C.強調せしむべき論調の方向 ①大衆の親中感情を全機能を挙げて更に高め、蒋介石一派との 関係は完全に断つ方向へ向かわせる。 ②朝鮮民主主義人民共和国並びにベトナム民主共和国との国交 樹立を、社説はもとより全紙面で取り上げて、強力な世論の 圧力を形成し、政府にその実行を迫る。 ③政府の内外政策には常に攻撃を加えて反対し、在野諸党の反 政府活動を一貫して支持する。特に在野党の反政府共闘には 無条件で賛意を表明し、その成果を高く評価して鼓舞すべき である。 大衆が異なる政党の共闘を怪しまず、これに馴染むことは、 在野諸党の連合政府樹立を許容する最大の温床となることを 銘記し、共闘賛美を強力になさしめるべきである。 土井とか福島など社民党は、中国の傀儡と思われる。 ④人間の尊重、自由、民主、平和、独立の強調 ここに言う「人間の尊重」とは、個の尊重、全の否定を言う。 「自由」とは、旧道徳からの解放、本能の開放を言う。 「民主」とは、国家権力の排除を言う。 「平和」とは、反戦、不戦、思想の定着促進を言う。 「独立」とは、米帝との提携の排除、社帝ソ連への接近阻止を いう。
中国でのこれらの言葉は、すべて共産党での尊重、自由、民主、平和、独立であり民主主義とは異なる。
共産党を最上位に置き尊重し、共産党の指示に従う自由、民主、平和、独立なのである。
2-2.テレビとラジオ
A.これらは、資本主義国においては「娯楽」であって、政府の
人民に対する意志伝達の媒介体ではない。この点に特に留意し、
「娯楽」として利用することを主点とすべきである。
具体的な方向を示せば、「性の解放」を高らかに謳い上げる
劇又は映画、本能を剌激する音楽、歌謡等は望ましい反面、
スポーツに名を借りた「根性もの」と称される劇、映画、動画、
または歴史劇、映画、歌謡並びに「ふるさとの歌祭り」等の
郷土愛、民族一体感を呼び醒ますものは好ましくない。
前者をより多く、後者をより少なく取り上げさせるよう誘導せ
ねばならない。
中国共産党は、マスコミをして日本人を軟弱にする道具と見ている。
B.テレビのニュース速報、実況報道の利用価値は極めて高い。
画面は真実を伝えるものではなく、作るものである。目的意識
を持って画面を構成せねばならない。
C.時事解説・教養番組等については、新聞について述べた諸点が
そのまま適用されるが、これは極めて徐々に、少しずつ注意深
くなされねばならない
したがって、NHKの中国鉄道の旅などにも中国共産党の息が掛かっている見るべきである。
2-3.出版(単行本)
A.我が国への好感、親近感を抱かせるものを、第一に取り上げさ
せる。風物写真集、随筆、家庭の主婦が興味を抱く料理、育児
所の紹介など、受け入れられ易いものを多面に亘って出版せし
める。
B.社会主義、毛沢東思想などに関する理論的著作も好ましい。
しかし、我が国の社会主義建設の成果、現況については、極右
分子の誹謗を困難ならしめるよう配慮させねばならない。
C.マスコミの主流から締め出された反動極右の反中国の言動は、
単行本に出路を求めているが、これは手段を尽くして粉砕せね
ばならない。
特に、社会主義建設の途上で生じる、止むを得ない若干の歪み、
欠点について、真実を伝えると称してなされる暴露報道を絶対
に放置してはならない。これらについては、誹謗、デマで両国
関係を破壊するものであるとして、日本政府に厳重に抗議する
と共に、出版社主、編集責任者、著者を告訴して根絶を期すべ
きである。
出版業界にも中国の手が回っていると見るべきだある。大江健三郎などはその先鋒であろう。
D.一般娯楽面の出版については「デンマークの進歩を見習え」と
して、出版界における「性の解放」を大々的に主張せしむべき
で、春画、春本の氾濫は望ましい。
E.単行本の出版についての今一つの利用法は「中間層文筆業者」
の獲得である。「中間層」とは思想的に純正左派、または右派
に属しない、中間の動揺分子を言い、「文筆業者」とは、凡そ
文筆を以て世論作りにいささかでも影響を与え得る者全てを言
う。
彼等に対しては或いは原稿料を与え、或いは出版の支援をなし
て接近し、まず「政治的・思想的立場の明快さを欠く」中間的
著作をなさしめ、徐々に我が陣営へと誘導する。
文筆業、出版業にも中国の手が伸びている。渡嘉敷島事件など最たるものだ。
沖縄の新聞社は完全に中国の手に落ちている。注意、注意!
2-4.本工作にマスコミ部を設けて、諸工作を統轄する
第3.政党工作
3-1.連合政府は手段
日本の内閣総理は、衆参両院の本会議で首班指名選挙を行って選出
される。両院で議員総数の過半を掌握すれば、人民の意志とは関係な
く、任意の者を総理となし得るのである。
1972年7月の現況で言えば、自民党の両院議員中、衆議院では
約60名、参議院では10余名を獲得して、在野党と同一行動を取ら
せるならば、野党連合政府は容易に実現する。
しかし、この方式を取るならば、社会党、公明党の発言権を益する
に留まり、且つ最大の単独多数党は依然として自民党であり、この
2点は純正左派による「日本人民共和国」成立へと進む阻因となるこ
とは明らかである。
自民党のみではなく、社会党、公明党、民主社会党もまた、無産
階級の政党ではなく、最終的には打倒されるべき階級の敵の政党で
あることを忘れてはならない。
本工作組に与える「民主連合政府の樹立」という任務は、日本解放
の第二期における工作目標に過ぎず、その実現は第三期の「日本人民
民主共和国」樹立の為の手段に過ぎない。
共和国樹立へ直結した、一貫的計画の元に行われる連合政府工作で
なければ、行う意義は全くない。
3-2.議員を個別に掌握
下記により国会議員を個別に掌握して、秘密裏に本工作員の支配下
に置く。
A.第一期工作組がすでに獲得したものを除き、残余の議員全員に
対し接触線を最少4線設定する。
B.上の他、各党の役職者及び党内派閥の首長、有力者については、
その秘書、家族、強い影響力を持つ者の3者に、個別に接触線
を最少2線設定する。
C.上の接触線設定後、各線を経て知り得る全情報を整理して、
「議員身上調査書」の拡充を期し、公私生活の全貌を細大漏さ
ず了解する。
D.右により各党毎の議員を「掌握すべき者」と「打倒排除すべき
者」に区別し、「掌握すべき者」については「連合政府の樹立
にのみ利用しうる者」「連合政府樹立より共和国成立に至る過
渡期においても利用し得る者」とに区別する。
ここに言う「打倒・排除」とは、その議員の党内における勢力
を削ぎ、発言権を低下せしめ、孤立に向かわせることを言う。
E.「掌握」又は「打倒」は調査によって明らかとなったその議員
の弱点を利用する。
金銭、権力、名声等、欲するものを与え、又は約束し、必要が
あれば中傷、離間、脅迫、秘している私事の暴露等、いかなる
手段を使用してもよい。
協力者の取り込みには、何をやってもよい、と工作員に強制している。
だから政治家の言動にも注意が必要だ。取り込まれているか、否か。
敵国の無血占領が、この一事に懸っていることを思い、いかな
る困難、醜悪なる手段も厭うてはならず、神聖なる任務の遂行
として、やり抜かねばならない。
(続く)