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続・次世代エコカー・本命は?(37)

さて話を戻そう。

 

19821GMからトヨタに親書が届いているので、「ゼネラル・モーターズGM)社から提携の打診があった」と言う事になるが、さてスズキとGMの話に戻そう。

 

このスズキ・GM資本提携関係は先の年表で表したように、GMの経営不振と金融危機により終止符を打つことになる。スズキにとってGMとの提携関係は、それなりに居心地の良いモノであり、提携解消はかなり心残りのものであったに違いない。

 

しかしそれならそれで、その間に次の30年間に必要な技術の習得は、叶ったであろうか。

スズキは1998年にGMの出資比率を10%に高めているが、その前年の199712に量産型ハイブリット自動車のプリウスが販売されている。そのキャッチコピーは「21世紀に間に合いました。」と言うものであった。すでに安全環境問題が自動車業界にも芽生えていたのである。遡った見れば199511月の第31回東京モーターショーには、そのプロトタイプが参考出品されていたのであるから、軽量化、燃費など車として環境への配慮は自動車メーカーとしては、必須事項となりつつあったわけである。

 

従って19982000年のGMの出資比率を高めることに対して、GMからハイブリッド技術や燃費がらみでのディーゼルを含む排ガス対策技術などエコカー関連技術の供与を受けるべきであったのではないかと、今にしてみれば、思われるのである。

 

まあGMにそんな技術はなかったかもしれないが、そうであれば、スズキの今の展開とはかなり異なったものとなっていた、と思われるのである。VWなどと関わらずに済んだかもしれないのだから。

 

しかし1998年の両社のニュースリリースには、そのような話は一切見られないのは残念なことであろう。

 

 

 

1998.9.16
スズキ株式会社
ゼネラルモーターズ株式会社



スズキとGM 提携関係強化で合意



 スズキ株式会社(スズキ)とゼネラルモーターズ株式会社(GM)は、これまでの業務提携関係を全世界的規模で一段と強化することで合意した。

 スズキとGMは1981年8月の提携以来、スズキのGM向け小型車の開発・供給、南米・コロンビアなどのGM工場におけるスズキ車のKD生産・販売、1986年にはカナダでの合弁会社・カミオートモーティブ社の設立、そして、本年(1998)5月には欧州における新しい小型車の共同開発に合意するなど着実に成果を上げてきた。

 このように順調に拡大してきた実績を踏まえ、スズキとGMはイコールパートナーとして、アジア市場も含めた全世界的規模で、両社の特徴ある経営資源を最大限に利用し、相互に補完しあい発展することで合意したものである。

 今回の合意は、自動車産業グローバル化が急速に進展し、ますます競争が激化してきたなかで、次の通り戦略的同盟関係を築き、一層の提携強化を図ることを目的としている。

 

●両社は、相互の利益向上を実現するため、それぞれの海外子会社の資産と能力を最大限に活用する。

 

●スズキは、GMの商品ラインのうち、小型車分野の車両・パワートレインのデザインおよび開発を担当する。それ以上の車両については、GMの資源を活用し、商品開発投資の効率化を図る。

 

●両社は、お互いに先端技術・開発情報を交換しあうと共に、新たなビジネスチャンスの拡大のため共同で研究・調査を行う。

 

 尚、関係および競争力の強化を図るという両社の意図を表明する象徴的な方法として、GMがスズキに追加出資を行うことも合意された。現在GMはスズキの株式を3.3%保有しているが、スズキが新株3,360万株を発行し、GMがこれを引き受け、既に所有している株式1,470万株と合わせ、約10%のスズキ株式を保有することになる。

 

http://www.suzuki.co.jp/release/d/d980916.htm

 

 

ここで述べられている戦略的同盟関係とは具体的には、両社の販売網の活用と小型車開発に関するものだけであった。先端技術の共同研究と言う項目があるが、多分に具体的なものはなかったのではないのかな。GMは出ししぶったかもしれないが、スズキは安全環境技術の取得を提案しておくべきだったのではないのかな。スズキ修社長は、スズキ全社からGMとの提携に関して30年先を考えたそのアイディアを提案させるべきであったのではないのかな、そうすればもっと良い提携関係を築けた筈だ。

 

そうすればGMとの提携解消と同時にVWなどと提携する必要はなかったのではないのかと思われるのである。

 

