尖閣諸島が日本固有の領土で、中国のものでないことは、先の当ブログ「尖閣諸島問題そ
の3」や「尖閣諸島問題その2」でしっかりと述べているので、そちらを参照願いたい。遠藤
誉氏の「チャイナ・ギャップ」を読めばよく判る。中国共産党の機関紙である人民日報が、盛
んに「尖閣諸島を含む南西諸島は日本のものだ」と、報道もしていたのだから。
これは当ブログ『尖閣諸島問題その3』の2013.6.25(23)~6.28(26)当たりで、遠藤誉氏の
論考を引用して、詳しく記述されているので是非参照願いたい。
さて2013.9.5~9.6には、ロシアのサンクトペテルブルグで、20カ国・地域(G20)首脳会談
が開かれた。安倍晋三首相は初日だけ出席してブエノスアイレスへ飛んでいる。IOC(国際
オリンピック委員会)総会に出席するためだ。G20には、習近平も出席している。その控え
室で安倍首相は、習近平を呼び止めて握手し、関係改善を呼びかけている。
IOCでの安倍首相のプレゼンテーションはご承知のことと思うが、呼びとめられた習近平
は、どうしたらよいか判らなかったようで、「日本の責任だ」的なことしか言えなかった様だ。
なにせ、習近平は内政に追われていて、忙しいのだ。だからまだ総身に知恵が回りきれて
いないのだ。この後、立て続けに行事が混んでいる。
【東京五輪決定】
「安倍首相演説が決め手」ロイター通信が絶賛
2013.9.8 06:58 [安倍首相]
IOC総会で、東京のプレゼンテーションをする安倍首相=7日、ブエノスアイレス(共同)
【ロンドン=内藤泰朗】「安倍晋三首相の演説が2020年東京五輪大会決定への決め手
となった」-。ブエノスアイレス発のロイター通信は7日、こんな見出しで五輪開催地決定の
ニュースを伝えた。
同通信はその中で、「東京は、安倍首相がカリスマ的な嘆願を国際オリンピック委員会
(IOC)に行った後、実施された投票で接戦だったイスタンブールを破り、2020年夏季五輪
の開催地の地位を獲得した」と強調した。
さらに、「国家指導者のなめらかな演説は、IOCが懸念する福島原発問題の不安を解消
するために行われた。日本は60対36でイスタンブールを大差で勝利したことから、演説は
その目的にぴったりと合っていたようだ」と指摘した。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130908/erp13090806590005-n1.htm
そして2013.9.8の早朝の5:20に、2020年の五輪が東京で開催されることが発表された。
次の2013.9.11が尖閣諸島国有化一周年となる。
更に2013.9.18は、柳条湖事件から82年目である。
習近平は、そのため、9月は大忙しなのだ。
更に習近平政権内には、多くの問題が内在しているようだ。
問題の第一は、反腐敗キャンペーンの取り締まり活動だ。そのためこの捜査を逃れるた
めに、相当数の中国高官が海外逃亡しているという。これなどは相当頭の痛い問題だ。
中国3高官 海外逃亡 「反腐敗」成果 検挙5年で6220人
2013.8.14 21:16
【北京=矢板明夫】中国の習近平政権が、昨年末から全国で展開している反腐敗キャン
ペーンをめぐり、政府や党の規律部門の追及を恐れる各地の高官の「失踪」が相次いで
いる。中国メディアによれば、今年6月以降、広州市花都区の王雁威・政治協商会議主席
ら少なくとも3人の地方政府の重要幹部と連絡が取れなくなった。海外へ逃亡したとみら
れる。中国の検察当局の統計では、過去5年間に逃亡を試み、治安当局に検挙された官
僚は6220人に上る。
広東省の新聞、南方日報によれば、王雁威氏は今年6月3日、花都区党委員会に対し
「病気を治療するため休みを取りたい」と伝えたあと、2カ月以上も連絡が取れなくなった。
ほぼ同じ時期、湖北省公安県の畜牧獣医務局の蔡道明局長ら2人とも連絡が取れなくな
った。
王氏の失踪事件を取材した広東紙の記者によれば、習政権が主導する反腐敗キャンペ
ーンで、今年になってから、広東省で10人以上の幹部が失脚した。党の規律検査部門が
王氏の経済問題を調べはじめたとの情報が流れた直後、王氏が失踪した。資産を海外に
移した上で、偽造のパスポートで出国した可能性があるという。
王氏のような局長クラスの高官が同時期に相次いで失踪することは珍しい。しかし、課
長級、係長級の下級公務員が横領した公金をもって海外に逃亡するケースは10年以上前
から頻繁に起きている。
政府系シンクタンク、中国社会科学院の調べによると、1990年代半ば以降、海外に逃亡
した公務員、国有企業の幹部は1万6千人から1万8千人もおり、持ち出した国有財産は
8000億元(約12兆8千億円)に上るという。
逃亡先としては米国、オーストラリア、中国系住民の多いシンガポールなどが人気だ。
約1億元(約16億円)を横領したと伝えられた江西省●(=番におおおざと)陽県の財政局
幹部は、2011年1月にシンガポールに逃亡した。現地の当局に逮捕され、訴追されたが、
中国国内の裁判であれば死刑相当のケースだったが、下された判決は懲役15カ月だった
という。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130814/chn13081421190010-n1.htm
習近平は、取締りを強化すれば腐敗が減少するのではないかと思っているようだが、そん
な甘っちょろいものでは無さそうだ。共産党の一党独裁支配体制そのものに原因がある。
わかっちゃいるけど止められない、ジレンマがある。当分この中国社会の腐敗は無くならな
いであろう。だから困るのである、この反動が必ずや外へ向かってくるからだ。
この象徴的な事案が、薄煕来事件だ。
薄煕来は、国務院副総理を経験した薄一波の二男として、1947.7.3に北京で生まれてい
る。いわゆる太子党に属し、現在66歳で胡錦濤-習近平政権に対しては江沢民派に近い
存在と言われている。
(続く)