尖閣諸島問題その2(83)

対中報復姿勢を鮮明にするのは賢明ではない

 では、日本は中国に経済制裁に対しては経済制裁、武力に対しては武力で対抗していく

という対立姿勢をしっかり見せていくべきなのだろうか。単純に対中報復姿勢を唱える言論

については、私は慎重になるべきだと思っている。それは今、中国国内の戦争支持世論を

うけて解放軍がかなりやる気に見えるからだ。中国1949年以降、インド、ソ連、ベトナ

ム相手に領土紛争を起こしている。いずれも相手から挑発したというのが中国の言い分

だ。対外的な小さな紛争は国民の団結や民族意識を高め、国内の不都合な問題から

民の気をそらす
こともできる。

 自衛隊が本気を出せば、今の解放軍海軍程度なら蹴散らせると言う人もいるが、残念な

がら日本は米国の意向を無視して勝手に作戦が展開できるほど軍事的に自立してい

ない
。しかも相手はをもった国連常任理事国だ。こちらが挑発したという口実は絶対

に与えられない。ただ軍事行動というカードは、トランプで言えばジョーカーみたいなもの

で、最初から手札にないと言ってしまっては駆け引きにもならない。 

 結局、日本政府が今できることは限られている。中国は政治経済社会の全方位的圧力

日本にかけてくるだろうが、その圧力に右往左往しない。当面は忍耐をもって、これを

しのぐしかない。同時に中国の反日デモの本質はあくまで中国内政に原因があると国内

外に訴えることだ。抗議すべきは抗議し、損害賠償請求を行うとしても、日本国内の中国

企業や中国人への報復は百害あって一利なしだろう。

 日中関係が冬の時代に入り、今以上に重要になってくるのは、国際社会を味方につけ

るための表裏両面の外交情報発信外国メディア対策。次に国内世論の整理だろ

う。相変わらず国内には軍事アレルギーの人が多いが、せめて外交の場でジョーカー

持っているふりくらいはできるようにしておかないと、これからの国際社会を渡っていけない

のではないか。

 国際法廷で決着をつけるにしても、経済制裁で相手が音をあげるまで応酬するにして

も、尖閣防衛の軍事オペレーションを練り直すにしろ、結局のところ国際社会を日本の味

に引き込まないことにはいずれもうまくはできない。日本の次の総選挙がいつになるか

はわからないが、次こそ、外交重視の政権が誕生してほしいと願う。

■変更履歴
鄧小平氏が正確に表記されていませんでした。お詫びして訂正いたします。本文は修正済です。[2012/09/26 13:10]

福島 香織(ふくしま・かおり)
ジャーナリスト

 大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に

香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞

を退社後フリーに。おもに中国の政治経済社会をテーマに取材。著書に『潜入ルポ 中国

の女―エイズ売春婦から大富豪まで』(文藝春秋)、『中国のマスゴミ―ジャーナリズムの

挫折と目覚め』(扶桑社新書)、『危ない中国 点撃!』(産経新聞出版刊)、『中国のマスゴ

ミ』(扶桑社新書)など。

中国新聞趣聞~チャイナ・ゴシップス

 新聞とは新しい話、ニュース。趣聞とは、中国語で興味深い話、噂話といった意味。

 中国において公式の新聞メディアが流す情報は「新聞」だが、中国の公式メディアとは宣

伝機関であり、その第一の目的は党の宣伝だ。当局の都合の良いように編集されたり、美

化されていたりしていることもある。そこで人々は口コミ情報、つまり知人から聞いた興味

深い「趣聞」も重視する。

 特に北京のように古く歴史ある政治の街においては、その知人がしばしば中南海に出入

りできるほどの人物であったり、軍関係者であったり、ということもあるので、根も葉もない

話ばかりではない。時に公式メディアの流す新聞よりも早く正確であることも。特に昨今は

インターネットのおかげでこの趣聞の伝播力はばかにできなくなった。新聞趣聞の両面か

ら中国の事象を読み解いてゆくニュースコラム。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20120924/237196/?mlt

 
 

現在の中国の対日圧力は、まだまだ序の口だと言う。今後尖閣諸島海域でどんな悪辣な

手を仕掛けてくるか。また日中間の社会文化、経済的な関係に、どんな圧力を仕掛けてく

るか。さし当たって、中国で活動する日系企業日系人に対する直接、間接に渡る迫害が

強化されることであろう。なんと言っても11月8日の「中国共産党大会」では、好戦的な習

近平が共産党総書記選ばれることになる。これ以降対日圧力は一層強まることであろう。

油断は禁物である。普通の日系企業は、中国からの撤退にすぐ取り掛かるべきだあろう。

それにしても日本は、軍事力の外交効果を過小評価しすぎている。今からでも遅くない。

日本は軍事力の強化に取り掛かる必要がある。


総選挙がいつになるか知らないが、総選挙が遅れれば遅れるほど日本は衰退して行く。

早く自民党政権となり、最悪の日本国憲法を破棄して、新生日本国憲法の時代になっても

らいたいものである。そうでなければ尖閣諸島どころか、沖縄諸島も守れなくなるのである。

 
さればどんな憲法が必要か。小生のブログ2009年8月7日の「尖閣諸島問題(101)」~で

憲法の概要を示してあるが、次に抜粋してそれを載せる。


話としては、憲法9条戦争放棄があるため、北朝鮮は日本国内で拉致しまくることが出

来たのであろう、と言ったことから憲法改正が必要だと言う道筋で進めている。


「」
内は、当ブログの

2009年8月9日~8月12日、「尖閣諸島問題」(NO.101~NO.104)より転載で

ある。・・・

これより転載開始。

またちょっと話題を代えて(にはならないかもしれないが)、韓国での日本のTV番組の盗

用のお話。

 

