中国の不法で無法な夢(13)

その尖閣諸島を奪取するために、現在中国は小笠原諸島や伊豆諸島近海へ大量の中国漁船を出港させて、その予行演習をやっている。習近平は、沿海の漁船団に「日本の近海に行って珊瑚を取って来い」と、命令したに違いない。中国からは二千キロも離れている海域だ。燃料代だけでも馬鹿にならない額になろう。

 

きっと海上民兵の予行演習を兼ねているのであろう。習近平のほくそ笑む顔が目に浮かぶ。


安倍さんも習近平に、「戦闘機を掠めさせたり、サンゴ取りをやらせているのは、あなたの指示でしょう、早くやめさせなさい。」と嘯けばよかったのです。


 

【正論】サンゴ密漁の真の狙いは尖閣だ 東海大学教授・山田吉彦

2014.11.6 05:02

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海洋国家・日本に迫り来る脅威は、尖閣諸島周辺ばかりではない。小笠原諸島および伊豆諸島周辺海域に大量の中国漁船団が出没し、縦横無尽に動き回っている。目的は1キロ当たり150万円以上の価値がある赤サンゴの密漁のためだ。

 姿を現し始めたのは9月からだが、1030日に海上保安庁は、この海域に212隻の漁船が展開していることを確認した。漁船団は小笠原諸島父島からも見え、島民は恐れ、上陸などの不測事態に備え警戒態勢にある。また、漁業やホエールウオッチングなど観光産業への影響が懸念される。島民の生活を脅かす由々しき事態だ。しかし、海上保安庁水産庁とともに、5隻の船舶により密漁の警戒に当たるのが限界だ。

 密漁船は中国当局の関与?≫

 これほどの漁船団となると単なる密漁とは考え難い。中国から2千キロ以上も離れているため、燃料代だけで300万円ほどになる。また大漁船団で漁を行い過当競争になったのでは採算がとれないだろう。既に海保により密漁と検査忌避罪で5隻が拿捕(だほ)されているにもかかわらず、漁船団はなお出没海域を拡大し活動を続けている。

 さらに、存在を誇示するかのように地元漁船に近づいて来る。通常、中国の漁船団は基本的に中国海警局の管理下にあり自由に動き回ることはない。日本政府は中国側に密漁船の抑止を求めているが、中国側による密漁抑止の動きは消極的だ。むしろ、中国当局の関与を疑う。

 その伏線には、海保尖閣警備の強化がある。海保尖閣諸島警備のための専従チームとして600人の海上保安官12隻の巡視船を配備することを表明し、先日、2隻の新造警備船が石垣島に到着したばかりだ。

 中国は日本による尖閣諸島管理の強化を恐れ、日中首脳会談開催の条件のひとつとして、尖閣諸島における領土問題の存在を認めることを要求した。時を同じくして、海保の機動力を試すかのように、尖閣から離れた小笠原海域に大漁船団を投入したのであろう。

 ≪五島で起きた漁民不法上陸≫

 いかに海保が勢力を増強しても、大量の漁船を使った中国による攪乱(かくらん)への対処は難しい。実際に尖閣警備のために日本中から巡視船を交代で動員しているため、各管区ともに警備人員、装備ともに余裕はない。中国の要求を受け入れて尖閣の問題を認めなければ、日本の海を混乱に陥れるという脅迫行為とも受け取れる。

 中国は以前にも同様の手口を使っている。20127民主党政権尖閣諸島の国有化の意思を示した直後、五島列島の入り江に106隻もの漁船を侵入させた。この漁船には2千人以上の中国人が乗船していたと推測され、島民は中国漁民が上陸する可能性に怯(おび)えた。五島では、過去に中国漁民が不法上陸をしたことがあるのだ。しかし、警察、海保五島市役所は、監視体制をとることしかできなかった。現在の国内法においては、上陸を開始しなければ対応ができないのだ。

 仮に2千人が一斉に上陸を開始したら、島の警察官だけでは身柄を拘束することさえできないだろう。その後、野田政権は中国とのトラブルを避け、尖閣を国有化しても、何も利用しないという道を選んだ一因になったとも考える。

