2014ワールドカップサッカー・ブラジル大会(5)

次に宮本恒靖氏の論考を掲げる。

内容はごく常識的なもので、今回のブラジル大会でのザックジャパンの成績などには一切言及していないので、物足りない感じはする。

宮本氏は、2012-2013FIFAマスターの第13期生である。FIFAマスターとは、Wikipediaによれば、2000年に開設されたスポーツ全般・スポーツ学に関する大学院だと言う。卒業生は各種スポーツ機関などで活躍していると言う。

宮本氏は2014年ブラジルW杯のテクニカルスタディグループ13名のうちの1人に選ばれている。グループの仕事としては、試合を分析して技術・戦術・傾向などに関して技術レポートを作成することだと言う。FIFAマスターの日本人卒業生は、宮本恒靖氏も含めて9名だそうだ。

 

W杯コラム】「日本サッカーが目指す方向を示す大会に」宮本恒靖

gooニュース20140611日(水)18:00

【W杯コラム】「日本サッカーが目指す方向を示す大会に」宮本恒靖氏

gooニュース)

 612日の開幕まであとわずか。サッカー王国ブラジルでのワールドカップ、ザック・ジャパンはどんな戦いを見せてくるのか。また、対戦国のコートジボワール614レシフェ)、ギリシャ619ナタル)、コロンビア624クイアバ)を相手に、どう挑むべきなのか。フィリップ・トルシエジーコ体制の下で長く日本のディフェンスリーダーとして活躍し、代表主将も務めた宮本恒靖氏に、自身の経験も踏まえて見どころを聞いた。

 日本のワールドカップ出場はブラジル大会で5度目。2002年日韓大会、06年ドイツ大会と2度のワールドカップを経験した宮本氏にとって、本大会の見どころはどのように映っているのだろうか。

ザッケローニ監督が就任して以降、(ボールポゼッションを高め)主導権を握るサッカーにトライしてきたなか、ある程度結果もついてきました。本大会で世界の強豪と対戦した際、それをどう出せるかに注目しています。2010南アフリカ大会では、大会直前にそれまでのポゼッションスタイルから引いてブロックを作って守りを固める戦術に変更し、ベスト16に進出しました。その上を目指すためには、やはり攻撃力もないと厳しい。

 ザッケローニ監督が選んだメンバーを見れば、おそらく今回は守りを固める策を取らないでしょうから、いまの日本の本当の力が測れると思います。そして、『これから日本がどういうサッカーを目指していくべきか』という道筋が見える大会になればいいなと思っています」

 引いて守り、カウンターに頼るサッカーには限界がある。だからこそ、宮本氏は、ザッケローニ監督が就任以降目指してきた「みずから仕掛けるアグレッシブなスタイル」を貫くことで、日本サッカーが今後目指すべき方向性がわかるような大会になって欲しいと願っているという。

 本大会での宮本氏は、日本人初のFIFA国際サッカー連盟)のテクニカル・スタディー・グループ(TSG)一員として、ワールドカップの試合分析にも当たるという。日本の対戦国には、それぞれどんな印象を持っているのだろうか。

コートジボワールは、4年前に練習試合を行ったときの方が強かったのではと思っています。(注:2010南アフリカ大会の開幕前にスイスで対戦し、日本は0-2で敗れた)当時から主力も変わっていませんし、MFヤヤ・トゥーレのパフォーマンスは上がっているように思いますが、全体としては(年齢を重ねたことでピークがすぎ)下降気味な印象です。

 エースのドログバ36歳になり、往年の輝きは消えつつあります。それに、アフリカ勢が初戦からトップコンディションで来られるとも思えません。日本がうまく初戦を迎えられれば、勝ち点3を狙えるチャンスは十分にあると思います。また、前線の選手は強烈ですが、ディフェンスラインはそんなに固いと思わないので、攻撃をしっかり受け止めつつ攻めることができれば、点は取れる気がします」

 決勝トーナメント進出を考えれば、「初戦は引き分け以上がマスト」とする宮本氏。それは、2つのワールドカップを経験したことからも痛感しているという。

「(ベスト16に進出した)02年日韓大会初戦のベルギー戦は、引き分けに追いつかれる形ではありましたが、日本がワールドカップで初の勝ち点を挙げて、勢いを付けることができました。一方、2006年ドイツ大会はオーストラリアを相手に後半の84分まで1-0でリードしていましたが、終盤の3失点で試合をひっくり返されました。『負けた』という事実もありますが、それ以上に試合内容から来る衝撃が大きく、いい形でスタートが切れませんでした。それだけに、初戦をいかにうまくまとめるかは非常に大事だと思います」

 第2戦の相手、ギリシャにはどんなイメージがあるのだろうか。力的には、対戦する3チームのなかで最も劣るとの見方もあるが……。

「やりやすいとは思いませんが、(勝てる)可能性は感じる相手ですよね。ただ、初戦の結果次第で戦い方も変わってくると思います。ギリシャは守備が固いので、引いて守りカウンター狙いで来るでしょうが、対応をしっかり取れれば中盤の構成力は間違いなく日本の方が上です。それほど脅威ではないでしょう。引いて守られたとしても、たとえば昨年のベルギー戦でヤット(遠藤)のパスから本田が決めたように、ボランチの1人がしっかり前に出て、ある程度人をかけてコンビネーションを生かせれば、うまく攻めることができると思います」

「守備は固いが、ディフェンスラインが下がりすぎる傾向は狙い目」とも語る宮本氏。「本田が下がってきてのミドルはもちろん、ファウルが多いチームのためいい位置でFKをもらえればそれもチャンスになる」という。