155,またか! 韓国テレビが日本のテレビ番組盗用200907230924

2009.7.23 09:24  このニュースのトピックス:メディア倫理

 【ソウル=黒田勝弘】韓国のテレビがまた、日本のテレビ番組を盗用し問題になってい

る。韓国の3大ネットワークのひとつSBSで、日本のTBSが3月に放送した番組「時短生

活ガイドSHOW」の中の「5分出勤法」をそっくりまね、18日の番組「スターキング」で「3分

出勤法」として制作し放送したというもの。SBSでは視聴者からの指摘を受け調査の結

果、盗用だったと認め、謝罪するとともに番組関係者を処分したという。


 韓国のテレビでは以前から日本のテレビ番組盗用事件がしばしば起きており、世論の批

判を受けている。


 一方、KBSテレビでは国際的にも高い評価を受けてきた看板番組のドキュメンタリー「環

スペシャル」に“やらせ疑惑”が出ている。昨年3月の番組で、野生のフクロウがウサギ

を捕らえて食べるシーンが放送されたが、これに対して「ウサギは人によって与えられた

もの」という疑問が専門の生物学者などから提起されている。


 KBSのこの番組は以前にも、飼育されたカワウソを「野生のカワウソ」として放送し問題

になったことがある。

http://sankei.jp.msn.com/world/korea/090723/kor0907230924005-n1.htm

  
 
事ほど左様に、世界は無政府なのだ。「またか!」と言っているので韓国による盗用はかな

り頻繁に起こっているようだ。この手のニュースも、日本の独立を脅かすと言う観点からは
大事なものだ。ある意味日本の主権が侵されていることにもなる。自分の国も自分で守れ

ないような国、と言うことで潜在意識的に、日本は韓国にも馬鹿にされていることになる。

自分の国は自分で守る、そして関係各国との同盟関係を大切にして、より大きな脅威に対

してお互いに守りあってゆく、と言うことが、この無政府状態に世界の中で生き延びてゆくこ

とには必要なのだ。日本にはその気概がない。早急に自分の国は自分で守ると言う体制

を構築することだ。今度の総選挙では、果たしてそこら辺りの事が如何ほどに重要視され

ていることであろうか。尖閣諸島はじめこの美しい日本を本当に守ってくれる政党に、政権

を担ってもらいたいものだ。そのことが保障されてこそ、雇用だ、年金だ、医療だ、子育て

だ、と言う議論が生きてくる。今の日本人はまことに平和ボケで、自国の安全が、何もしなく

ても守られるとでも、思っているのであろうか。いつの日にかチベットウイグルと同じ目に

あっているかもしれない、とは想像しないものかね。
090807(101)

また話は変わるが、北朝鮮に拉致されていた米国人女性記者2人が解放されて、2009年

8月5日朝(日本時間同日夜)空路、米ロスアンゼルス近郊北西側18kmのバーバンク

港に到着した。オバマ政権は、今回のビル・クリントン元大統領の北朝鮮行きに関しては、

あくまでも私的な行動として、(1)米政府職員を同行させない。(2)民間のチャーター機を使

用する。(3)記者の釈放以外の交渉権限は与えない。-との線引きをしていたと言う。当た

り前だが、米政府は北朝鮮の非核化問題に何らかの言質を与えたくはないし、核開発の

停止を求めた国連決議の完全実施や核廃棄を迫りたいのである。


それにしてもこの二人の記者は、一体どうやって北朝鮮に拘束されたのであろうか。国境

を侵犯しないのに拿捕されたのであれば、米国は武力を使ってでも奪還を試みることも可

能だ。しかし国境侵犯をしたと言うことであれば、つかまっても致し方ないことであろう。

だからヒラリー・クリントンは強気から弱気に転じたのであろうか。


この後の動きはさておいて、日本の拉致被害者家族にとっては何とも言えないやりきれな

い気持ちで、この場面を凝視していたことであろう。我々も同じくやるせない思いでいっぱい

であり、被害者家族の気持ちは察して余りあるものの、日本国にはその解決能力に欠けて

いることにも、よくよく言及しなくてはならない。


日本の拉致被害者は、北朝鮮の国境など侵犯などしていないし、何の咎(とが)など無いの

である。本来は戦争で拉致被害者を取り戻さなければならない筈である。

(続く)