ならず者国家・中国、アレコレ!(56)

【台湾・総統選】台湾と国交持つ国を「いつでも奪い取れる」 中国紙社説、蔡氏当選を牽制 「民衆が独立支持したわけではない」

2016.1.17 15:54

 台湾独立志向の最大野党、民主進歩党民進党)の蔡英文主席が当選した台湾総統選について、中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報(電子版)は16日深夜、社説で「民進党が勝ったが、台湾の民衆が台湾独立路線を支持したわけではない」と指摘、蔡氏をけん制した。

 社説は、民進党政権が独立色を強めた場合、中国側には「多くのカードがある」とした。一例として、台湾と外交関係のある一部の国々も中国と国交を結ぶことを希望しており、その気になればいつでも断交させ「台湾への懲罰として奪い取る」ことができるとした。

 17日付の中国紙の多くは、蔡氏をけん制する中国当局の談話を伝えた国営通信・新華社の記事を掲載した。目立った独自の評論などはなく当局が規制したとみられる。各紙とも16日に北京で行われた中国主導のアジアインフラ投資銀行AIIB)の開業式典1面で大々的に報道。台湾総統選はおおむね小さい扱いだった。(共同)

http://www.sankei.com/world/news/160117/wor1601170026-n1.html

 

【台湾・総統選】日本大使に中国の立場説明 外務次官補 あらためて「一つの中国」強調か

2016.1.17 22:06

 北京の日本大使館によると、中国の孔鉉佑外務次官補は17日、木寺昌人駐中国大使と外務省で会談し、独立志向の最大野党、民主進歩党民進党)の蔡英文主席が勝利した16日の台湾の総統選結果や中台関係について中国の立場を説明した。

 中国は台湾問題への外国政府の関与に神経をとがらせている。詳しいやりとりは不明だが、日本に対し安倍晋三首相とも関係が近いとされる蔡氏の当選を受けて、あらためて「一つの中国」などの原則的立場を説明したとみられる。

 木寺氏は孔氏に対し「台湾に関する日本の立場に変わりはない」と表明したという。(共同)

http://www.sankei.com/world/news/160117/wor1601170051-n1.html

 

 

この中台関係に関する中国からの説明は、日本だけにしたものであろうか。

 

たぶん日本は1894~5年の日清戦争で勝利し、台湾を日本領としてその近代化に精を出し、そのため台湾もいち早く近代化できたのであるが、そんなこともあって現在でも日台関係はまずは良好である。中国にとっては、蔡英文氏の台湾と日本がさらに緊密になることは、防がなくてはならない政治問題なのであろう。だから支那中国台湾一つの中国なのだ、などとわざわざ言いに来たものであろう。

 

確かに「一つの中国」で「一つの台湾」なのであろう。「一つの中国」は、もちろん支那中国である。

「台湾に関する日本の立場に変わりはない」と言う事は、こんなことも含んでいるのではないのかな。

 

台湾の総統選挙で民進党が勝利したことは、中国にとってはまことに都合の悪いことである。馬英九と培ってきた中台の緊密な関係は、ぎくしゃくするかもしれない。2015.11.7にはシンガポールで、習近平はその馬英九と中台の歴史上初めて首脳会談も開いていたのである。習近平のメンツ丸つぶれ的状況である。

 

当然そこでは「一つの中国」的なことは、話し合われていたことであろうから。蔡英文民進党は、台湾の独立を志向する政党なのであるから、今後の中台関係は注視してゆかなければならない重要事項となった。

 

焦点:南シナ海より「台湾問題」、独立派圧勝で警戒強める中国

20161190806

 1月17日、中国にとって台湾問題は、敏感さと重要度の点で他のいかなる領土問題にも勝るものだ。写真は台湾総統選で、民進党蔡英文主席が当選との暫定結果に喜ぶ支持者。台北で16日撮影(2016年 ロイター/Damir Sagolj

 

 [台北 17日 ロイター] - 東シナ海南シナ海の領有権問題をめぐり、すでに強硬姿勢を強めている中国にとって、台湾問題は、敏感さと重要度の点で他のいかなる領土問題にも勝るものだ。

 16日に投開票された台湾の総統選挙では、台湾独立を志向する最大野党民主進歩党民進党蔡英文主席が与党国民党候補らに圧勝し、当選を果たした。8年ぶりに政権交代が行われることとなる台湾は、アジアで最も敏感な安全保障問題の1つとして、再びスポットライトを浴びることになる。

 1949年に中国共産党との内戦に敗れた国民党が台湾に逃れて以来、中国は台湾を自国の神聖な領土と主張している。台湾の推定によれば、中国は数百発のミサイルを台湾に向けており、台湾を支配下に置くための武力行使を放棄してもいない。

 当時の台湾国防部は定期的なものだとしたが、中国は昨年9月台湾海峡で異例の実弾演習を実施している。

 「彼女(蔡氏)は中国政府の非常に現実的な指導者を相手にすることになる」と、国立台湾大学の朱雲漢・教授は指摘する。

 しかし同時に蔡氏は、自身の支持者、特に急進的で独立を志向する若い世代に対して責任を持たねばならない。「そのことが彼女に戦略的な余地をあまり与えない」と朱教授は語る。

 2008年親中である国民党馬英九が政権の座を握って以降、通商や観光で協定を締結するなど中台関係はかつてないほど緊張緩和が進んでいた。

 蔡氏率いる民進党は、再び緊張をもたらすことにはならないと主張するのに苦心しているようだ。蔡氏は勝利宣言で中国問題について触れ、平和の維持に努めるとしたうえで、台湾の権益と主権は守ると語った。

(続く)