 第3戦の相手、コロンビアは「いちばん厄介な相手」との声も多い。

CBもしっかりしていますし、中盤も非常に力強い選手が揃っていますから、フィジカル勝負をされたら厳しい。(ケガの)ファルカオは出場できないと思いますが、逆にどういう選手が出てくるかわかりません。(注:取材後の63日にファルカオの代表落選が確定)初戦と第2戦を見て、対応を考える必要があるでしょう。ファルカオは不在でも、南米開催という地の利もありますし、力はあると思います」

 点を取るには個人の活躍も欠かせない。宮本氏が考える攻撃面のカギは、本田の活躍だという。

「やはり、本田がゲームを決めるような働きができると、日本にとっては大きいと思います。マークは厳しくなるでしょうし、自由にはやらせてもらえないと思いますが、2010南アフリカ大会でも決定的な仕事をしたのが本田ですし、そういうことができる選手だと思います。

 また、前線での裏に抜ける動きや攻守両面での貢献度を考えると、岡崎はチームにとって不可欠。点も取れ、裏へ飛び出し、守備でも相手のボールを奪える岡崎は代えの利かない存在といえるでしょう」

 

 かつての宮本氏と同じ、CB吉田は長谷部、内田とともに故障明けとなるが、一般的にハイボールの競り合いや一瞬の判断で勝負が決まるCFCBは、他のポジションに比べても試合勘を取り戻すのが難しいとも言われている。心配はないのだろうか。

「ギリギリの勝負のなかであと一歩足が出るといった『研ぎ澄まされた感覚』は、やはり試合から離れていると取り戻すことが難しいものです。ただ、吉田はロンドン五輪の前にも同じ個所(右ひざの内側靱帯)のケガから大会前に戻ってきていますし、1度経験していることは安心材料だと思います」

 昨年のコンフェデ杯以降、ミス絡みの失点の多さが指摘されることもあった。ザック・ジャパンの守備に不安はないだろうか。

「ミスは起こり得ますが、その質は考えないといけない。たとえ失点につながらなくてもいい流れを切ってしまうこともあるので、重々気をつける必要があります」

 ボールを保持している際に、不用意な横パスをカットされて、カウンターを喰らうなどは最も嫌なケース。ボールを保持しているときこそ、リスクマネージメントが大事になるという。

 また、ワールドカップは独特の緊張感を伴うことから「空気が重たい」とも語る。勝ち上がりによっては1カ月以上も集団生活を送ることになり、ときにチームの雰囲気は戦術以上に成績を左右する重要なファクターにもなり得るという。

「これからの短い時間で、連係面を劇的に向上させることは難しいでしょう。それだけに、いかにいいコンディションを保てるかとともに、チームの雰囲気はとても大事になると思います。ブラウン管を通じてはなかなか伝わらないかと思うのですが、誰もが試合に出たいとけれどそうはいかない現実もあり、場合によってはネガティブな空気を生んでしまう可能性もあります。そうした空気を消すには勝つことがいちばんですし、場合によってはベテラン選手の存在だったりもします。

 グループリーグ敗退に終わった2006年ドイツ大会では、残念ながらうまくいかなった部分もありました。ですが、2002年日韓大会では中山(雅史)さんや秋田(豊)さんらベテランがチームを上手く盛り上げてくれて、2004アジアカップで優勝したときも、俊哉(藤田)さん、三浦アツさん(淳寛)らに助けられました。

 戦術も大事なのですが、そのベースにあるのは選手の心であったり、チームの雰囲気だったりするものです。短期決戦ではとくに、チーム内でいかにいい雰囲気作り出せるかも大事な要素になってくると思います」

 前回の南アフリカ大会では、大会直前の大胆な戦術変更とともにチーム内での各選手役割が劇的に変わったものの、サブに回った選手たちの献身的な働きがチームを支えたとも言われている。果たして、ブラジル大会はどうなるのか。宮本氏はそうした「チームの変化を見るのも面白い気がします」としている。

【プロフィール】 宮本 恒靖 みやもと・つねやす
 1977(昭和52)年27日生まれ、37歳。大阪・富田林市出身。同志社大卒。ガンバ大阪ユースから95年にトップチームに昇格。2002年日韓、06年ドイツW杯に出場した。11年に神戸で現役を引退。昨年、FIFA国際サッカー連盟)運営の大学院「FIFAマスター」を修了。ことし1月、Jリーグの特任理事に就任した。J1通算337試合8得点。日本代表通算71試合3得点。

取材日:519
取材・文:栗原正夫

http://soccer.news.goo.ne.jp/column/gooeditor_wc2014-20140607110916642

 

さていよいよ6/15,10:00より、日本対コートジボアール戦が始まる。きっと息をつめてみていることと思うが、是が非でも勝ち点3をもぎ取って欲しい。


先の
相沢光一[スポーツライター]の論考にもあるように、強化試合で強豪を相手にしなかったことは安材料であると述べているし、何れも先制を許すなどDF陣の全体的に微妙なズレがあると指摘している。この数日間でそれが改善されているかは、明日判明する。

少なくとも2006年のジーコジャパンの二の舞だけは御免だ。冒頭の論考にもあるように、本当にザッケローニ氏の監督としての力も危ういとしたら、グループリーグの成績は悲惨なものとなる。少なくともザックはジーコよりも相当マシな監督と見られるから、それだけは避けてもらいたいものだ。

お隣の朝鮮・韓国は、審判員を買収してまで、勝つことにこだわったしまった。そのためベスト4まで進出したわけだが、当初から胡散臭い試合運びだった。
以前からそんな噂もあったのだが、元FIFAの副会長だった朝鮮人が「W杯の審判を買収した」と口走ってしまった。

(続く)