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続・次世代エコカー・本命は?(13)

こうしてみると、ホンダのエコカーの主力はもちろんFCVであるが、当分の間はPHVEVにも注力しなければならない。何といっても加州の2018ZEV対策には、かかりっきりにならざるを得ないであろう。だから既にFCVは最優先課題から外されている、ものと思われる。FCVは、量的な制約のため、全面的にZEV対策車になりそうでなり得なかったのではないのかな。だからPHVEVの開発にも、力を注がなければならない事態となったものと思われる、と憶測している。

 

GMとの共同開発のFCV2020年に発売などと、サラッと言っているところを見ると、ホンダのFCVはこれが本筋のものと感じられるのである。現在のクラリティ フュエル セルは、ある意味、かりそめのものではないのかな。このプラットフォームはPHVが主力となるものと思われる。

 

ただSmart Hydrogen Station なども開発しているので、FCVに執着しているのは確かな事ではあるのだが。

 

 

 

ホンダFCVは「普通のクルマ」になれるか
新プラットフォームはPHVと共通化、量産効果を高める

2016315日(火)島津 翔

 

「クラリティ フューエルセル」を発表したホンダの八郷隆弘社長(写真:AP/アフロ)
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 「その質問については(パワートレイン統括責任者の)三部(敏宏執行役員)がしっかりお答えします」

 ホンダが310日に開いた燃料電池車(FCVクラリティ フューエルセル」の発表会。八郷隆弘社長は報道陣からの質問に対して、こんな台詞を何度も使った。狙いたかったのは「技術のホンダ」をきちんとアピールすることだ。

 FCVの発売という点で、ホンダはトヨタ自動車から1年以上遅れをとっている。この1年をどう取り返すのか。ホンダの戦略は、FCVを使い勝手で「普通のクルマ」にすること。そのための技術を三部氏は強調した。

 前身モデルに当たる「FCXクラリティ」と比較して、燃料電池スタックを33%小型化。独自のパッケージング技術によって、燃料電池パワートレインをボンネットの内側だけで収めた。ホンダによればこれは「世界初」の技術だ。「V6エンジンが載っている全てのクルマに、技術的には(燃料電池パワートレインが)載せられることになった。次にどのような車種に積むのが良いか、具体的にはこれからだ」(三部氏)。

 パワートレインを小型化したことで、5人乗りの室内空間と大きな荷室を確保。水素タンクを大型化したことで、一回の水素充填で750kmの走行距離を実現した(トヨタ「ミライ」は650km)。

ボンネット内に収めたクラリティの燃料電池パワートレイン ホンダFCVimg2

 販売価格は766万円(税込み)。国や自治体からの補助金を利用すれば、実質500万円程度で購入できる。ホンダはまず自治体や企業向けのリース販売を開始した。国内販売は年間200を目標としている。個人向けの販売は「1年強~1年半後を考えている」(営業担当の峯川尚・専務執行役員)。



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GMとの共同開発もコスト削減に寄与

 「普通のクルマ」にするためにまず必要なのは、コストダウンだ。ホンダはクラリティの開発の初期段階から、プラットフォームを将来投入予定のPHVプラグインハイブリッド車)と共通化することを決めていた。当面は栃木県高根沢町の生産企画統括部で少量生産するが、個人向け販売開始を機に、国内の他工場へ生産を移管する方針だ。

 八郷社長はプラットフォーム共通化についてこう説明する。「数が揃わないとコストは下げられない。エンジンルームの共通化が課題だった。今回の進化の一番大きな点はそこだ。ガソリン車も含めたプラットフォームの作り方も考えなければならない。(パワートレインの)大きさはガソリン車と同じくらいになってきた。次のステップは量産に向けた技術をどうつくるかになる」。

 ゼネラル・モーターズGMと進める燃料電池の共同開発もコストダウンに向けて重要になる。現時点で、共同開発の対象は、燃料電池スタックのシステムと高圧タンクだ。

 三部氏は「GMと組んだ大きな理由は台数。目指すべきは数万台規模だ。次の世代は相当進化するだろう」と言う。2020年に市場投入予定の次世代FCVでは、GMとの共同開発によるパワートレインとなる。

 もう一つの課題は、インフラだ。

 「世界で一番進んでいる」(三部氏)とされる日本国内でも、水素を充填する水素ステーションの整備は国が描く目標に対し遅れている。ステーションは現在、全国で80カ所。国は2015年度内に100カ所を目標としていたが、届きそうにない。しかもステーションは、東京、名古屋、大阪、福岡の4大都市圏に集中していて、地方部では使い勝手が悪い。

八郷社長「北米で2018年にEVを投入

 ホンダはFCVの発売に合わせて、インフラ面の技術開発も進めている。20149には岩谷産業と共同開発したコンテナサイズの小型パッケージ水素ステーションSHS)を埼玉県の「さいたま市東部環境センター」に設置した。

 クラリティの発表会では、「作る」「使う」「つながる」というコンセプトを強調した。ホンダは4大都市圏以外の地域に向けて、SHSの販売も促進する。実際に、クラリティの発注があった自治体からの引き合いがあるという。

ホンダが岩谷産業と共同開発したスマート水素ステーション ホンダSHSimg3

 ホンダの八郷社長は2月に開いた会見で、2030までに電動車の割合をグローバルで3分の2に引き上げる目標を明らかにした。EV電気自動車)やFCVといったゼロ・エミッションが15PHVHV50%強となる。

 八郷社長はPHVを主力に位置付けるが、EVFCVの戦略の方向についても言及した。

 「FCVでは今の(ガソリンエンジンの)クルマに望まれていることがだいたいできる。日本、欧州、北米が中心になる。中国がキーになるが、まだ難しい。EVは航続距離がどれくらい伸びて使い勝手がどれくらい向上するか。短い距離を走るコミューター的な乗り方になるのではないか。米国はZEV規制(販売台数の一定割合を排ガスゼロにする規制)があるので、2018年ごろからEVを投入したい。日本や欧州、中国での検討もしなければならない。FCVEVはすみ分けが進んでくるのではないかと思っている」

 電動車に関して、他社に比べ影の薄かったホンダ。FCVをようやく発売したとはいえ、「普通のクルマとして」本格普及のはまだまだ先。PHVEVの投入時期や戦略が、電動車時代の競争力を左右することになる。

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(続く)