今度のW杯ブラジル大会については、小生は、不思議とそれほどのワクワク感が無いのだ。
壮行試合に全勝してきたから なのかは、分からない。そう思って対戦相手国のFIFAランクを確認したのだが、これがまた下位のチームときている。巷には「ベスト4」も夢ではない、などと盛り上がっているが、先に見たようにザックジャパンの戦績も中身を見ると怪しくなる。上位チームとの対戦でのこのような戦績であれば、それなりに頷けるのであるがすべての試合で先制を許してしまったことはいただけない。
これではW.CUPの試合では通用しないであろう。
泣いても笑っても後数日で日本の初戦が始まる。
ザックジャパンの健闘を祈りたいものだが、今年のザックジャパンのメンバーには欧州でプレイする選手が12人もいる。
1998年フランス大会は、0人。
2002年日韓大会は、4人。
2006年ドイツ大会は、6人。
2010年南ア大会は、4人。
しかし今年の2014年ブラジル大会は、12人と23人の半分を超えている。
だから 次の論考によれば、「吉と出れば、グループリーグを突破することも、過去最高の成績を残すこともできるかもしれない。」と言っている。
しかし「吉と出れば、」との条件がついている。普通ではグループリーグも突破できない、と言った雰囲気も感じられる。
5回目となるサッカーW杯への挑戦。
ここまでの調整過程から占う今大会の日本代表
【第302回】 2014年6月10日 相沢光一 [スポーツライター]
2014FIFAワールドカップ・ブラジル大会の開幕(日本時間・12日午前5時)が迫ってきた。
日本から見ればブラジルは地球の真裏。ほとんどの会場の時差は-12時間と、ちょうど半日ズレるわけだが、逆にそのおかげで観やすい試合もある。たとえば日本の初戦となるコートジボワール戦。キックオフは現地時間14日の午後10時で、日本は15日(日曜)の午前10時開始だ。かなりの高視聴率を稼ぐことだろう。
とはいえ、サッカー好きはほとんどすべての試合をライブで観たいはずだ。となると、現地時間午後1時(日本は深夜1時)キックオフの試合から観始めて、夕方7時(日本は朝7時)の試合まで観続けることになる。昼夜が逆転してしまうわけだ。
しかし、それさえ苦に感じない人が多いのも事実。それほどの魅力があるのがサッカーワールドカップである。
それはともかく日本人の多くが注視するのはもちろん日本代表の戦いである。グループリーグは勝ち抜けるのか、本田や長友が公言するように優勝は夢ではなく、具体的な目標になり得るのかに興味が集まる。今回は、その実現性について考えてみたい。
一流リーグでプレーする選手の数は過去最高
他の出場国と精神的にも実力的にも対等に
今回で日本代表は5大会連続のワールドカップ出場となる。過去4回と異なるのは、世界4大リーグといわれるドイツ、イングランド、イタリア、スペインのトップリーグでプレーする選手が一気に増えたことだ。
初出場した1998年フランスW杯は、登録メンバー23人すべてがJリーグクラブ所属の選手で、世界との差は大きく、3戦全敗で大会を終えた。2002年日韓W杯は欧州でプレーする選手が4人、うち4大リーグは2人に増えた(中田英寿=イタリア・パルマ、稲本潤一=イングランド・アーセナル)。トルシエ監督の指導力や地元開催のアドバンテージもあって2勝1分でグループリーグを突破、ベスト16に入った。2006年ドイツW杯の日本代表は欧州選手が6人に増え、4大リーグ所属も3人(中田英=イングランド・ボルトン、稲本=同・ウェスト・ブロムウィッチ、高原直泰=ドイツ・ハンブルガーSV)になった。だが、グループリーグを1分2敗で敗退する。2010年南アフリカW杯は欧州選手は4人に減り、うち4大リーグ所属選手も2人になった(長谷部誠=ドイツ・ヴォルフスブルク、森本貴幸=イタリア・カターニア)。しかし、グループリーグを2勝1敗で突破し、2度目のベスト16に入った。
そして今大会(2014年ブラジル杯)の日本代表。欧州でプレーする選手は12人と一気に過半数にまで増えた。そのうち4大リーグ所属はなんと10人もいる(本田圭佑=イタリア・ACミラン、長友佑都=同・インテル・ミラノ、香川真司=イングランド・マンチェスターU、吉田麻也=同・サウサンプトン、岡崎慎司=ドイツ・マインツ、長谷部誠、清武弘嗣=同・ニュルンベルク、内田篤人=同・シャルケ、酒井宏樹=同・ハノーファー、酒井高徳=同・シュツットガルト。大迫勇也はドイツ2部の1860ミュンヘン)。世界のトップリーグで通用する選手がこれだけいるのだ。
W杯に出場する32ヵ国の主力選手もほとんどが、この4大リーグでプレーしている。この10人は日頃、そうした選手と対戦し、あるいは同僚としてプレーしている。だから気おくれなどないし、プレーでも引けをとらないという実感があるわけだ。前大会に比べ、選手は精神的にも実力的にも数段レベルアップしている。そんな選手が集まった日本代表はW杯でも、すでに“お客さん”ではなく、対等の実力を持つチームとして認められたといっていい。その意味では本田や長友の「優勝を目指す」という言葉も、あながち大言壮語ではないのだ。
とはいえ、だからといって勝てるほどW杯は甘くない。他の国だって同等以上の選手を揃えて大会に臨む。日本代表はそのレベルにようやく肩を並べるところまで上がってきたに過ぎない。グループリーグを勝ち抜くのは至難なのだ。
どの国も“速成チーム”。
