番外編・プリウス急加速問題(84)

上記の「日産のEV『リーフ』、42kmの燃費認定」http://wiredvision.jp/news/201011/2010112520.htmlを見ると99マイル(158.4km)を

1ガロン (3.785L)で走り、41.8km/Lの燃費と言う、そしてバッテリーは7hでフル充

電され、その状態で73マイル(116.8km)の走行が出来る、としている。電気自動車

の走行距離は6掛けだということを、'10/6/8,NO.48で紹介しているが、こ

の116.8kmは160kmの7掛けとなっているが、それだけ技術が向上したと言うこ

とであろう。なおLA-4とは、Los Angeles郊外での走行モードを想定した北米で

の排ガス測定モードで、実使用に近い燃費計算が出来ると言われている。現行

プリウス
の燃費は、一番軽いLグレードでは10・15モードで38km/L、JC08モード

では32.6km/Lと言ったところだ。だから41.8km/Lと32.6km/Lとの差を、大きいと

見るか小さいと見るかは、人それぞれなのだが小生はそれほど大きい差ではな

いのではないかと感じているのである。ちなみに116.8km(73マイル)を走行するの

にリーフは、ガソリン換算2.8L消費し、プリウスは32.6km/Lの6掛けで20km/L

で計算すると5.8Lのガソリンを消費することになる。その差はわずか3.0Lとなり、

リーフはその時点で7hの充電を必要とするが、プリウスはその後も39.2Lのガソ

リンが残っている(燃料タンク容量は45L)ので、更に39.2×20=784kmもそのま

まで走行できる事になる。3Lのガソリンを節約するために7hの充電か、更

に700km以上も走行できる余裕があることを比較すると、明らかに700kmも走行

できることのほうがメリットがある。だから近距離用として割り切れば、EVはかな

り使い勝手のよいグリーンカーなのであろう。しかしその程度はどれほどか。こ

れは燃費だけの比較なので、環境的にはどんなものかの評価は入っていない。


しかしEVが本当に環境に、それほどやさしいものか、と言った疑問は残る。

LCAでの環境影響評価の公表を期待したいものである。そして電気自動車が、

例えばリーフは、一般ガソリン自動車に比べて、これだけCO2の排出が少ない、

と言ったことはいまだ聞かれないのだが。

ちなみにJC08モードとは、10・15モードと異なり、エンジンはコールドスタートで

始動され、走行距離8,182m(4,165m)、最高速度81.6km/h(70km)、平均速

度24.4km/h(22.7km)、走行時間20分(9分)で、( )内は10・15モードの場合で、さ

まざまな走行パターンでの燃費を計算する方法である。走行パターンの設定方

法は同じだが加減速などの走行状態はJC08の方がより厳しい物となっている。

この項
http://www.carview.co.jp/green/ecoword/20/83/ を参照している。

  
世界カー・オブ・ザ・イヤーに日産EV「リーフ」

2011.04.22 Fri posted at: 09:16 JST

2011_nissan_leaf
リーフ(写真提供:日産自動車

ニューヨーク(CNNMoney) アジア、欧州、北米の自動車ジャーナリストらが選

定する2011年の「世界カー・オブ・ザ・イヤー」に日産自動車電気自動車

(EV)「リーフ」が選ばれた。米ニューヨーク国際自動車ショーで21日、発表さ

れた。BMW「5シリーズ」やアウディ「A8」を抑えての受賞となった。


リーフは昨年12月に米国で発売され、日本と欧州でも流通している。2012年

には他の海外市場にも投入される計画だ。


日産のカルロス・ゴーン会長兼最高経営責任者(CEO)は、「世界初の量産モデ

となった電気自動車である日産リーフが名誉ある賞を受賞したことは大きな

喜びだ」と語った。ゴーン氏は、2020年には世界自動車市場の10%をEV

占めるようになると予想している。


リーフはリチウムイオン・バッテリーを動力源とし、排出ガスを出さない。バッテ

リーは約8時間で充電でき、航続距離は約160キロ。これに対し、同時期に発

売された米ゼネラル・モーターズ(GM)の「シボレー・ボルト」は、バッテリーのみ

を使った場合の航続距離は約64キロで、その後はガソリンエンジンで駆動する。

リーフの米国での店頭表示価格は約3万3000ドルだが、連邦税額控除を考慮

した実質価格は約2万5000ドルとなる。GMのシボレー・ボルトは約4万ドル

(実質価格3万2500ドル)。


リーフは昨年、米国エネルギー効率経済協議会の選ぶ「最もグリーンな自動車」

でも、ホンダの天然ガス自動車シビックGX」に次いで第2位にランクされている。

http://www.cnn.co.jp/business/30002518.html

  

天然ガス自動車と言うものもあるのですね。現在環境対策が第1のテーマとなっ

てきているので、これからはいろいろな発想のもとに環境にやさしい動力が研究

されて行くことであろう。さしずめバッテリーが一番の懸案事項であろうが、リチ

ウムイオン二次電池の動向と、それを使ってどんな車を作ってゆくかと言ったと

ころが最大のポイントとなろう。これからも楽しみだ。

がんばれ、日本頑張ろう、日本。

(終り)