ならず者国家・中国、アレコレ!(55)

ここでもこのパレードが捏造だらけだと言う事がわかる。日本は中国共産党軍とは一切戦っていないのである。もともと「抗日戦争」と言う言葉自体が間違いであるのであるが、「抗日戦争当時の様子」などと言うのは蒋介石国民党軍が表現するのであれば、百歩譲って仕方がないこととしてもよいが、人民解放軍がやるのは捏造以外の何物でもない。

 

そこまでしても、中国共産党政権はやりたいのだ、そうでもしないと共産党への求心力がゼロとなってしまうので、習近平としてもやむを得ないのである。

 

だとしたら日本はこのいわゆる「抗日戦争」と言うものの真実を世界に、中国全土に流布させる必要がある。

 

抗日戦争を戦ったのは、米英軍に援助された蒋介石国民党軍が戦ったもので、共産党軍は一切日本軍とは戦っていない。もっぱらこそこそと逃げ回っていた軍隊だったのである。

 

それでも習近平は「抗日戦争」に勝利したと人民に宣伝している。勝利したのは米英軍なのだが、そうでもしないと貧乏な中国人民が共産党政権に対して、反旗を翻さないとも限らないのだ。

 

だから大金を投じてまでして、軍事パレートを実施して人民を納得させざるを得ないのである。

 

習近平は中国の膨大な貧乏人を救うよりも、多大な金を使って軍事パレードを行う方が好きなのである。自身の基盤は強固なのだ、と言う事を巷に喧伝できるし、それが貧乏な中国人にも自信を与えるものだと、勘違いしている。まあ自信で腹がふくれるのであれば、この上ないことであるが。

 

多数の貧困人口を抱える中、なぜ軍事パレード?中国紙「13億の中国人にさらなる自信を与える」

20150902

2日付の中国紙・新聞晨報は、抗戦勝利70周年記念の軍事パレードを実施することについて、「13億の中国人にさらなる自信を与える」と報じた。
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記事は、農村を中心に多数の貧困人口を抱える中、軍事パレードの実施は労力や金の無駄遣いであり、単なる見栄のためではないかとの疑問が上がっていることについて、「国民全員が貧困から脱却するまで、国は大きな行事を一切開催してはいけないのか」とし、「普通の人でも祝い事には金や労力を使う。ましてや抗戦勝利70周年という国の盛大な祝い事である。冷静に考えれば、価値ある投資だ」と指摘した。

その上で、「軍事パレードは国民全体に対する貴重な歴史教育になる。わが軍の強大な装備、わが軍の威力を示し、中国の国際影響力を見せることは13億中国人に国の未来に対するさらなる自信を与える」としたほか、「外交上の意義も軽視できない。今回の軍事パレードは間違いなく中国の名刺になる。この名刺を通じて、中国の抗戦における貢献と地位、中華民族の平和を守る決心と実力を全世界に知らしめることになる」とした。

(編集翻訳 小豆沢紀子)

http://www.focus-asia.com/socioeconomy/photonews/427792/

 

中国には多数の貧困人口が存在しているので、このような膨大なコストと時間をかけて軍事パレードなんぞをやっている暇はないぞ、と言った意見が出るのも当然である。しかしすぐに「中国の未来に自信を与える」なんぞと言う正反対の意見も飛び出している。「自信を与える」ことによってその貧乏な層が、少しでも豊かになれるのであればそれに越したことはないのだが、共産党政府が多額の金を使って、経済対策や福祉対策をやらない限り多くの貧乏人は豊かにはなれないことは確かだ。だから日本を震え上がらせるために多額の金を使ってしまったが、その幾分かでも社会福祉に回せば貧乏人は大分豊かにはなったことであろう。

 

要はバランスの問題であるが、独裁国家ではそのバランス取りが出来ないのだ。

 

当分の間、中国ではこのジレンマは続くと見なければならない。しかも中進国の罠にはまっているから、なお大変である。

 

しかも政治・外交上の問題も山積している。

 

中国にとっては、台湾ほどウェイトの高い問題はない。

それに比べれば、日本の存在など、二の次、三の次なのである

 

と言う台湾問題ほど中国にとってクリティカルでシビアなものはない。

 

2016.1.16の台湾の総統選挙は、民進党の「蔡英文」氏が勝利した。

 

民主進歩党民進党)は、台湾独立を旨とする政党である。習近平にとっては、この上ない目の上のたん瘤となった。

 

習近平にとっても、蔡英文にとってもお互いにむつかしい舵取りを迫られることになるのだが、もともとこのことは中国にとっても予想されていたことなので、そのためわざわざその日にアジアインフラ投資銀行AIIB開業式典をぶつけている。少しでも蔡英文旋風を和らげたかったと見える。

(続く)