次世代エコカー・本命は?(70)

電気自動車のゴルフ「eGolf」|Volkswagen


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CAR NEWS 2013.08.28

Volkswagen eGolfフォルクスワーゲン eゴルフ

量産型 EVゴルフ登場

ゴルフ7(七代目ゴルフ)をベースに、最高出力85kW115PS)、最大トルク270Nm27.5kgm)を発生する電気モーターを搭載し、約190kmの航続距離を持つ量産純EVモデル、「e-ゴルフ」がフランクフルト モーターショー2013912~22でワールドプレミアする。以前、ゴルフ6をベースとした「Golf blue-e-motion」が日本に上陸したさいにフォルクスワーゲンEV戦略についてはお伝えしたとおりだが、「e-up!」とともに、ドイツでの発売を前提にした「e-ゴルフ」の登場は、欧州モビリティの常識を変える可能性を持っている。

Text by SAKURAI Kenichi

 

(注、VWEV戦略とは、 (↑ http://openers.jp/article/14757
2012
6月の「eモビリティー戦略」のブレゼンと試乗会にて発表している。・・・IPCC2050年までの気温上昇は2℃以下にしないといけないという。それには自動車のCO2排出量を1/10にする必要がある。と言う事は燃費を10倍にする必要があると言うことではないか。それには現行のエンジン技術では不可能である。CO2を排出しないEVFCVが必要となる。そのために電気自動車EVの開発が必要である。・・・)

 

ドイツでの一般利用にあわせた航続距離

フォルクスワーゲンフランクフルト モーターショーにおいて、すでに公開を予告している同社初の量産EVe-up!(先に掲載済み、http://openers.jp/article/17190の発表と同時に、ゴルフの量産EVモデル「e-ゴルフ」もあわせてワールドプレミアする。

e-ゴルフ」は、通常のエンジンのかわりに最高出力85kW115ps)、最大トルク270Nm27.5kgm)を発生する電気モーターを搭載し、前輪を駆動する。0-100km/h10.4秒で達し、最高速度はリミッター作動により140km/hに制限されるが、これはe-up!130km/hにたいしてアドバンテージのあるパフォーマンスになっている。

搭載されるバッテリーは、24.2kWhリチウムイオン電池で、一回の充電における航続距離は190kmに達するという。この航続距離は、ドイツの都市部におけるユーザーの1日に走る平均距離が約50kmであるというデータから算出された。CCS充電ステーション(直流急速充電器)を使用すれば、30でバッテリーの80パーセントの充電が完了する。

(注、CCSCombined Charging System、普通充電と急速充電のコネクターを一体化)

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e-ゴルフ」には、“エコ”と “エコ+”の効率的なふたつの運転モードと、回生ブレーキを利用した自己充電に役立つ“D1”、 “D2”、 “D3”、そして“B”という4つの回生制動モードをそなえている。フォルクスワーゲン初となるデイライト兼用LEDヘッドライトや、駐車ヒーター、換気による自動温度調節器、無線ナビゲーションシステム、ヒーテッドフロントウインドウなども標準装備した。

参考までに、ドイツでの100km走行にかかる充電コストは、「e-up!」で3.02ユーロ、「e-ゴルフ」で3.30ユーロ(1kW/h当たり0.258ユーロ、2013731日現在)程度。単純にリッター何kmという日本式の燃費計算に当てはめることはできないが、1ユーロで約30.3km走行可能であり、しかもゼロエミッションの排出ガスフリーであることをあわせて考えれば、存在意義は高い。ドイツの一部都市で進めようとしている、大都市圏におけるゼロエミッションモビリティの施策に、ますます勢いがつきそうな気配である。

http://openers.jp/article/19206

 

VWは、地球温暖化対策のために、CO2を排出しないモビリティーの開発を目指している、と言っている。それが電気自動車の「e-up!」と「e-Golf」であり、燃料電池車「ゴルフ ハイモーション」である。燃料電池車については、2015.2.4NO.48で言及しているので、参照願いたい。


この燃料電池車の航続距離は、500kmと言うが、e-up!e-Golfなどの電気自動車はそんな訳にはいかない。

(続く)