続・次世代エコカー・本命は?(62)

スズキはトヨタと提携交渉の真っ最中の筈である。詳しくは?、2016.6.6NO.46以降の当ブログを参照願いたいが、と言っても詳しいことは何もわかっていないのだが提携交渉に入っていることだけは確からしい。

 

その最中での、スズキの燃費測定方法の不正が明らかになった、と言うわけだ。燃費そのものをよく見せようとした三菱の軽自動車の燃費不正とは根本的に異なると、スズキは防戦一方であるが、トヨタとの提携交渉には何某(がし)かの影響はあったはずだ。

 

鈴木修会長は、早速、言い訳会見を開く。

 

 

スズキ燃費不正「組織がなっていなかった」 会長が会見

山本知弘 榊原謙 内藤尚志

2016610016

写真・図版会見する鈴木俊宏社長(右から2人目)と鈴木修会長(左から2人目)=31日午後、東京・霞が関、小玉重隆撮影
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 燃費不正問題で2度目の会見を開いたスズキ。報告内容からは、法令を守る意識が薄く、チェック機能も働かない組織の体質が浮かび上がった。対象車の燃費はカタログ値より良かったとして販売は続けるが、5月の軽自動車の販売は前年より18%減った。組織の立て直しと信頼回復は急務だ。

 鈴木修会長は会見で「組織がなっていなかった」と述べ、会社が組織として機能しなかったことを認めた。担当社員に法令を守る意識が薄く、チェックする役割を持つ部門もまったく機能しなかった。

 スズキによると、不正の始まりは2010年に欧州で認められている方法を転用したことだった。担当者は違法性を感じつつ、「欧州で認められているからいいだろうと」(笠井公人・四輪技術本部長)不正を始めたという。現場の担当者がやり方を伝え合う中で前例踏襲で広まった。

 開発担当部門カーラインの上司も、データを確認する法規認証部もまったく気付かなかった。法規認証部は社内調査に「自分たちが関知しないところで進んでしまった」と答えたという。本田治副社長は「法規認証部が参加しなくても業務が進んでしまう欠陥があった」とした。

 鈴木会長は「各部門がやるべきことをやっていれば不正はなかった。『まあやれや』とやってしまったのが、不正につながった」と反省した。経営責任については「再発防止のために全力をあげたい」とし、役員報酬の減額などを含め、近いうちに結論を出す考えを示した。(山本知弘)

http://www.asahi.com/articles/ASJ5051F2J50ULFA01Y.html

 

 

組織がなっていなかった」と言っているが、肝心なことはどのようになっていなかったのか、と言う事ではないのかな。スズキの社内では既にそのための改革に着手されていると信じたいが、組織がなっていない原因として、自分自身にもその責任の一端があると言う事を、鈴木修会長はわかっているのかな。

 

簡単に言ってしまうと、鈴木修会長の一言で何もかもが、組織を超えて動いてしまうと言ったことが、往々にしてあったのではないのかな。「無理が通れば道理が引っ込む」状態ではなかったかな。

 

無理とは鈴木修の注文、道理とは組織力、と言ったところか。それが当たり前になると、普通の組織の力学が効かなくなってしまう、と言う事ではないのかな。

 

法規認証部もまったく気付かなかった」と言っているように、すでに法規マターが法規認証部の認証なしに進んでしまっていた様だ。たとえ法規認証部を通過してもメクラチェックどころか、チェックなしに単なる手続き業務部署に成り下がっていたのであろう。

 

きっとスズキの法規認証部を通さなければならないことは、これとこれ、またはこのようなマター、としっかり決まっていた筈だ。そして法規認証部として行う事、行わなければならない事、なども決まっていた筈だ。更にはそれ以外にもそのようなことが関係部署が決まりにのっとって粛々と行われているかのチェックと言うか監査と言うか、そんな業務が最も主要な業務ではなかったかな。特に法規マターは、法規に則って各部署の業務がやられているかを確認することが、最も重要事項なのではないのかな。

 

「組織がなっていなかった」と言う事は、こんなことではなかろうか。それはそれで対策をやってゆけばよいのだが、もう一つ肝心なことが漏れているように、小生には、感ずるのであるが。

 

 

 

それは「各部門がやるべきことをやっていれば不正はなかった。」ことが、なぜ出来なかったか、と言う事だ。法規認証部がきちんと仕事が出来なくても、各部門がしっかりと法規通りの仕事が出来ていれば、問題は起こらなかった筈だ。特に法規マターは、それだけでも重要なものであるので、担当者、担当部署、関係職制は、普通それだけでは目くじらをたてる筈だ。

 

担当者は違法性を感じつつ、「欧州で認められているからいいだろうと」不正を始めた」とのことであるが、関係者やその上司は疑問を持たなかったのであろうか。または、スズキにも定期異動はある筈なので、その部署へ移動してきた人、特に移動してきた職制はそのことをどのように扱ったのであろうか。

 

きっと疑問をもって関係者や関係部署と話し合ったことなどはあったのではないのかな。これが人命に関わる欠陥問題であったのなら、きっと会社を挙げて対応していったはずだ。法令を守る意識が薄く、と言っているが、このことが最も大切な事の一つなのではないのかな。日頃からのそのような仕事の進め方が、なっていなかったと言う事ではないのかな。これはある意味人間系に属する事柄となる。人間教育、一般的に人材育成と言っているが、まともな人間をいかに育ててゆくか、と言う事に尽きるのではないのかな。

(続く)