次世代エコカー・本命は?(108)

そしてもう1つ、MQBで造られた車に関するもの。

 

ゴルフ・ヴァリアント MQBシャシーが馬脚を露わした・・・

2014-01-28

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http://web.volkswagen.co.jp/information/promotion/2014/122203/#/flash=e20ff794485c9256b4c5a7996108006b@Golf%20Variant%20R-Line  より挿入したGolf Variantの画像です。

  VWは確かにあまり好きなブランドではないけども、マツダスバルと並んでより良いクルマをドライビングフィールを損なわないことを第一に考えたクルマ作りは素直に評価したい。トヨタやホンダがハイブリッド(HV)燃料電池(FCV)などを大量に導入してドラスティックに「クルマ=公害」のイメージを変えようとする意図ももちろんよく分かる。どちらも勇気を振り絞って投資を行いクルマ社会をもっと良くしていこうという姿勢は十分に評価できる。今ではメルセデスBMWも慌てて日産トヨタに擦り寄ってでも、この動きに付いていこうとしてるくらいだ。

  これらのメーカーから出される最新モデルはどれも素晴らしくて、ブランドへの絶対的な信頼感からかプロの批評家の評価もやや過剰気味な気もしないでもない。中には足元をすくわれるような要注意モデルも見られる。鬼の首を取ったような言い方でやや恐縮だが、先日登場したゴルフ・ヴァリアントは目を惹く価格でその気になって契約してしまったあとで、ゴルフとはいろいろな点で異なるクルマだというのが後から露呈する(だろう)。こんなことならカローラフィールダーHVにしておけば良かった! なんてことにはならないだろうけど・・・toyo町の方が燃費は確実に上。

  そもそも「MQB」というシャシー開発システムに根本的に異を唱える人はいないのか? 5ナンバーのヴィッツと最高級ミニバンのアルファードを同じシャシートヨタも作っているけど、アルファードに驚異的な運動性能なんて誰も求めていないから、商品企画としては成立する。しかしVWは走りを重視する不特定多数のラインナップを一つのプラットホームで受け持つというシステムを作った。発想は子供のブロック遊びと一緒で、各部を必要な長さのモノに換えるという設計。もしポルシェ・パナメーラMQBで作られていたら批判は殺到するのだろうけど。

  日産栃木工場のように「V36スカイライン」「フーガ」「インフィニティQ50」「GT-R」「フェアレディZ」「スカイラインクロスオーバー」といった少量生産の高性能モデルのみを同一ラインで作ることはすでに行われている。けどゴルフのような大衆モデルをタイや中国の工場で集約生産するってどんだけコストに過敏なんだって思う。アジア生産となると販売の主役はポロだから1.2Lエンジン中心のラインナップでゴルフヴァリアントまで担当する。ゴルフと同じ2635mmホイールベースを使うヴァリアントだが、新たにMQBになった結果、予想以上の乗り心地の悪化が起きているようだ日産でもフェアレディZなどの出来に不満が起こっているようだ。コスト重視の生産方式はもちろん必要なのだけど、大きく傾倒しすぎると可哀相なクルマを生む結果に終わるのかも・・・。

http://d.hatena.ne.jp/cardriveg


 

そしてこの業界やマスコミもこのVWの「MQB」とトヨタの「TNGA」の先行きには、興味津々のようだ。


 

トヨタの改革「TNGA」とVWの「MQB」軍配はどちらに?

2014/08/24 06:03 by Avanti Yasunori

今年上半期(1‐6月)の世界販売で過去最高の5097000台を記録、3年連続で首位を堅持しているトヨタ自動車

同社は5日の決算報告会で2014年暦年の販売台数計画をアジア市場の情勢を踏まえ、当初計画から11万台減となる1,022万台(前年比+2%)へと下方修正しました。

TOYOTA

さらに2013年から3年間に渡って工場の新設を凍結。それまでの業績急拡大に伴う品質問題発生リーマンショック後の赤字転落への反省から、むやみに台数を追う事を止め、「もっといいクルマづくり」に専念すると宣言。

豊田章男社長は今期業績予想について「意志を持った踊り場」と位置付けており、「短期の業績に一喜一憂せず、研究開発投資など必要な事は1年かけてしっかり仕込んでいく」としています。

 

一方、2018年までに世界販売台数、収益性など総合力で首位を目指すVWは上半期にトヨタとの販売台数差を約3万台にまで縮めており、年内に1,000万台の大台突破を目指しています。

VW_Golf

ところが、こうしたVWの業績急拡大の裏でリーマンショック前のトヨタに似た歪みが生じているとの指摘が出始めているようです。

日経新聞が伝えるところによると、VWの主力車である「ゴルフ」で初めて適用した設計共通化手法「MQB(モジュラー・トランスバース・マトリックス)」が軌道に乗らず、設備の大規模更新などでコスト高を招いており、収益が悪化している模様。

(続く)