しかもアメリカではSUZUKIのブランドでの販売ではなかったので、米国市場ではスズキの名前はすぐにも消え失せている。GMの販売網に乗せたのは、GMSUZUKIであり、スズキのSUZUKIではなかったのだ。

 

 

 

老練スズキの危機感、GMからフォルクスワーゲンへ鞍替えの真意

高橋 由里 :東洋経済 記者

20091218

 

老練スズキの危機感、GMからフォルクスワーゲンへ鞍替えの真意

したたかな転身である。スズキは、米ゼネラル・モーターズGM)に代わる提携先に、欧州最大手のフォルクスワーゲンVW)を選んだ。2006年にGMから買い戻した金庫株19.9を第三者割り当ての形でそっくりVWに譲渡。経営に大きな混乱もなく、販売台数でトヨタ自動車を抜く世界最大の自動車企業グループに名を連ねることになった。

昨秋から世界を襲った自動車危機にも、スズキは他社に先駆けて在庫圧縮を進め、コストも絞り上げて赤字転落を免れた。販売台数230万台は独立独歩を貫いていいレベルにある。それでも「開発分野では後れをとっている」という不安は、鈴木修スズキ会長を静かに苦しめていた。

その点、VWハイブリッドカー電気自動車は実用化が目前の段階にあり、エコカーに欠かせない高性能電池でも三洋電機東芝などの供給先を確保している。9の提携発表会見で鈴木会長は「車体軽量化でも力を借りたい」と貪欲に期待感を表した。

死守する独立路線

2社とも小型車を得意とし「同じような大きさで、同じような大きさのエンジンを搭載した車を造っている。部品共通化による大量生産のメリットは非常に大きい」(鈴木会長)という判断もあったようだ。普及車の1台当たり粗利は知れている。大量生産・販売ができて初めて経営が成り立つのが自動車ビジネス。似た車がなかったGMとの提携と今回は、その点が決定的に異なる

しかも、出資比率19.9なら、スズキはVW連結化されない。当然、役員派遣もない。スズキ側もVW株を最大2.5%持つ計画で「VWとはイコールパートナー。(将来)ドイツから経営者を迎え入れなければならないほど、うちはヘボばかりじゃない」と牽制してみせた。

ただスズキを手放したくないVW側が株買い増しに乗り出す可能性は否定できない。「何もVW12番目(正確には11番目)の子会社になるわけじゃない」。会見では鈴木会長はこうも強調したが、VWからは資本関係拡大を否定するコメントは出なかった。

対するVWは大満足だろう。欧州の自動車業界では今、「ダウンサイジング」が全盛となっている。小排気量のエンジンにターボ(過給器)を付けて出力を引き上げる方式で、とりわけ積極的だ。長年2リットルが主流だったゴルフは1.4リットルへ、ポロは1.4リットルをさらに1.2リットルへ小型化された。9月の独フランクフルトモーターショーには、燃料1リットルで100キロメートル走行を目指す超低燃費車「L1を発表している。

ダウンサイジング競争が激しくなる中で、「小さな車をなるべくコストを下げて造るのが持ち味」(鈴木会長)であるスズキという存在は、VWの目にかつてなくまぶしく映っていたはずだ。

VWはそのうえ、スズキのインド事業も間接的に手に入れることになる。VWシュコダブランドで参入しているものの、シェア5割の王者スズキの足元にも及ばない。ヴィンターコルン会長は「VWはアジアで大きく前進する」と満面の笑みで語った。

2000年代には世界販売が400万台ないと生き残れないという「400万台クラブ」構想のもと、業界に合従連衡ブームが起きた。だが、ダイムラークライスラーの合併解消や、ピーク時1000万台に迫ったGMの破綻は「規模が大きくても、1車種40万~50万台の寄せ集めでは立ち行かない」(日系メーカー首脳)という教訓を残した。

自動車業界に精通する中西孝樹アライアンス・バーンスタイン株式調査部長は「今後はまずVWがスズキから低価格車の供給を受けるのではないか。スズキのOEMビジネスが急速に拡大する可能性がある」としたうえで、「トヨタ1人勝ちに見えていた業界に、トヨタに対抗するスーパーパワーが生まれた。競争の構図が変わる」と指摘する。減産地獄を見た業界に、新たな企業統合モデルの芽は吹くのか。歴史が注目している。

http://toyokeizai.net/articles/-/3428?page=

(続く)