次世代エコカー・本命は?(57)

これらの超小型EVは簡易な乗り物だとしても、全天候型であったほうがよい。幸いi-ROADは全天候型であるが、いくら近距離用だといっても、少なくとも雨・風を防ぐことが出来なければ、長期的には使われないのではないのかなと危惧している。雨・風の強い日には使わなくても良い、または、使われないということでは、モビリティとしてはまったく無意味なものと化す。それでは宝の持ち腐れであり、まだまだ一工夫も二工夫も必要となろう。


近距離用途だと言っても、これからは全天候型の超小型EVが注目される様になるのではないのかな。このグルノーブル市に提供しているトヨタi-ROAD」は、初期型から次のようにモデルチェンジされたものである。

 

(1)2人乗り→1人乗り

(2)全幅拡大 2,350/850/1,445mm→2345/1455/1455mmホイールベース 1,700mm→1695mm

(3)最高速度45km→60km

(4)モーター出力2kw×2→1.9kw×2、但し日本国内で走るものは国交省規制のため0.295kW×2

http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1403/20/news107.html などを参照願う。)


ところで、欧米各社も小型EVを発表している。

 

先ず、すでに紹介しているようにアメリカのテスラロードスーモデルSは、紛れもないBatteryEVであるが、小型EVではない、でか過ぎる

      全長    全幅   全高

モデルS  4970mm  2187mm  ?

Crown3.5L   4895mm    1800mm  1450mm

 

テスラのモデルSを、トヨタのクラウン・アスリート 3.5L 2WD車と比べてみると、そのデカサがわかると言うもの。モデルSは、クラウンよりも一回りデカイのだ。しかもそのため450kgもの「18650」バッテリーをその床下に載せている。それでも年2万台前後も売れていると言うから、(きわ)物好きが多いと言うことか。

 

このテスラのバッテリーシステムにトヨタが興味を持ち、トヨタSUVRAV4に載せて加州で売り出したことは、ご記憶のことと思う。

 

このトヨタテスラの提携話は小生のブログ「番外編・プリウス急加速問題2010.5.28(41)~2010. 6.10(50)2011.4.21NO.80などで述べているのでそちらも参照願いたいが、小生はテスラの電池技術には「それほど革新的な技術は無いのではないか」と、そのNO.41ですでに述べている。だから早々に?トヨタテスラとの提携を解消したものと思う。

 

この提携解消話は当ブログの2014.12.8~9NO.10~11を参照願いたいが、トヨタテスラが共同で開発したRAV4EVでは、両者の技術者間で、相当な葛藤があったようだ。トヨタとしても、IT屋ならいざ知らず、これでは「車屋」としてはやってゆけない、と判断したのではないのかな。そして燃料電池車にも目鼻が付いたので、現在の提携に対してはきっぱりと?解消に至ったと言う経過かな。

 


2014
0823200011
電撃提携を結んだトヨタテスラの関係を終わらせた両社の文化的衝突とは


By Toyota UK
   RAV4EV_5186341469_bc738e8ddc_z   H s5nk

2010
、今や世界でもトップの自動車販売台数をほこるトヨタとアメリカ・シリコンバレーを拠点とする新興自動車メーカーのテスラは共同で電気自動車(EV)を開発して販売することに合意しました。その2年後には、トヨタの既存車をベースにしたEVである「RAV4 EV」が発売されることになり大きな注目を集めたのですが、2014にはテスラ共同プロジェクトを終了することを発表しています。両社の間でどのような問題があり、提携は解消に至ったのか、その詳細が明らかになっています。(http://response.jp/article/2014/05/19/223463.html

How Tesla-Toyota Project Led to Culture Clash by Opposites: Cars - Bloomberg
http://www.bloomberg.com/news/2014-08-07/how-tesla-toyota-project-led-to-culture-clash-by-opposites-cars.html
http://www.bloomberg.com/news/articles/2014-08-07/how-tesla-toyota-project-led-to-culture-clash-by-opposites-cars

2010
年、テスラモータースの会長兼CEOを務めるイーロン・マスク氏はトヨタ豊田章男社長を招き、同社が販売するテスラ ロードスターのドライブを楽しんでいました。豊田社長のフットワークの軽さを象徴するようなエピソードだったわけですが、両者は一気に意気投合。数週間後には両社の提携が発表され、トヨタテスラに対して5000万ドル(当時のレートで約45億円)を出資し、ちょうど閉鎖されることになっていたトヨタとゼネラルモータースの合弁工場だったNUMMI4200万ドル(38億円)で売却することを発表しました。(http://ja.wikipedia.org/wiki/NUMMI

さらに、両社はトヨタが販売していたRAV4テスラEV技術を搭載した電気自動車RAV4 EV」を共同で開発・販売することを明らかにしました。自動車業界の巨人が、自動車業界の中では最も新しい部類に入るスタートアップ企業と手を組んで車両を開発するという試みが関心を呼びました。実際に2社が共同開発したRAV4 EVは街を走るようになるわけですが、結果的にはトヨタテスラの提携は必ずしも「成功」と呼べるものではなかったとされています。

By Toyota UK RAV4EV_5186342293_786ba3e82d_z

提携の際に両社が設定した販売目標台数は2600台であったのに対し、実際に販売されたのは2000台を下回る約1900台というもの。これは、通常のRAV4に比べて2倍にも達する5万ドル(450万円)という価格がつけられたこと、そして販売エリアがカリフォルニア州に限定されたことが不振の原因だったとされています。

しかし、実際にその根底にあったのは両社のエンジニアの間に存在した摩擦であると当時の事情に詳しい人物は指摘し、夢あふれる提携のプログラムが急激に解消に向かったことを語ります。この一件以降、トヨタEVの開発からは距離を置くことになり、マスク氏が疑問を唱えている燃料電池自動車へとシフトする姿勢を見せています。

(続く)