日清戦争開始120年に考える。(38)

【質問】 去年、参拝した際は、昇殿をせずに、記帳もしませんでした。今回の参拝では、

モーニング姿で、内閣総理大臣と記帳して、昇殿もしたということなんですけれども、その理

由についてお聞かせください。

小泉総理】 今、お話したようにね、今日は戦没者の追悼式もありますし、千鳥ヶ淵

戦没者の墓苑にもお参りしますし、その時にはこの服装で行きますしね、私は、きっちりと

昇殿、本殿に参拝した方が、今日は皆騒いでいますから、あのような、去年みたいな形でい

くと警備の方も大変でしょ。皆さん、大勢の方々が見えてるしね、そういうことも考えて本殿

に参拝するのが適切じゃないかなと思いました。


【質問】 2回目の参拝の時の所感の中では、総理は、終戦記念日やその前後の参拝にこ

だわって、再び内外に不安や警戒を抱かせることは、私の意に反するとしていました。今日

の参拝は、その所感と矛盾するのではありませんか。

小泉総理】 矛盾しません。それは過去5年を踏まえて、いつ行っても問題にして、混乱に

しようとする勢力があるんです。それは仕方ないんです。そういうことを踏まえて、過去の経

験が生きてきたんですね。いつ行っても参拝に、なんとか争点にしようとか、混乱させよう

とか、騒ぎにしようとか、国際問題にしようとかいう勢力があるんです。これに対してね、い

けないと言ったって、それは、日本は言論の自由が認められてるんですから、どうにもなり

ません。ですから、いつ行ってもこういう騒ぎにしようという勢力があるんですから、8月

15日
に行っても、適切じゃないかなと


 また、むしろこだわっているのは、毎回、こだわろうという勢力がいるんですよ、私が、今ま

靖国神社の問題も、質問された時以外は答えたことがないんですよ。自ら、靖国問題をこ

うだああだと言ったことはなくて、いつも皆さんの質問に答えて言っているわけです。いろい

ろな説明や他のことも言いたいんですけれども、一番マスコミが取り上げるのは靖国参拝

ことでしょ。そういうのは、やめた方がいいと言っても聞かないですから、マスコミは。いつで

もこだわっているのはマスコミじゃないでしょうか、或いは、私に反対する方々じゃないでしょ

うか。そういうのも踏まえてね、これはいつ行っても同じだなと思いました。


【質問】 来月のご退陣の前に、直接、不戦の誓いと戦没者追悼の意で参拝なさっているん

だということを、中国、韓国の首脳と会って、理解を求めるためにご説明する意向はないの

ですか。

小泉総理】 今までの日中首脳会談、日韓首脳会談においても、その考えを伝えてあり

ます、何回でも。いつでも会えば、中国側が、韓国側が、靖国参拝するなと言えば、いつ

も、中国側、韓国側の考えと私は違うということを説明している、今、お話したような考えを

説明しております。これは平行線です外交カードにはしないと、一つの条件をつけられて、

これに従うか、従わないか、それで首脳会談をする、しないを判断するというのは、私はよろ

しくない
と思っております。私は、これからも中国、韓国と友好的に発展しようと、未来志向

でね、考えた方が良いんじゃないかということを、再三、申し上げております。この考えに変

わりはありません。


【質問】 今回は記帳されていますが、総理大臣の立場としての参拝ということでしょうか。

【小泉総理】 総理大臣である、人間、小泉純一郎が参拝しているんです。


【質問】 公式な参拝と受け取ってよろしいのですか。

【小泉総理】 職務として参拝しているものではありません。


【質問】 今回の参拝が、総裁選に与える影響についてはどのようにお考えですか。

【小泉総理】 それは総裁候補自体の考え方と、マスコミの皆さんが争点にしたがっている

面が強いですから、それいかんでしょうね。


【質問】 改めて、靖国神社に合祀されているA級戦犯の戦争責任については、どうお考え

になるか、お願いいたします。

【小泉総理】 それは戦争の責任をとって、戦犯として刑を受けているわけでしょう。それは

本人達も認めているし、それはあると思いますが、それとこれとは別です。何回も申し上げ

ているように、特定の人のために参拝しているんじゃないです戦没者全体に対して

哀悼の念を表するために参拝しているんです。
今、言った、主な3点靖国参拝批判す

る人、よく考えていただきたい。考えは自由です。

http://www.kantei.go.jp/jp/koizumispeech/2006/08/15interview.html

 

 

この「主な3点」を、おさらいして見よう。これは冒頭の靖国参拝への三つの批判として、

小泉総理が述べたものである。


(1)、
中国・韓国は不愉快
であると反発しているからやめろという意見。

どこの国でも意見の違いはあるもの。靖国神社の参拝をやめれば、アジア外交がうまくゆく

かと言うと、そんな事は無い。靖国神社参拝しようがしまいが中韓の文句は止まりま

せん。

されば日本が不愉快に思うことを、中韓は止めてくれるのか。決して止めてくれないでしょう。

(2)、A級戦犯が合祀されているから行っちゃいかんという議論。

特定の人に対して参拝しているのではない、それより圧倒的多数の戦没者の方々に対し

て哀悼の念をもって参拝している。それが何故いけないのか。多くの戦没者の方々に哀悼

の念を表す。二度とこのような苦しい戦争をさせてはいけない、そういう気持ちでの参拝が

何故いけないのか。


(3)、
憲法違反だから
靖国神社参拝しちゃいかんという人がいます。

参拝の趣旨は、二度と戦争を起こしてはいけないと、戦争に行って斃れた多くの戦没者

の方々、こういう方々の犠牲を片時も忘れてはいけないと言う事。日本で思想信条の自由

があります。

憲法第19条の思想及び良心の自由
はこれを侵してはならない、と記されている。

憲法第20条には信教の自由
は、何人に対してもこれを保障する、と記されています。

正に心の問題である。日本の首相が日本の施設にお参りする、お祈りする、これも心の

問題であり、憲法で保障されたものである。決して憲法違反ではありません

(続く)