第10期総統(2000~2004)は、国民党は分裂したため李登輝の後継者の連戦は敗北し、民主進歩党の陳水扁が第10期総統に就任する。そのころ李登輝は台湾独立の精神的な指導者となっており、台湾独立派の民進党との関係を深めてゆく。そして2003.9月には「もはや中華民国は存在しない(独立した台湾があるの意か?)」などと発言し、台湾独立意思を鮮明にする。2004年の第11期総統(2004~2008)選では、支援した民進党の陳水扁が再選されている。
第12、13期総統(2008~2016)は、国民党の馬英九、そして第14期総統(2016.5.20~)には、民進党の蔡英文が就任することになる。
と言った具合で中華民国の大統領(総統)は、入れ替わっている。
孫文→袁世凱→蒋介石ときて、中華民国・台湾の基礎はこの蒋介石が作ることになる。
蒋介石→蒋経国(蒋介石の息子)→李登輝(国民党、離党)→陳水扁(民進党)→馬英九(国民党)→蔡英文(2016.5.20~、民進党)、と言ったところ。
このように台湾の総統は替わってきているが、台湾の現状は2014.3月のひまわり運動などにもみられるように、馬英九の中国との距離感への危惧が、台湾市民に多く芽生えていたものと思われる。
また韓国での台湾出身の美少女アイドルの中国側からの政治的圧力による謝罪事件なども、台湾市民の中国への嫌悪感を醸成したものと思われる。その結果中国色の強い国民党候補への忌避感が醸成されたものと思われる。
簡単に、台湾総統選挙の解説記事で、検証してみよう。
時論公論 「台湾総統選挙 8年ぶり政権交代の意味」
2016年01月20日 (水) 午前0:00~
加藤 青延 解説委員
先週末に投開票が行われた台湾の総統選挙では、台湾の独立志向が強いとされる最大野党、民進党が8年ぶりに政権を奪還し、初の女性総統が誕生する運びとなりました。そこで、台湾の政権交代が持つ意味について考えてみたいと思います。
【VTR:台湾の総統選挙の結果】
今回の選挙戦は、事実上、民進党の蔡英文主席と、与党国民党の朱立倫主席との争いとなり、蔡英文主席が圧倒的な強さを見せて当選を果たしました。
(蔡英文候補ON「勝利の弁」)
一方、与党国民党は惨敗し、朱立倫氏は主席を辞任することを明らかにしました。
こちらがその選挙結果です。蔡英文主席が689万票あまりを獲得。朱立倫主席に300万票あまりの大差をつけて圧勝しました。
(スタジオ)
台湾では、今回、総統選挙と並行して、議会にあたる立法院の選挙も行われました。
こちらの方も、歴史的な変化が起こりました。
改選前は、定数113議席のうち、与党国民党が64議席と過半数をしめ、民進党との間には大きな開きがありました。ところが、今回の選挙の結果、国民党は35議席に激減し、逆に民進党は68議席と大幅に躍進し、史上初めて単独で過半数の議席を勝ち取ったのです。
(スタジオ)
どうして野党だった民進党がここまで強くなったのか。それを知るためには、逆に、どうして国民党が、ここまで弱くなってしまったのかを考える必要があります。
▼ひとつには、支持母体の弱体化があげられます。これまで国民党の支持母体は国共内戦の後、大陸から渡ってきたひとたちが中心でした。しかし、世代交代が進む中、そうした人たちの影響力は次第に衰退し、もともと数の上では多かった地元台湾生まれの人たちの発言力が強まったのです。いま台湾では、自分は中国人ではなく台湾人だと意識する人が圧倒的に多いと言われています。
▼選挙前に国民党の内部に亀裂が走り、一枚岩になれなかったことも大敗の理由の一つと言えそうです。特に総統選挙では、当初別の候補者を選び、選挙が始まる2か月前に、朱立倫主席に候補者を選びなおすというドタバタ劇もありました。
▼そして何よりも、馬英九政権がここ8年間、進めてきた対中国傾斜政策に対する人々の反発があるのではないでしょうか。
(続く)