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ならず者国家・中国、アレコレ!(60)

蔡英文主席は、「これまでの協議・交流の成果も基礎にする」と表明したとこのNHKの解説には記述されており、その”基礎にする”の意味の中には「92コンセンサス」も含まれるのではないかと言う論調であるが、小生にはそう思われないのである。

 

これまでの協議・交流の成果も基礎にする」と言う事は台湾としては、今までの台中交流は続けるが、台湾は台湾であり支那中国ではないので「92コンセンサス」には組しない、との意味を言外に含んでいるように感じられたのである。

 

現状がそうである以上、それが現状維持政策なのではないのかな。即ち、交流はするが台中は別の国である、と言うのが現状であり、それを維持してゆくという意識ではないのかな。

 

もともと民進党は、台湾の独立志向が強いとされる最大野党である。その民進党の党首である蔡英文主席が、中台は一つであることを意味する「92コンセンサス」を認めるはずがない、と言うのがその理由の一つである。

 

もう一つの理由は、”いま台湾では、自分は中国人ではなく台湾人だと意識する人が圧倒的に多いと言われています。”と記述されているように、蔡英文の多くの支持者は台湾で育ったこのような台湾人が多く、中国寄りの馬英九政権の政策に反発した人たちである。だから台中は一つ、と言う事にはならないのであり、なれないのである。

 

彼らは「ひまわり学生運動」に賛同して、大規模な集会やデモを起こしている。

 

ことの起こりは2014.3.17、台湾立法院での台中間のサービス分野の市場開放を目指す「サービス貿易協定」の審議を時間切れを理由に打ち切ったことから始まったものである。

 

審議打ち切りに反発して、2014.3.186:00pm頃から反対デモが発生し、同9:00pm過ぎに学生デモ隊300名超が立法院議場内(日本でいう国会議事堂内)に進入し議場を占拠した。

 

デモ隊には一般市民数万人も合流して抗議活動を繰り広げ、民進党もその動きに歩調を合わせて抗議活動は拡大していった。

 

この抗議活動により議場の他に行政院も占拠され、実に2014.4.10までの3週間も立法院は学生たちに占拠された。「サービス貿易協定」の審議は、学生たちが要求する立法院の監視機能を定めた「両岸協議監督条例」が法制化されるまで行われないこととなり、この結果、立法院の占拠はようやく解放されることになった。

 

この混乱で馬英九総統の支持率は10%前後にまで低下したと、wikipediaには記載されている。

 

ついでにwikipediaによれば、この「海峡両岸サービス貿易協定」は、中国側が金融や医療など80分野、台湾側が運輸や美容など64分野を市場開放する協定で、台中間の政治問題上の懸念や台湾の中小企業へのダメージの大きさなどが懸念されたことが、デモや占拠の原因である。

 

この2014.3.18から起こったひまわり運動は、2014.11.29統一地方選挙へも大きな影響を与えている。この統一地方選挙では、国民党が大敗して馬英九国民党主席は責任を取って主席を辞任している。

 

当然このひまわり運動は民進党に有利に働いた。2016.1.16の総統選と同時に実施された立法院(国会)選挙でも、民進党過半数の議席を獲得したが、このひまわり学生運動の若者たちが設立した「時代力量」と言う政党は五名議席を獲得している。

 

 

もう一つ、台湾総統選に影響した事件に言及しておきたい。それは、「周子瑜(ツゥイ)事件」である。

 

周子瑜(ツゥイ)と言う台湾出身の16才の少女は、韓国で「TWICE」と言うガールズユニットのアイドルとして活動しているが、韓国のテレビ番組でユニットのメンバーがそれぞれ自国の国旗を紹介するシーンが報道された。

 

周子瑜(ツゥイ)は台湾出身なので、当然台湾の国旗・「青天白日旗」を持って登場している。

 

しかしこのことに対して中国から「ツゥイは台湾の独立を支持している」と批判が殺到したのだ。新浪微博などは、そのことで大騒ぎとなった。その結果「TWICE」は中国での活動が出来なくなる可能性にまで発展してしまった。

 

そのため「周子瑜(ツゥイ)」は、2016.1.14、謝罪動画をYouTubeに投稿して「中国と台湾は一つであり、私の行動は過ちであり、深くお詫びします。」と謝罪したのだ。

 

このため、台湾では「中国の圧力で屈辱的な謝罪となった。謝罪は必要ない。」などと周子瑜(ツゥイ)を擁護する意見が蔓延した。この結果台湾人の怒りは、親中的な馬英九国民党へ向かう事となり、国民党が大敗する一因にもなったと言われているが、さもありなんと思われる。

 

下記のネット記事なども参考にされるとよい。

 

台湾人少女に謝罪を強要。中国が致命的な墓穴を掘った台湾総統

http://www.mag2.com/p/news/140955

 

 

この「周子瑜(ツゥイ)」の謝罪に対して、中国側では中国共産党御用新聞の「環境時報」が、「台湾独立に反対する大陸側の勝利だ」などと評したと言うが、それこそが全くの大間違いだったことになる。このことが台湾人の「台湾意識」に火をつけてしまった。その結果国民党への拒否感が増幅して、民進党の躍進となったものである。

(続く)