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ならず者国家・中国、アレコレ!(47)

以下は筆者と某氏と筆者の会話である。

筆者:では、人民に対する中国共産党の統治能力が低いと人民が思っているだろうと、中国政府が思っていることになるのだろうか?

某氏:いや、そういうわけではないが、しかし、やはり腐敗問題とかいろいろあって、共産党政権が権威を落しているのは確かだ。だから習近平は必死で腐敗撲滅をしている。でも……。

筆者:でも、求心力? 中国共産党の求心力がすでに落ちているということですね?

某氏:いや、そういうわけではないが、人民が不満を持っているのは確かだ。逆に、中華民族の夢と誇らしさを人民に与えてあげないと……。人民はそれを欲しがっている。

筆者:そのような目的のために、抗日戦争を利用してほしくない! 日本国民の気持ちを考えたことはあるのか? こういうことをすれば、日本人は反感を持つだけだ。それに、結局、日本もアメリカもヨーロッパの先進諸国も軍事パレードどころか記念行事そのものに参加しないのだから、結局、習近平はメンツを無くしただけではないか? 軍事パレードの提案など、しない方が良かったとは思わないか?

某氏:それは否定できない面も、ないではない……。

筆者:だったら、抗日戦争記念日に軍事パレードをやったりしないで、国慶節にやれば良かったのではないのか?

某氏:いやいや、国慶節の閲兵式は10年ごとだから、2019まで待たなければならない(中国語では軍事パレードと言わずに閲兵式と言う)

筆者:それまで待つと、台湾総統選挙問題に間に合わないということではないんですか?

◆もう一つの本音は来年の台湾総統選挙

某氏:えっ?! まるで政府内部のようなことを言うんだね。

筆者:それくらい分からなくてどうしますか? 来年の総統選挙で民進党が勝ちそうだから、台湾独立を主張したときには、中国は反分裂国家法により武力を行使するという威嚇をしているんでしょう?そのために、台湾に大陸の軍事力を見せつけて、「独立を主張したりするなよ。そんなことをしたら、遠慮しないぞ」と威嚇している。そうではないんですか?

某氏:そこまで分かっているのなら、もう、何も言うことはない。日本を対象としているのではないことだけは本当だ。

以上が、某中国政府関係者との実際の会話だ。

台湾に関しては813日のコラム「中国の軍事パレードは台湾への威嚇」で分析した。

今般の取材を通して、その時には見えてこなかった中国の内心が見えてきた。

欧米諸国は、よくぞ参加しない選択を選んだものである。その見識に敬意を表する。

わが日本国の安倍首相は、一時、軍事パレード以外の抗日戦争勝利70周年行事に参加する可能性があることを中国側に伝えていたようだ。途中から国会日程のために「行かない」と表明したが、危ないところだった。

安倍内閣は、もっと中国の真意を研究しなければならないのではないだろうか。

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遠藤誉東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士

1941年中国生まれ。中国革命戦(国共内戦)を経験し1953年に日本帰国。東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会科学研究所客員研究員・教授などを歴任。著書に『毛沢東 日本軍と共謀した男』『卡子(チャーズ) 中国建国の残火』『チャイナ・セブン <紅い皇帝>習近平』『チャイナ・ナイン 中国を動かす9人の男たち』『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』『チャイナ・ジャッジ 毛沢東になれなかった男』『完全解読 中国外交戦略の狙い』『中国人が選んだワースト中国人番付 やはり紅い中国は腐敗で滅ぶ』『中国動漫新人類 日本のアニメと漫画が中国を動かす』など多数。

http://bylines.news.yahoo.co.jp/endohomare/20150827-00048863/

 

 

日本を対象としているのではないことだけは本当だ。などと言っても、中国は「尖閣諸島は古代から中国のものだ、沖縄もそうだ、その内に中国のものにする。」と言っているから、あの軍事力を使えば、中国はいとも簡単に南西諸島なんぞはものに出来る、と日本は戦々恐々としている。

 

だからたとえそう(日本を対象とはしていない)であっても、まずそうであるとは思うものの、心構えは必要である。なんと言ってもそれまでは「尖閣諸島は中国のものではなく、日本のものだ」と言っておきながら1972にそこに石油が埋まっていることがわかった直後に、「尖閣は中国のものだ、日清戦争で日本に盗まれた」などと作り話を吹聴しだしたことを、我々日本人は忘れてはいけない。

 

遠藤誉氏もそのことは十分に承知しているが、中国通の遠藤誉氏としては、事実は事実として尊重する立場なのだ。この軍事パレードは、先ず第一が台湾向け二、三がなくて第四位が国内向け、そして第五位が日本や米国などへ向けたものである。全く台湾だけに向けたものだとは考えられない。

 

あれだけのことを単に台湾への威嚇だけで行ったとは、到底思えないのだ。

 

だから二、三がなくて、と言う事はお世辞で入れただけで本音は、二位が日本・米国向け、三位が国内向けなのだ。ひょっとしたら一位が日本・米国向けなのかもしれない。

 

中国人民抗日戦争勝利および反ファシズム戦争勝利七十周年記念式典」の名称がそのことを明確に物語っている。あの軍事パレードは、だから、日本向けではないなどと思うほうが間違っている、のではないのかな。日本にも向けたものである、と思うほうが正しいのであろう。

 

序ながらその「中国の軍事パレードは台湾への威嚇」もみてみよう。

(続く)