重要なのは機能する仕上がりかどうか
代表チームは、その国のトップ23人で構成されるわけだが、寄せ集めの速成チームである。選手がともに練習する時間は短く、いくら個が強くてもチームとして機能しないことがある。それは出場32ヵ国すべてに共通することで、だからW杯は面白いのだが、日本代表の成績を占ううえで注目したいのが、攻守にわたって機能するチームに仕上がっているかどうかだ。
それを見る材料となるのが、これまでの調整過程である。過去の大会の日本代表がどのような調整過程を経て、それがどう本大会の成績に結びついたのか比較してみよう。なお、1998年は初出場を決めただけで喜んだレベルだったし、2002年は自国開催で予選免除ということもあるので、2006年と2010年の日本代表と比べることにする。
2006年ドイツW杯のジーコジャパンは前評判は高かった。アジア予選を通算11勝1敗という圧倒的成績で勝ち抜き、一番乗りで出場権を獲得。06年もW杯までに9試合の国際Aマッチを戦って4勝2敗3分という好成績を収めた。とくに大会直前にはホスト国で優勝候補筆頭だったドイツと親善試合をアウェーで行い2-2と引き分けた。
これで期待感が一気に盛り上がったが、本大会ではオーストラリアに1-3、クロアチアに0-0、ブラジルに1-4の2敗1分でグループリーグ敗退を喫した。ジーコは選手の自由を尊重し、選手を固定するチームづくりをした。多少の浮き沈みはあったが、それでほぼ順調に来たため、選手に過信が生まれたのではないだろうか。また、チームとしての調子のピークがW杯前に来てしまったのかもしれない。強豪国は大会直前の親善試合は、あくまで調整の場であり、課題を見つけ修正しながら大会へ向けて調子を上げていく。この時の日本代表にはそんな余裕がなかった。大会前にピークが来て、それを維持しようと思ったが、できなかったのだ。
それとはまったく逆のパターンだったのが2010年南アフリカW杯の岡田武史監督率いる日本代表だ。アジア予選は順調に勝ち抜いたものの大会前にチーム状態はどん底に落ちた。2010年はW杯までに国際Aマッチを10試合行い3勝5敗2分。とくに直前はセルビア、韓国、イングランド、コートジボワール(今大会の初戦の相手)に4連敗するという無残な状況で、ファンの期待感はしぼんだ。
これに危機感を持った岡田監督はそれまでの主導権を握る方向性から、守りを固めカウンターを狙う、いわば弱者の戦い方に転換。するとカメルーンに1-0で勝利、第2戦のオランダには0-1で敗れたものの、第3戦のデンマークに3-1で勝ち、グループリーグを2位で勝ち上がったのだ。どん底状態だったからこそできた思い切った戦術の転換と、カメルーンに勝ち、負けはしたが強豪オランダとも僅差の試合をしたことで、チームは盛り上がり、この成績につながったのだろう。期待していなかったファンも、この予想外の結果に歓喜した。W杯ではこういうことが起きるのだ。
前2大会と異なる今回の調整過程
過去最高の成績も夢ではない!?
今大会の日本代表はザッケローニ監督の統制を取ったうえでの攻撃サッカーという独自色はあるが、調整過程は06年と10年の両方がミックスされた感じだ。アジア予選は順調に勝ち抜き06年同様一番乗りで出場権を獲得した。が、昨年どん底が訪れる。6月のコンフェデレーションズカップではブラジル、イタリア、メキシコという強豪が相手ではあったが3連敗。10月のセルビア、ベラルーシとのアウェーの親善試合でも連敗した。この頃、誰の目にも不安に映ったのは、守備陣のミスから失点を重ねたことだ。そんなことから、ザッケローニ監督の更迭論さえ出た。
しかし、11月に行われた親善試合では強豪オランダに2-2で引き分け、ベルギーには3-2で勝利した。これでザッケローニ監督も評価を持ち直し、スタイルを変更することもなく現在まで来ている。なお今年の国際Aマッチは4試合と少ないが、すべてに勝利した。直前の調整にドイツとの試合を組んだ06年、イングランドと戦った10年とは違い相手に強豪を選ばなかったのは勝ち癖をつけようという狙いか。勝ってチームに勢いをつけて本大会に臨むのは悪い事ではないが、06年のケースもあるので少し不安ではある。
また、守備もまだ不安定だ。昨年のどん底時期のような不用意なミスはなくなっているが、DF陣全体に微妙なズレがあるように感じる。ただ、別の見方をすれば修正すべき課題が事前に見つかったということであり、本大会までに改善すればいいということだ。
10年の時と同様、どん底は味わったが、今回はそれが半年早く訪れた。06年のように大会前にピークが来ているわけでもない。前2大会との共通項はあるものの、異なる調整過程を経ているのが今回の日本代表。それが進化の現れかもしれないし、吉と出れば、グループリーグを突破することも、過去最高の成績を残すこともできるかもしれない。
誰もが同じ思いだろうが、15日の初戦が楽しみである。
http://diamond.jp/articles/-/54308
さあ2014ワールドカップサッカーブラジル大会が始まった。
サッカー選手には怪我は付き物だが、怪我をするということはそれなりに頑張ったかもしれないがそれだけのレベルだったと言うことではないのか、思われて仕方が無い。それなりに回復しているようだが、果たして完全に治癒しているのか、小生には疑問が感じられる。
全力を出し切れる状態になっていればよいのだが。
(続く)