次世代エコカー・本命は?(112)

ハイブリッド車は世界で頭打ち

トヨタハイブリッド車販売台数が世界で20149月までで、
累計700万台を超えました。

2014
年の1年間では国内で100万台を超え、海外では20万台を
販売したと推定されています。

国内で販売されたハイブリッド車7割がトヨタ製で、海外
でも同じようなものだった。

そして全世界のハイブリッド車販売の7割ほどは日本で販売された。
逆に言えば海外ではハイブリッド車は売れていない。


まずハイブリッド車を購入する人の動機の多くは、お金を節約
したいので燃料代を減らしたいという事でしょう。

ところがハイブリッド車は海外では新車でしか購入できないので
既存のガソリン車の中古を購入したほうがトータルでは安い。

それにアメリカやカナダ、ロシアのような広大な直線が続く
道路ではハイブリッドもガソリン車も、燃費があまり変わらない。

道路が渋滞していて、停止と発進を繰り返すような道で最も
恩恵を受ける。

日本でハイブリッドが受けている理由の一つは、自動車を10
以上使用する人が少ないので、5年落ちの中古車を買うと
使用できる年数が最大5年しかない。

これだと新車のプリウス8年か10年使ったほうが安くなる。


次世代から脱落した電気自動車

もう一方のエコカーの本命(だった?)電気自動車、EV
どうだろうか。

日本ではハイブリッド車の人気に押されて、電気自動車
売れていません。

日産リーフプリウスPHEV、三菱アウトランダーPHEV
を合計しても年間2万台といったところでした

PHEVとは自宅のコンセントから充電できるハイブリッド車
の事です。

世界で最も売れているEVの日産リーフ4年間で20万台
を販売したそうでEVの世界記録でした。

しかしハイブリッド車に比べると約10分の1の市場に過ぎない。
前評判が高かった三菱アウトランダーPHEVは国内で
年間1万台に達しませんでした。

PHEVを含む電気自動車勢は次世代エコカーとしては
敗れ去ったと言える。

こうなった原因は比較的はっきりしていて、ユーザーから見て、
燃料代を差し引いても電気自動車値段が高いこと。

そして電気のみで動くリーフは日常で使いにくい

電気自動車の値段がハイブリッド車と同じにならないと
大衆車としては売れないでしょう。

こうしてガソリン車、ハイブリッド、PHEV・電気自動車
の情勢を見渡すと、世の中の人々は単に値段で選んでいる
のが分かる。

4000万台を販売した普通のカローラ
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未来のない「ミライ」

ハイブリッド車がガソリン車ほど売れないのは値段が高い
からですし、電気自動車はハイブリッドより高いので売れない。

世界の国の殆どは日本人より購入予算が少ないので、もっと
シビアにコストを比較します。

予算が少ない人はハイブリッド車ですら買わない。

世の中の人は『地球のため』ではなくお金で選んでいるという
当たり前の事なのでした。

したがってガソリン車<ハイブリッド車電気自動車という
価格の関係が変わらない限り、販売台数の比率も変わりません。

では現在華々しく報道されている燃料電池車」水素自動車
についてはどうでしょうか。

車両価格が「たったの700万円」でしかも、政府の補助金
500
万円で購入できると言っている。

燃料の水素は政府の補助金と非課税政策のお陰でガソリンと
同じ値段になっている。

しかしユーザーの立場で「商品」として考えると、こんな物
電気自動車以下で実用性は今のところゼロです。


まず初代ハイブリッドのプリウスの値段は215万円でした。
補助金なしでこの値段は世界に衝撃を与えた。

高すぎると不評だった日産リーフ376万円、国の補助金
284
万円の価格でした。

これと比較して水素自動車「ミライ」の700万円は論外と言える。

しかもこの車はカローラ水素版でしかなく、高級車でも
スーパーカーでもない。

珍しさと企業の宣伝需要が一巡すれば、売れなくなる。
トヨタ「ミライ」に未来があるとは思えないのです。

マスコミや評論家は技術とか革新性とか言いますが、世界の
殆どの人は「値段だけ」で自動車を選んでいる

であれば現行ガソリン車より安くなる見込みの無いシステムは
何であれ次世代自動車」には絶対になれません

世界の大多数の人が求めているのは、要するに普通の値段で
購入できるカローラやゴルフです。

http://thutmose.blog.jp/archives/19892866.html

(続く)