2011年には米国でのVWの現地生産が始まり、一千万台達成にはアメリカでの販売増がどうしても必要と考えられていたものと推察する。
VW、ディーゼル排出ガス不正問題の原因が米国での事業拡大方針にあったと告白
By Autoblog Japan Staff RSS feed
2015年12月14日 07時00分
フォルクスワーゲン(VW)グループは、排出ガス不正問題の調査に関する長文の声明を発表し、この問題の主な原因が、米国でディーゼル車事業を拡大しようとしたことにあったと告白した。米国のオーナー向けに車両の改修作業を始める時期は、残念ながらまだ明確にされていない。VWは今回、不正に関与した疑いのある9人の幹部を停職処分にした。
VWが依頼した米国のジョーンズ・デイ法律事務所の外部調査員は、今回発覚した不正問題の原因を引き続き調査しているが、初期段階の調査によると、問題は2005年に始まっていたことが分かったという。ちょうどこの時期、VWは米国でディーゼル・モデルの販売を拡大しようとしていたが、決められた予算と時間内ではEA189型エンジンを米国の窒素酸化物(NOx)の排出基準に適合させることができなかった。そこでVWは、予算内でこの基準を満たすために「ディフィート・デバイス(無効化装置)」と呼ばれる不正ソフトウェアを作成したという。
またVWは、その後NOxの排出量を削減する有効な選択股が見つかったにもかかわらず、それを採用しなかったことも認めた。一方、問題のソフトウェアは、実路走行時より排出ガス検査中の方が多くの尿素水溶液「AdBlue(アドブルー)」を噴出できるようになっていた。
欧州では該当ディーゼル車の改修計画がすでに承認されているが、NOxの排出基準が厳しい米国ではまだその段階に至っていない。VWは声明文の中で「同じ1つの排出ガス対策で全排出ガス規制に適合するような車両に改良することは、大きな技術的課題」と述べており、問題解決に向けて引き続き米国環境保護庁(EPA)とカリフォルニア州大気資源局(CARB)と協議するという。自動車メディア『Automotive News Europe』によると、VWのマティアス・ミューラーCEO(上の写真)は、規制当局との取り決めはここ数日から数週間のうちに決着がつくかもしれないと示唆したそうだ。
VWは今後、独立した第三者機関から排出ガス検査の評価を受けるようにすると共に、実路走行時の排出ガスを評価する無作為テストも導入する予定。さらに、このような不正が二度と起こらないよう、検査や認証の過程における監視を強化するとのことだ。詳細はVWの声明文(英語)をお読みいただきたい。(http://www.autoblog.com/2015/12/10/vw-blames-us-diesel-scandal/)
By Chris Bruce
翻訳:日本映像翻訳アカデミー
http://jp.autoblog.com/2015/12/13/vw-blames-us-diesel-scandal/
そして更には、VWはスズキの要求に対してディーゼルエンジンの供給を、認めなかった。そのためスズキはやむを得ずかねてより友好関係にあるFiatから、ディーゼルエンジンを調達した。VWとしては違法なソフトウェア(defeat device)を搭載したディーゼルエンジンを、おいそれとはスズキに供給できなかったのではないのかな。
そして鈴木修会長の堪忍袋の緒を切ったのは、VWがスズキを持ち分法適応会社(子会社)として2011年の年次(2010年用)報告書に記載したことであった。これも、VWとしてはスズキの台数を、一千万台の内数に入れ込む算段だったのではないのかな。
そのためスズキは2011.9月に提携解消を申し入れ、VWに拒否され更にはFiatからのディーゼルEG調達を契約違反だと通告されたことを受けて2011.11月にロンドンの国際仲裁裁判所に提訴したものであった。
まあ何か悪いことをしていると、ことほど左様に事の成り行きは悪い方へ悪い方へと流れてゆくものとみえる。
結局ロンドンの国際仲裁裁判所は2015.8.29に、スズキ勝訴(?)の決定を下した。勝訴と言う表現が適当でないかもしれないが、仲裁内容は「(1) 包括提携の解除を認める。(2) VWの保有するスズキ株の売却を命ずる。(3) VWが主張していたスズキの技術関連の契約違反について一部認め、損害賠償も含め引き続き審議する。」と言うものであった(2015.8.31日経新聞)。
これを受けて、2015.8.30の「スズキ、VWとの資本提携解消を発表」となったわけである。
2011.11月に提訴して通常では2年で結論が出るようなのだが、この裁定は結論が出るまでに4年近くも掛かっているが、これもVWがあることないことその裁定に横やりを入れて邪魔をしたようだ。
鈴木修会長は、「結果が出るまでちょっと長かったかなと思うが、非常にすっきりした。満足している。仲裁を申し立てた最大の目的を達成できた。」と述べている(2015.8.31日経新聞)。
これで今後スズキの動向が自動車メーカー再編の台風の目となってゆくのであろう、と言う事はさておいて問題はVWの排ガス不正問題である。
(続く)