尖閣諸島問題その2(102)

それが今回の自民党安倍晋三総裁の「憲法改正」「国防軍保持」の選挙公約なので

ある。


幸い自民党は「棚ボタ式」ではあるが勝利を収めることが出来た。消去法での勝利であっ

たため、この公約の達成には相当の苦労と覚悟が要ることになる。しかし国民にしっかりと

この事態(中国や韓国の日本への侵略状況)を踏まえて説明して、真の独立した国家

はいかにあるべきか、を納得させてもらいたいものである。これが「美しい国」なのである。


今回の衆院選挙の争点は、2012.12.11に述べた
歴史的な円高の是正とデフレ脱却が、

最高位にランクされたものであったが、その次に来るものがこの憲法改正国防軍保持

であったと思われる。いささか古いが次の記事を参照願う。

  
 

衆院選2012 「軍」位置づけ 改憲案では潮流
産経新聞 2012年11月26日(月)08:02

 自民党憲法改正草案に明記された「国防軍」をめぐる議論が高まっているが、自民党

以外の各政党やシンクタンクなどからこれまでに出された改憲案や提言を見ると、現行憲

法の9条を見直して自衛隊を「軍隊」と位置づけることがすでに潮流となっている。


 民主党の議員らも関わった「創憲会議」では自衛隊は「軍隊」。超党派議連「新憲法制定

促進委員会準備会」は「防衛軍」としている。日本維新の会に合流した「たちあがれ日本

も「自衛軍」という位置づけだった。政治家の改憲案では中曽根康弘元首相が「防衛軍」、

愛知和男氏が「国防軍」で山崎拓氏は「陸海空軍」。鳩山由紀夫元首相も「自衛軍」。民間

団体を見ても「軍隊」(民間憲法臨調)「国軍」(日本会議)「軍隊」(日本JC)「国軍」(PHP

研究所)といった具合。読売新聞社2004年試案も「軍隊」だ。
Snk20121126072view

(産経新聞)

 自衛隊を軍隊と位置づけようとする各改憲案の根本には、わが国の安全周辺国の

公正と信義に委ねて守る
とした現行憲法が国防の手足を縛っているという認識がある。

改憲はむしろ平和な暮らしを自らの力で保持する上で急務であるという考え方も共通して

ある。

 こうした改憲の流れに明確な姿勢を打ち出せずにいるのが民主党だ。

 民主党は平成17年、国民的議論の「素材」として「憲法提言」を策定し、「戦争が『自衛

権』の名の下で遂行されたという反省の上に立って、日本国憲法に『制約された自衛権』を

明確にする」とわが国の自衛権をさらに縛るような方針を示している。

 その後、民主党内では本格的な議論を行っておらず、条文に関する統一見解すらない。

保守系から左派系までの議員が混在し、憲法改正への考え方がバラバラで、意見集約を

避けてきたためだ。

 百地章日本大学教授(憲法学)はこう話す。「自衛隊を軍隊にしなければ、国際法上も

問題
が残るし、国内的にも危機に対処できない尖閣のような離島への漁民を装った海

民兵が上陸するケースや原発を武装ゲリラが襲うといった事態だ。中国の軍事大国化、

北朝鮮の核やミサイルの開発は、わが国にとって安全保障上の最大の懸念だ。主権と独

立を守る
上で、名称に違いはあっても
軍隊にするのは当然の流れで、自民党の『国防

軍』明記を批判する野田佳彦首相はそのことの意味がわからないというのだろうか」(憲法

取材班)

http://news.goo.ne.jp/picture/sankei/politics/snk20121126072.html

 
 

自民党をはじめ各政党やシンクタンクなどの改憲案や提言では、現行憲法の9条見直

して自衛隊を「軍隊」
と位置づけることがすでに潮流となっている、と言っている。


ご承知の通り憲法の改正には衆参の各国会議員3分の2以上の賛成が必要となって

いる。これは憲法96条改正要件が述べられている。今回の選挙では自民党294

議席
を獲得しているので、あと26議席で320の3分の2の議席を確保できることになる。


公明党改憲に賛成するかどうかはわからないが、公明党は31議席を確保しているから

合わせれば325議席となり2/3を超える。公明党を外しても、石原・橋下の維新が54議

席を確保しているから、これと組んでもよい。しかしこれは衆議院でのことで、参議院では

自民党まだ少数だ。

        衆議院議席数    参院議席
自民・公明       325      102
民主・国民        58       91
維新             54        3
その他          43        47
合計          480       242
再可決可能(2/3)  320       162

 
 
2012.12.16衆院選挙    http://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/2012/

           結果  公示前      参院
民主  57    230   87
自民  294    118   83
未来   9       61    8
公明  31      21    19
維新  54      11    3
共産   8         9    6
みんな 18        8   11
社民   2         5     4
国民   1         3       3
大地   1         3     2
新日本  0         1 
改革   0         0    2
諸派   0         0    4
無所属  5           9    4
合計 480         497   236
                   (欠員1) (欠員6)
定数 480    480   242  

 
 

今回の選挙は民主党の体たらくのために自民党の圧倒的な勝利に終わり衆院では自公で

2/3を確保できたが、参院ではまだ4割を超える程度のために他のどこと組めば2/3を

超えるかは、非常に問題となる。しかしながら現状では組めるところは無い。だから次の

参院選
挙までが、1つの勝負どころとなる。


次の参院選は、来年の夏となる。


参院は2013.7.28任期の議員が116名と欠員が5の121名が来夏の選挙で改選されること

になっている。だから衆院選であげた公約を成就させるためには、この参院でも、自民党

は圧勝しなければならないのだ。


だから安倍総裁は、選挙時の公約にある種のオブラートを被せているだ。だからややトー

ンを下げている
ものと思われる
。だから来年の「竹島の日」式典の政府主催を見送って

いる。

(続く)