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続・次世代エコカー・本命は?(17)

 次に、中規模自動車メーカー8社の燃料電池関連特許件数を2に示します。企業グループを形成している企業については、企業グループとしての特許件数も併せて示します。

 

2:中規模自動車メーカー6社の燃料電池関連特許件数(クリックで拡大)※出典:Espacenet
FCV
特許IVMl_km_fcv1_2

 

 2から、韓国の現代自動車HyundaiダイムラーDaimler以外の中規模企業にとって、FCVの自主開発までへの道のりは遠いものと推察されます。そこで、自動車メーカーが提携先候補とするであろう、著名な燃料電池企業の特許件数を3に示します。

 

3:著名燃料電池企業の燃料電池特許件数(クリックで拡大)※出典:Espacenet
FCV
特許BaLDl_km_fcv1_3

 

 いずれの企業も、FCVへの取り組みが後発となっている自動車メーカーには、魅力ある特許件数となっています(関連記事:固体酸化物形燃料電池(SOFC)技術〔前編〕SOFC開発競争の動向を知財から読む)。

 

バラード特許が核となるVW

 20152月には、フォルクスワーゲンVW)グループのアウディAudi)が、バラード(Ballard)の燃料電池特許を購入しただけでなく、2019年までの共同技術開発契約を締結したことが報じられています15

15Audiニュースリリース「Ballard Power Systemsの燃料電池特許を購入」(2015211日)

 そこで、VWグループ(VolkswagenAudi)のバラード燃料電池特許購入によって生じると思われます仮想VWグループ(VolkswagenAudi、そしてBallard)の燃料電池特許件数を4に示します。

 

4VWグループとバラードの燃料電池特許件数(クリックで拡大)※出典:Espacenet
FCV
特許VWl_km_fcv1_4

 

 4を見ると、VWグループのアウディAudi)が、バラード(Ballard)の燃料電池特許を単純に購入しただけでなく、2019年までの共同技術開発契約を締結したという理由が理解できます。また「VWグループとしてバラードの燃料電池特許を利用する」ということも必然といえるかもしれません。

     ◇     ◇     ◇

 では、ZEVに関する2018年からの規制により「ハイブリッド車HVEHV)主体から変革を迫られるトヨタ」と「EVElectric Vehicle電気自動車)主体で現状維持が可能な日産」の事業戦略には、どのような差が現れるでしょうか。〔後編〕では、それぞれの自動車メーカーの事業戦略と、インフラ企業の取り組みについて紹介します。

 

(この間一部省略)

筆者紹介

mhfpro_profile.jpg菅田正夫mhfpro_profile

菅田正夫(すがた まさお) 知財コンサルタント&アナリスト (元)キヤノン株式会社

sugata.masao[at]tbz.t-com.ne.jp

1949年、神奈川県生まれ。1976東京工業大学大学院 理工学研究科 化学工学専攻修了(工学修士)。

1976キヤノン株式会社中央研究所入社。上流系技術開発(a-Si系薄膜、a-Si-TFT-LCD、薄膜材料〔例:インクジェット用〕など)に従事後、技術企画部門(海外の技術開発動向調査など)をへて、知的財産法務本部 特許・技術動向分析室室長(部長職)など、技術開発戦略部門を歴任。技術開発成果については、国際学会/論文/特許出願〔日本、米国、欧州各国〕で公表。企業研究会セミナー、東京工業大学/大学院/社会人教育セミナー、東京理科大学大学院などにて講師を担当。2009キヤノン株式会社を定年退職。

知的財産権のリサーチ・コンサルティングやセミナー業務に従事する傍ら、「特許情報までも活用した企業活動の調査・分析」に取り組む。

本連載に関連する寄稿:

2005年『BRI会報 正月号 視点』

2010年「企業活動における知財マネージメントの重要性-クローズドとオープンの観点から-」『赤門マネジメント・レビュー』9(6) 405-435

http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1504/02/news001_5.html  

 

 

 

これを見ると、トヨタの特許件数が抜群に多いことが分かる。だからトヨタFCV一本にかけていることがよくわかる。だからどこよりも早くFCVの市販を始めることが出来たものと思われる。

トヨタの次にはホンダの特許件数が多いので、2016.3.10にリースだがFCVトヨタに次いで発売していることも頷ける。

 

 メーカー  特許件数(Grp件数) Grp企業→FCV市販・同予定時期

1.トヨタ  10,545件          →2014.12.15市販開始

2.ホンダ  5,522(6,763)、ホンダ・GM2016.3.10リース販売開始2017年末市販予定

3.日産   4,942(7,139)、日産・ルノー,Daimler,FORD→2017年市販予定

4.現代   1,791件           →リース販売中

5.Daimler 1,484(7,139)、 日産・ルノー,Daimler,FORD

6.GM 1,241(6,763)、 ホンダ・GM2017~2020年実用型市販予定

7.VWgrp 192 (1,147)VWAudi・バラード→2020年市販予定

 

2014.12.26の「次世代エコカー、本命は?」NO.24より、一部抜粋している。)

(続く)