東京五輪2020と尖閣諸島(4)

東京五輪決定】
日中関係改善に期待の声も 中国メディアやネット
2013.9.8 14:59 [日中関係

 5年前に北京五輪を開催した中国では8日、主要メディアが2020年五輪の開催都市に

東京が選ばれたことを速報。五輪開催が冷え込んだ日中関係の改善につながることを期

待する声も上がった。

 中国の通信社、中国新聞社は「安倍晋三首相への支持が高まり、経済政策の推進を後

押しする」との分析を伝えた。

 インターネット上には、東京電力福島第1原発事故への懸念から反対する書き込みもあ

るが、短文投稿サイト「微博」の緊急アンケートでは過半数が「祝福する」など肯定的な回

答に投票。「日本が五輪開催に向け国際問題の平和的解決に尽力するのは間違いない。

中国との衝突も緩和される」と期待するコメントも目立った。(共同)

http://sankei.jp.msn.com/world/news/130908/chn13090815000003-n1.htm

 

中国のネット市民は余程の無知か世間知らずなのでしょう。東京五輪で日本が「国際問題

の平和解決」に貢献する事になろう、などと惚けたことを言っているが、日本は当の昔から

世界平和に貢献している。貢献していないのは、お前達の国・中国なのだ。だから国際問

題の平和解決に努力しなければならないのは、お前たちの国なのだ。中国が変わらなけれ

ばならないのだ。お前達が尖閣諸島を盗もうとする行為を即座に中止すればよいのだ。

そうすれば、少しは平和になると言うものだ。しかし平和になるのは、少しだけだ。


尖閣諸島に限らず、中国は今でも西沙・中沙・南沙諸島では、アセアン諸国と揉めている。

西沙諸島南沙諸島のめぼしいところは、既に中国によって軍事占領されてしまってい

る。現在はフィリピンのEEZ中沙諸島の「スカボロー礁Scarbough Reef」を占領しよ

うと動いている。


スカボロー礁の位置は、次の「南シナ海略図」を参照願う。
Imgcopy
南シナ海略図」                    

西沙諸島南沙諸島での中国の侵略状況は、小生のブログ「尖閣諸島問題その2」

の2012.7.5の(1)から2012.8.7の(16)当たりで述べているので、是非参照願いたい。

序にこのスカボロー礁での中国の侵略状況を「尖閣諸島問題その2」から引用して次に載

せておく。

 

西沙諸島南沙諸島にあちこちに、中国は軍事施設を作っていると言う。これは恐ろしい

ことである。そして最近ではフィリピンのEEZ中沙諸島の「スカボロー礁Scarbough

Reef
」にまで手を伸ばしているのである。


Wikipediaによれば、18世紀にこの地点で茶葉の貿易船スカボロー号が難破したことにち

なんで、名付けられたと言う。そしてフィリピンのスービックからは100海里の距離だと言う。

1海里は約1,852mであるので、スービックからは185km、当然200海里のフィリピンの

EEZ
に位置している。


もともと中国は1958年に東沙・西沙・中沙・南沙諸島の領有を宣言しているが、この時点で

は石油の埋蔵は知られていなかったので、単なる領土野心での宣言であったが、これま

Wikipediaによればフィリピン
スカボロー礁関係は次のようなものだ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%83%9C%E3%83%AD%E3%83%BC%E7%A4%81

 

1980年以降、フィリピン政府はスカボロー礁200海里排他的経済水域とする。


1997年、フィリピンが軍艦と軍用機を出動させて、中華民国(台湾)のラジオ局が派遣した

領海侵犯船を追跡、監視する。


1997年4月30日、フィリピンの2人の国会議員が軍艦でスカボロー礁に上陸、旗と碑を建

てる。


1998年1月から2ヶ月の間に中国海南省の漁船4隻が領海侵犯したため、フィリピン海

に拿捕され、51名の漁民が半年間拘禁された。


1999年5月23日、フィリピン軍艦と中国漁船が衝突、中国外交部スポークスマンがフィリピ

ンに抗議し、交渉を呼びかけた。


1999年6月、フィリピン政府教育部は新しい地図の中で、スカボロー礁南沙諸島自国

の版図に入れた


1999年8月、フィリピン政府は「南沙諸島はフィリピン領土」である旨の憲法改正を行う。


1999年11月3日、スカボロー礁をパトロール中のフィリピン艦船が座礁。中国政府は艦船

の撤去を要求する。船はすぐに撤去されたが、以来、スカボロー礁とその周囲の経済水域

はフィリピンの監視下に置かれている。


2000年、フィリピン海軍が、領海侵犯した中国漁船の船長射殺する。


2012年4月8日、フィリピン海軍は、スカボロー礁近くで中国漁船8隻が停泊しているのを発

見し、拿捕する。これを受け中国の監視船が現場に急行、両国の艦船が睨みあう状態と

なる。


2012年4月17日、フィリピン政府は国際海洋裁判所に仲裁を仰ぐ様提案するが、中国はこ

れを拒否する。


と言った事が、スカボロー礁の状況のようだ。


先にに南シナ海の地図を示したが、スカボロー礁はまことにフィリピンに近いことが判る。

そして南沙諸島までも中国領だというのは、余りにも中国は虫が良すぎる。と言うよりも明

らかに(軍事力を背景とした中国の侵略なのである。


もともとスカボロー礁は、フィリピン駐留の米軍の射爆場であった。だから1992年にスービ

ック海軍基地をフィリピンに返還した時に、この射爆場もフィリピンに返還している。だから

当然フィリピンの管理するべき領海なのである。しかしフィリピンは中国の覇権主義に注意

を払わずに、しかも財政的な問題もあり、スカボロー礁の維持管理疎かにしていた。


いくら憲法を改正したからと言って、その裏づけとなる軍事力がなければ中国には対向で

きないことは、わかりきっている。フィリピンはアメリカ軍を追い出してしまったために、その

直後から中国から侵略を受け始めたのである。アキノ政権はフィリピンにとって末代にまで

言われ続けると思われる失政をしてしまったことになる。


そのつけが回ってきてしまったのであろう。だから日本尖閣諸島の管理は、きちんとして

おかないと、いつ何時中国が侵略してくるか、わかったものではない。日米同盟を堅持し

て、更には国防軍自衛隊)を強化しておかなければならないのである。

 

以上で引用は終わるが、これが「尖閣諸島問題その2」(2012.8.7,NO.16)で述べたフィリピ

ンのスカボロー礁の状況である。しかもその後も中国は、着々とスカボロー礁を盗み取る

行為を続けている。

(続く)