日清戦争開始120年に考える。(8)

オバマ2014.4.22から4.29の予定でアジアを歴訪した。しかし中国はその直後の5/3

中国初の最新式の深海リグベトナム沖に設置した。ベトナムは当然黙ってはいない。中

国と石油リグをめぐって、中国艦船に向かって阻止行動を取っているが、多勢に無勢だ。

 

中越艦船、南シナ海で放水の応酬 石油採掘巡り
2014/5/12 18:50
ニュースソース 日本経済新聞 電子版

 【ハノイ=伊藤学】南シナ海の石油掘削を巡ってにらみ合う中国とベトナムの艦船が12

日、放水で応酬する場面があった。越国営紙トイチェ(電子版)によれば、中国船15隻に囲

まれて放水を受けたベトナム漁業監視船が放水で応戦した。

 同日朝、ベトナム船が石油掘削装置に近づき、「ベトナムの水域からの掘削装置の撤去

を要求する」と中国語で書かれた横断幕を掲げたところ、15隻の中国船に囲まれた。

そのうち5隻の船がベトナム船に放水を開始。ベトナム船も放水で反撃した。

 ベトナム船には乗員のほか、同紙の記者2人が乗り込んでいたが、負傷者はいなかった。

2日以降、中越船は衝突や放水が断続的に続いており、これまでベトナム側は計9人が負

傷している。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM12020_S4A510C1FF8000/

 

しかし5/11にはミャンマーASEAN首脳会議が開催されることになっていた。当然中国も

このことは知っている。この会議では、当然中国への非難が採択される可能性が高い。

その為タイミングとしては誠に都合の悪いことこの上ない。

 

ASEAN首脳会議、南シナ海問題に「深刻な懸念」表明
2014/5/12 20:19   ニュースソース   日本経済新聞 電子版

 ミャンマーの首都ネピドー11日に開かれた東南アジア諸国連合ASEAN首脳会議

の議長声明が12日公表された。中国と一部加盟国との緊張が続く南シナ海問題につい

て「深刻な懸念」を表明。名指しは避けたが厳しい調子で中国をけん制した。マレーシアな

南シナ海問題で中立を保っていた加盟国がベトナム支持を打ち出したのが一因だが、

中国は反発を強めている。

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 ASEAN11日の首脳会議後に採択した「ネピドー宣言」で関係当事国の自制と法的拘

束力のある行動規範の早期策定の必要性を盛り込んだ。12日の議長声明は10日の外相

会議
共同声明を踏襲し、「深刻な懸念」というより強い表現を選んだ。

 首脳会議では南シナ海問題を巡る加盟国の温度差が表面化した。ベトナムのズン首相

が「中国は恥知らずにもベトナム領海を侵犯し、深刻な違法行為を繰り返している」と激しく

対中批判を繰り広げた。南シナ海では12日も両国の艦船が放水で応酬する場面があった。

 これに対し、議長国ミャンマーテイン・セイン大統領は「加盟国の結束」の重要性を強

調。中国との関係が強いカンボジアラオスも沈黙を貫いたもようだ。

 一方、南シナ海問題で比較的中立的だった加盟国がベトナム支持を打ち出した。マレー

シア
のナジブ首相は「行動規範をすぐ締結すべきだ」と述べ、ベトナムの主張に理解を示

した。マレーシアも中国と領有権紛争を抱えるが、これまで中国批判と一線を画してきた。

 中国とのパイプ役を担ってきたインドネシアのユドヨノ大統領もベトナムに同調した。

中越間の緊張が高まるなか、ASEANの団結を強く打ち出さなければ、加盟国間の亀裂が

大きくなるとの判断が働いたようだ。

 議長声明に対し、中国外務省の華春瑩副報道局長は12日の記者会見で「南シナ海問題

は中国とASEANとの間の問題ではない」と反発。ベトナムを念頭に「一部の国が中国とAS

EANの友好協力関係の破壊をたくらんでいる」と批判した。

 ベトナムでの相次ぐ反中デモについても「強く懸念している」と述べ、ベトナムにいる中国

人の安全確保を求めた。

 中国が米国の介入を警戒し、一時的に慎重姿勢に転じる可能性があるが、南シナ海

実効支配下に組み込む
との目標を変えることはあり得ない。当面はASEANへの経済協

力をちらつかせてASEAN内部の親中派と反中派の分裂を誘い再び攻勢をかける時機

をうかがうことになりそうだ。

ヤンゴン=松井基一、北京=島田学)

http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM1202C_S4A510C1FF8000/

 

ではなぜこのタイミングで敢えて、中国最大の沖合石油探査会社、中国海洋石油

(CNOOC)
は最新式の石油リグを、ベトナム近海に投入してきたのであろうか、と言う疑問

は残る


中国海洋石油総公司、China National Offshore Oil Corp.:CNOOC は、日中中間線付近

春暁ガス田・日本名白樺ガス田を開発している、いわくつきの会社である。開発の実行

部隊は子会社の中国海洋石油有限公司(CNOCC Ltd.)が行っている。


中国の国営石油関連企業には、中国石油天然気集団公司(CNPC)と中国石油化工集団

公司(Sinopec)が存在している。CNOOCは、3兄弟の末っ子的存在で規模は小さい、と言

われている。

http://www.mizuho-ir.co.jp/publication/contribution/2006/jpi0601.html


中国石油天然気集団公司(CNPC)
-原油・天然ガスの生産・供給、石油化学製品の生産・販売

中国石油化工集団公司(Sinopec)
-石油・天然ガスの探査・開発・輸送など

中国海洋石油総公司(CNOOC)
-中国大陸沖合いでの石油・天然ガスの探査・採掘・開発


なおこのURLではまとめとして、次のような文章を載せている。

 

『中国のエネルギー需要は増加を続けており、その伸び率や増加量は他の国を圧倒的に

上回る規模である。これらの需要を満たすため、中国の国営石油会社は世界中の石油と

天然ガス資源を求め、東奔西走の状況が続いている。鉱区の取得や権益の買収に加

え、CNOOCは、Unocalという大手の買収に打って出た。結果は失敗に終わったが、

Unocalの生産量は、CNOOCのそれを上回る規模であり、CNOOCが目指す今後の企業

規模をうかがい知ることができた。

Unocalは、日本に最もLNGを輸出しているインドネシアの液化基地への主要なガス供給

企業であり、仮に買収が成功していた場合、CNOOCがこれに代わっていたことになる。

同社による国際的な買収活動は、今後も継続していくものと見られ、展開の仕方によって

は、日本へのエネルギー供給の主要企業となり得る可能性もある。日中中間線の開発の

みでなく、今後も同社の動向に留意していく必要があろう。

(続く)