高さは民主党敗北の理由になら

ない」と断じる。

 その上で「有権者医療保険制度や、巨額の景気刺激策を投じても失業率

改善できなかった民主党の政策に『ノー』と言った」と指摘した。

 オバマ大統領は選挙戦終盤、こうした無党派層や女性票の取り込みを狙って

ミニ集会やテレビのコメディー番組に出演し、支持を訴えたが、浸透しなかった。

 選挙で特に打撃を受けたのが、2年前のオバマ旋風に便乗し勝ち上がった当

選1期の“オバマチルドレン”だ。そうした30人以上の候補の大半が苦戦を強い

られ、下院議席の大幅減にもつながった。

http://sankei.jp.msn.com/world/news/110119/amr11011921500102-n1.htm
(続く)