 ≪住民監視が行き届く整備を≫

 同様に小笠原近海に姿を現す中国漁船が、小笠原諸島のいずれかの島に上陸を開始しても阻止することはできない。また、海が荒れた場合、漁船団は緊急避難を名目に港に侵入し、不法に上陸することが考えられる。中には、海賊のように略奪をする者も現れかねない。無人島を占領勝手に拠点を作ることもあり得る。相手が漁民なので、対処するのは洋上では海保、陸上では警察の役目となる。しかし、海保、警察ともに離島において大量の不法入国者に対処する機動力を持たない。また漁民が武器を行使したとしても、すぐに自衛隊を動かすこともかなわないのだ。これがグレーゾーンだ。

 有事体制の整備は不可欠である。さらに有事に発展する前に対処する能力を持つことが重要だ。密漁漁船や不審船の対策において広範囲の監視と機動的な展開が可能な自衛隊と、警察権を持つ海保、警察の連携体制を作ることが必要であり、グレーゾーンに対応する法整備が求められる。

 根本的に日本の沿岸警備体制の見直しを進めなければならない。 既に、海保と海自はソマリア沖海賊対策において、自衛艦海上保安官が同乗し、法の執行に備えた連携体制をとっている。外国船の密漁に対しても、自衛艦海上保安官が同乗する施策をとれば、機動的に海洋警備を行うことが可能になるだろう。

 さらに、政府が進める地方創生の中核に離島の振興を置き、インフラや社会システムの整備を進めることで、住民による監視が行き届き、他国が侵入できない環境を作ることも重要だ。国家の総力を挙げて、島そして海を守る体制整備が急務なのである。(やまだ よしひこ)

http://www.sankei.com/column/news/141106/clm1411060001-n1.html

 

海上民兵の活動については、小生のブログの2012.8.15~16の「尖閣諸島問題その2(22,23)」でも詳しく述べているのでそちらを参照願いたいが、せっかくAPECでは習近平と会ったわけだから安部晋三首相は、中国海上民兵予行演習を止めさせる様に話したようだ。話したところで予行演習はすでに終わっているであろうが、言わないよりも早く言った方が良いことには変わりない。

 


日中首脳会談「大きな一歩」首相会見で意義強調

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 【北京=高橋勝己】安倍首相は11日、北京市内のホテルで記者会見し、中国の習近平(シージンピン)国家主席との初の首脳会談について、「両国が戦略的互恵関係の原点に立ち戻り、関係を改善させていくために大きな一歩を踏み出すことが出来た」と意義を強調した

 首相は首脳会談で、小笠原諸島沖などで中国漁船によるサンゴ密漁が急増している問題への前向きな対応を求めたことを明らかにした。さらに、「関係当局や閣僚レベルでの対話を積み重ねた上に、次回の首脳レベルの対話が見えてくる」と述べ、首脳会談の継続的な実現に意欲を示した。

 一方、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の首脳会合に関しては、「政治的リーダーシップにより早期に妥結させていく明確な意思を共有でき、出口が見えてきた」と手応えを語った。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/20141111-OYT1T50129.html?from=hochi


 

それと同時に山田吉彦氏も言っている様に、早急に日本の海を守る態勢を作り上げることだ。現時点ですぐにできることは、そこでも言っているように、「自衛艦海上保安官が同乗し、法の執行に備えた連携体制をとる」ことであろう。日本と安倍晋三首相の覚悟が必要だ。

 

習近平との首脳会談が出来たからと言って、浮かれていてもらっては困るのである。この首脳会談では「大きな一歩を踏み出すことが出来た」と言っているようだが、それは日本にとっての大きな一歩となるであろうか、はなはだ疑問が残る。

 

APECの直前に大量の中国サンゴ密漁漁船が現れた事も気になることである。きっと日中首脳会談への条件を有利にさせるための、日本への一種の心理的圧力だってのであろう。

(続く)