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ならず者国家・中国、アレコレ!(19)

人民元の上昇余地乏しく

 企業収益低迷の副作用として、人民元のドルに対する上昇余地が乏しくなっていることも指摘しておきたい。輸出の伸びが鈍化していることから分かるように、元高は少しずつ中国の輸出競争力をそいでいる。2005年夏の管理変動相場制への移行後、元は対ドルで2割以上も切り上がった。

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 企業業績の不振は雇用や労働者の所得を通じて中国経済に大きな影響を及ぼす。ただ、個人消費への波及にはタイムラグがあるうえ、都市化という後押し要因もある。今後の中国経済の動向を見定めるには、個人消費がどこまで持ちこたえるかを丹念に見る必要があるだろう。

(構成:張 勇祥)

http://business.nikkeibp.co.jp/article/research/20120913/236752/?leaf_ra

 

まあ投資も減り、消費も減ってゆくので、景気は下降してゆく。中国共産党政権はリーマンショックの後、4兆元(57兆円)もの景気刺激策を施したので、景気はすぐには下降してゆかずに、場合によっては上昇することもある。更には必要なところに金が回らずに、いびつな状態もあるのではないのかな。

なんと言ってもに4兆元(57兆円)よる過剰投資による過剰設備・過剰在庫が問題なのであろう。

 

国民所得は、国内消費と投資だけではなく輸出入も絡むので、更に複雑となる。輸出入には為替相場も絡むので、更に(人民元)相場も影響してくることになる。景気は誠に複雑である。


ついでに消費を増やすためには、一般的に言って企業の給与水準を上げてゆけば、それだけで(消費性向が一定とすれば)増えた分の給料の消費性向分だけは増えることになる。また見通しがよいと判断すれば、消費性向自体を増大させることになるかも知れないのである。消費が増えれば、GDPも増えることになる。政府が来年の給料を上げてくれ、と言っているのは至極当然のことであり、企業減税を進めようとしていることは、先に言及した企業の投資意欲を高めたいためでもある。勿論技術開発投資も投資であり、技術開発の推奨にもなるのである。

 

二つ前に紹介した論考では

 

「中国の政府系シンクタンク中国社会科学院は先日、2015年のGDP成長率が7%前後になるとの予測を出した。」

 

と言う文言がある。中国の経済成長は7%を切る、と予想しているようだ。しかし7%前後でもかなり高い成長である。これは政府側の目標値であり、おいそれとそれ以下になりそうだ、などとは口が避けても言えないことはよく判る。

 

しかし現実はそんなには甘くない。中国の経済成長は既にそんなに高いものではないのではないか、と言った議論が出てきているようだ。

 

先に言及したPHPの雑誌・Voice10月号には、津上俊哉氏の「総力特集 どん底の中国経済 グローバル・リスクに備えよ」と言う寄稿文がある。

 

これによれば、中国のほんとうの成長率は五%以下、だと言っている。

 

次のグラフを見てほしい。

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このグラフは、先のPHPの雑誌・Voice10月号には、津上俊哉氏の「総力特集 どん底の中国経済 グローバル・リスクに備えよ」に掲載されていた「1 比較的「正直」な経済統計が示す中国経済成長の低下」と言うグラフを、簡易的に数字を拾い表計算ソフトを使ってそれをグラフに置き換えたものである。

(続く)