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続・次世代エコカー・本命は?(108)

同じようなことはトヨタもやっている。トヨタはこの5年間で10億ドル(約1200億円)を投資して、AIなど自動運転がらみの研究開発を始めている。米カリフォルニア州パロアルト市に「トヨタ・リサーチ・インスティテュート(TRI」を設立し、200名超の人材を確保すると言っていた。2016815日のNO.86~を参照願いたいが、カー・メーカーでは今やCO2や燃費などの「環境対策」だけかと思っていたら、「自動運転」や「コネクテッドカー」などの開発にシャカリキにならざるを得ないようだ。

 

これには相当の金が掛かる筈だ。異業種との交流・連携やカーメーカー同志の連携・再編が進まざるを得ないであろう。グーグルやアップル、マイクロソフトなどのソフトウェア企業や電気・電子機器関連企業などの参入が、顕著になってこよう。

 

従っていわゆる中堅カーメーカーなどは、当然一社だけでこの変革への対応は、きわめて難しくなるのではないのかな。

 

マツダトヨタは特に対象を定めずに業務提携を発表しているし、今回の日産による三菱自動車の支配なども、それへの対処の表れであろう。この場合は日産もさることながら、三菱自から進んで日産の軍門に下る感じとなったものではないのかな。

 

これで日本の自動車メーカーは、トヨタ、日産、ホンダの3グループに集約されることになるのではないのかな。

 

 

(12)トヨタは変わったか?

 

昨年のトヨタ燃料電池車「MIRAIの話題でそれなりに賑わっていた。FCVミライは2014.12.15に発売されている。世界初の量産型燃料電池である。2015年の年間販売台数は700台と発表されていた。年間700台と言う事は、一日当たり3台の生産になる。それほどFCFuel Cell燃料電池)の生産には手間が掛かると言う事である。

 

昨年の春以降には車両の引き渡しがされているものと思われるが、まだ街中で見かけることはほとんどない。今年に入って2016.3.10ホンダが燃料電池車「CLARITY FUEL CELL」の発売を発表した。しかしその販売は「リース販売」で、しかも年間200台程度だと言うことである。個人向け販売は来年末頃となると言うが、ホンダにも更に頑張ってもらいたいものである。

 

2015.12.9に発売された4代目プリウスは、トヨタ自慢のTNGAを引っ提げて登場し発売1ヶ月で10万台の受注を獲得している。20095月発売の先代のプリウス18万台といわゆる空前絶後の記録的な受注台数であったが、これはエコカー補助金が支給されたり、原油価格もかなり高かったり、トヨタリーマンショック後の経済状況を鑑みて価格を比較的安価に設定したためであった。しかし4台目にはそのような恩典はない状況での10万台は、評価されるべき数字であろう。

 

今年のトヨタの目玉は、618日から19日のル・マン24時間レースの優勝であった筈であった。しかしそれもかなわなかった。来年へのお預けとなってしまったが、期待して待とう。次の目玉は1026日発売予定だった「プリウスPHV」であったが、これも多分CFRP製のバックドアの生産トラブルで発売延期となってしまった。

 

この新型「プリウスPHV」は、EV走行距離が60km以上と言われており、トヨタとしては初めてと言ってもよいほどの一種の電気自動車である。発売延期は多分国内向けだけで、特にアメリカ向けは予定通り出荷してゆくのではないかと思われる。

 

何といってもこの「プリウスPHV」は、アメリカの2018ZEV規制に対応する戦略車なのである。トヨタ燃料電池車「MIRAIとこの新型「プリウスPHV」とで、2018ZEV規制を乗り越えるつもりである。

 

トヨタは、EVとしても短距離コミューターとしての超小型モビリティ・トヨタi-ROADを、すでに半ば実用化している。昨年このi-ROADを使ったカーシェアリングの実証実験を、東京で「パーク24」と共同で実施しているし、続いて20157月からは「OPEN ROAD PROJECT」なる都内でのモビリティの改革プロジェクトを始めている。

 

このi-ROADFCVミライと共に、当然2020年の東京オリンピックパラリンピックを目標としているのであるが、パーソナルモビリティとしても実用化が期待されるものである。

 

このように大雑把ではあるが総括してみると、トヨタは環境問題をはじめとしてかなり戦略的に事を進めていることが判る。

 

 

先に、今年のトヨタは多事多難な1年で(後になって振り返ってみたら)最悪な一年となるのではないのか、と言った趣旨のことを述べたものだが、それはそれで仕事をしてゆくうえで常に起こり得るトラブルの一種であり、だからと言って企業経営上致命的なものとなるものでもないのである。このようなトラブルを経験しながら、企業と言うものは成長してゆくものである。当然トヨタはそのような問題や変化に対応できる力を持っている筈であり、的確に対応しているものと思われる。

 

トヨタも変化しているのである。そうでなければ、世界で一千万台もの車が売れるはずはない。トヨタは本気で変わろうとしているのであろう。

(続く)