(1)2017年版「間違いだらけのクルマ選び」
さて今回も、2017年版「間違いだらけのクルマ選び」の巻末付録の「車種別採点簿」を眺めることから始めよう。
評価の仕方は、2015・6年版と同じく、個別項目評価の七つと、クルマ全体を見たこの本の作者の総合評価となっている。「クルマ全体を見た」と断ったのは、個別評価の合計がこの総合評価となってクルマ評価の総合点数となっているわけではないからである。
例えば、「SUV」の「ランドクルーザー200」の総合評価は満点の10 が与えられているのだが、個別評価を合計した点数はわずか53 点でトップクラスにはなっていない。合計点のトップクラスには62点とか61点のクルマが存在しているのだが、この総合評価は個別評価を総合したものではなくて、それとは別の、例えばこの本の筆者の「島下泰久」氏のクルマから受ける、彼の数多くのクルマ経験から感じている諸々の印象を評価したものではないか、と想像しているものである。
だから、この総合評価とは、次に掲げている7っの個別評価項目の8番目の項目に位置付けてもよいではないかと、小生は想定しているのである。すなわち個別評価項目数は7っではなくて8っである、と考えるものである。従ってイメージ的には、総・総合評価は別に存在する、またはこの8っの評価の合計で決めても良いのではないか、と考えているのである。
このことは、2016.4.04に掲載 している小生のブログ「続・次世代エコカー・本命は?」の(1)2016年版「間違いだらけのクルマ選び」、で紹介している評価の仕方と同じものである。
ちなみに、この本の個別評価項目は以下の通りである。
1. デザイン
2. 走りの楽しさ
3. 快適性
4. パッケージング
5. エコ性能
6. 安全性
7. 魅力度 1~7の合計点をAとしておこう。
合計点 A
最後に
8. 総合評価B ←合計点Aの総合 としてもよいのか。それとも別の個別評価なのか。
となっている。
総合評価Bとは、総合である以上、個別評価項目の合計点Aを総合したものと一般的には理解できるものであるが、必ずしもそうなっていないことは先にも紹介しているが、そこがポイントとなると小生は思っている。
そのため、1~7の各項目の合計点Aと、それらに総合評価Bを加えたもの、でも評価した方がよいのではないかと、思っている。ただし、総合評価と言っているのでその重要度は高いものと勝手に判断して、A+2B、すなわち総合評価点Bを2倍して合計点Aに加えたものも、クルマ全体の相対的総合評価の尺度に加えることにした。
以上のことを加味して、掲載85車種の採点簿を作成してみた。
そして今年2017年版は、合計点Aではなくて(A+2B)という相対的総合評価点で車種を降順で並べて、考察してみることにした。
次の表はは相対的総合評価( A+2B )点をベースに、多い順に並べてある。いわゆる降順である。そして順位は、その点数の多い順に1から85まで、昇順でつけている。
即ち、相対的総合評価( A+2B )点の順位が1(位)ということは、この本の筆者の「島下泰久」氏が一番好ましいと感じている車である、ということを意味する。但しこれは小生・このブログの筆者が、以上のような推論で、勝手にそう判断しているものである、ということを付記しておこう。
ではその車種別採点簿(相対的総合評価( A+2B )点による順位表)を、次に示す。
車種別採点簿
では、相対的総合評価( A+2B )点をベースに降順に並べたもの示す。
(注)
個別評価項目と総合評価Bには、空白の蘭があるため、評価点を勝手にと言ってもそれなりに推定して、記入しておいた。橙色の数字ex.8で示してある。従ってその部分については、「島下泰久」氏の2017年版「間違いだらけのクルマ選び」の巻末付録の「車種別採点簿」にはないものであることを、承知願いたい。
その他の数字、すなわち個別評価項目から総合評価Bまでの数字は、2017年版「間違いだらけのクルマ選び」の巻末付録の「車種別採点簿」の数字であり加工はしていない。
合計点A以降の数字は、その「車種別採点簿」の数字の合計値などの計算値である。
2017年版では、上表の「合計点A」と「総合評価B」との関係は、かなりばらついてはいるが、次のように対比される。
2017年版対比表
合計点A 総合評価B (2016年版合計点A)
60~ 10 60~70
54~59 9 55~59
52~57 8 49~54
45~53 7 44~48
40~48 6 42~43
39~43 5 38~41
32~41 4 32~41
22~32 3 20~31
この対比表をベースに、2016年版も参考にしながら、「島下泰久」氏の車種別評価の内容を解析していこうと思う。
見てわかるように、2017年版では合計点Aに対する総合評価Bの関係は、複数対応となっている。複数対応というのは、合計点Aの範囲が上位や下位のランクとダブっている、ということを意味している。即ちある合計点Aに対する総合評価Bは、一義的に決まっていない、ということである。例えば合計点Aが55とすると、総合評価Bは8か9のどちらかとなる。
だから総合評価Bは、合計点Aの総合ではなくて、個別評価項目の一つと考えても良いのではないかと言う考えもあり得るのである。しかし総合と銘打っているからには、個別評価項目としてもかなり重要な地位を占めている、と考えられるので、だから総合評価Bを2倍して個別評価項目に加えたのである。これ(A+2B)が「島下泰久」氏の車種別評価の真の姿ではないか、と推定したのである。
だから(A+2B)で順位付けをした車種別採点簿(相対的総合評価( A+2B )点による順位表)を、載せたのである。なお合計点Aが同点であれば、順位も同じとしている。相対的総合評価( A+2B )点の場合も同じ。
この(A+2B)評価は、合計点Aよりも総合評価Bをより重視した総合評価の新合計点となる。当然この(A+2B)評価の順位は、合計点Aの順位と異なってくる。その両者の順位の差が大きければ、島下氏の総合評価に何らかの偏りが掛かっていることになると判断できる、と勝手に考えたのである。
簡単に言うと、合計点Aが高ければ必然的に(個別評価項目と位置付けても)総合評価Bも高くなる筈であり、反対に総合評価Bが低ければ合計点Aとの整合性が取れなくなる、と考えたのである。だから整合性が取れていれば、総合評価Bを合計点Aに加えて順位づけしても、それほど順位は変わらないのではないか、反対に両者の順位が著しく変わっていれば、この個別評価項目の評価と総合評価の間に我々のわからない島下泰久氏の何らかの思い入れが存在することになる。この順位の差が昨年は6としたが、2017年版では(便宜上)10以上あるものには、特に何らかの思い入れがあるものと考えて次の様な疑問点を付けた訳である。
(A+2B)順位-合計点A順位=0であれば、何の偏りもないと判断できる。
(A+2B)順位-合計点A順位<0であれば、合計点Aが低すぎる(と順位は下がり数字は大きくなる)、または総合評価Bが大きすぎる(と順位は上がり数字は小さくなる)と言える。
(A+2B)順位-合計点A順位>0であれば、合計点Aが高すぎる(順位は上がり数字は小さくなる)、または総合評価Bが低すぎると言えるのである。
例えば「インプレッサ」をみると、合計点Aは55で、総合評価Bは9である。55で9ということは、8に近い9ということで、仮に総合評価Bが8であれば、A+2B=71となり順位は21番くらいとなり、A昇順17との差(21-17=4となり)も小さくなり偏りも少なくなる、という塩梅である。
この差を10で区切って、=<-10 か =>10であれば、何らかの大きな偏りがあるのではないかと、疑問点を付けた訳である。
これが小生が指摘したい点である。
(続く)