山本浩二ジャパンが敗れ去ったから、これほど「ぼろくそ」に言われるのであろうと思われ
たかもしれないが、さにあらず。山本浩二が侍ジャパンの監督就任当時から、3連覇は危う
いと言う評価があったようだ。山本の監督就任も、誰も監督を引き受けてくれなかったか
ら、仕方なく候補からもれていた山本に白羽の矢を立てたものだそうな。
だから山本浩二の管理能力の欠如は周知の事実だったようだ。だから「4強」まで進出でき
たことは、山本にとっては「満足」な事だったのかも知れない。
山本浩二ジャパン、予想通りぬるま湯の船出|WBC
2012年10月12日 13:08
WBCの監督に山本浩二氏が就任した。この時点で3連覇は厳しくなったとは思う。
野手総合コーチに梨田昌孝氏を招へいした。
梨田氏は監督として9年で645勝594敗、勝率.521。リーグ優勝2回、Aクラス6回。2011年
まで采配をとっていた。
山本浩二氏は監督歴10年で648勝681敗、勝率.488、優勝1回、Aクラス3回。2005年を最
後に現場から離れている。
年齢は7歳山本氏が上ではあるが、監督としての実績では文句なしに梨田氏だ。この人は
選手のマネジメントにも一家言があり、指導者としての能力も高い。なぜ、山本氏の下に能
力で勝る梨田氏を置くのかがわからない。
あまりできない部長の下にやり手の次長を置いたつもりかもしれないが、それは人事的に
はまずい手である。指揮系統が乱れるもとだ。
さらに投手総合コーチに東尾修氏。年齢は4つ下だが山本浩二氏の同期だ。私は現役時
代は好きな投手だったが、豪快な遊びっぷりで知られ、酒の匂いをさせてキャンプインする
ような選手だった。アスリートというより野球選手。自己管理の意識の高い今の選手が、こ
の人の指導を素直に聞くだろうか。
投手コーチには与田剛氏、打撃コーチに立浪和義氏、内野守備走塁コーチに高代延博
氏、外野守備走塁コーチに緒方耕一氏が就任。特別顧問として第1回大会監督の王貞
治氏、シニアアドバイザーには第2回大会で監督を務めた巨人の原辰徳氏。寄せ集めのモ
ザイクのようだ。
どのような方針でWBCを戦うのかが見えてこない。
「お友達内閣」を作りたいが、非難されるといやなので、適当に「できそうな人」も混ぜてみま
した、というところか。先ごろ楽天の打撃コーチをクビになった田淵幸一氏は、山本氏の「心
の友」だが、入閣の可能性もあろう。そうなればおしまいだ。
また11月の「侍ジャパン」初陣シリーズでは、日本ハムの中田翔に加えて斎藤祐樹もメン
バーに加えることを表明した。本人はこの時点で「持ってる」と思ったのではないか。
最近、これほど気落ちしたニュースはない。斎藤祐樹はポテンシャルはともかく、気持ちの
上では完全な負け犬である。自分でどん底から這い上がるべき状況だ。
彼が記念すべき「侍ジャパン」の初陣に選ばれる理由はない。この報道を聞いたことで、
がっかりした野球選手は多かったと思う。「侍ジャパン」で真っ先に選ばれるべきは、タイト
ルホルダーや一線で活躍した選手であって、人気だけの二軍投手ではない。
また、松井秀喜の名前も挙がっている。確かにWBCでは実績のあるベテラン選手が再起
を期して出場することはよくある。しかしながら、松井を呼ぶとすれば、大部分の人選を終え
てからの話だろう。また試合で使えるのかどうかを確認してからだろう。
チーム編成の最初に「実力二軍の人気だけ投手」と「引退寸前の野球浪人」を指名する。
この感覚の鈍さ、意識の緩さ。話題性や一般受けを考えたつもりかもしれないが、ファンは
それほど馬鹿ではない。
MLBで活躍する選手が、この緩いマネジメントに対して、協力を申し出るだろうか?
「11月の『侍ジャパン』の試合は壮行試合だし、オープン戦だから」というかもしれないが、
あれほどもめた末の新生「侍ジャパン」の船出である。できる限りのメンバーをそろえて、
キューバ軍にあたるべきだと思うが。
今回のWBCでは、ドミニカ、ベネズエラ、カナダあたりは相当真剣に試合をしそうな予感が
する。アメリカの足並みがそろうかどうかは疑問だが、韓国も竹島のことがあるから例年以
上に「打倒日本」に敵愾心を燃やすだろう。
ディフェンディングチャンピオンの日本が優勝するとすれば、選手たちが、お粗末なマネジ
メントを補って余るような奮闘をする場合に限られると思う。
http://baseballstats2011.jp/archives/18574319.html
これで見る限り、山本浩二よりも梨田昌孝氏の方が監督には向いているようだ。なんと言っ
ても監督時代の勝率は、梨田の 勝率.521、山本の勝率.488だから、梨田昌孝氏の方がか
なり上だ。山本の場合は五割に届いていない。こんな具合だから、今回の「侍ジャパン」が
準決勝まで進出できたことには、山本浩二も大満足なのであろう。NPBも間違った決定をし
てくれたものだ。いっそのこと梨田昌孝氏に監督を招聘すればよかったものを。
なんと言っても、山本浩二、星野仙一、田淵紘一と並ぶ3人はバブル時代の野球を引っ張
った三羽烏(!)だと小生の拙い頭には浮かぶのだが、何れもこの3人は優秀な野球人で
あっても、優秀な管理者ではなかったのであろう。同様にNPBにももう少しマネジメント能力
を高めてもらいたいものである。2008年の北京オリンピックでの星野ジャパンの惨敗を思
い出してしまった。この惨敗も、NPBのマネジメント能力の無さと星野仙一の采配の拙さが
もたらしたものであろう。
(続く)