続続・次世代エコカー・本命は?(30)

きっと販売の第一線は、てんてこ舞いであったことでしょう。上からの激も、苛烈を極めていた筈だ。それにしても、特徴のある個性的なクルマを世に出すことが、いかに大切かを如実に示すものとなった。

 

 

 

トヨタ・プリウス日産ノートの首位争い、20172月販売ランキングの勝者はどっち?

2017/03/08 06:03 by 山本晋也

一般社団法人 日本自動車販売協会連合会(自販連)から、20172月の登録車(軽自動車と海外ブランドを除く)の車名別の販売ランキングが発表されています。

201611月には日産車として30年ぶりに月間トップの座についたノート、同年12月にはハイブリッド専用モデルであるトヨタ・プリウスが僅差でトップを奪還。そして20171月には再びノートが首位になるといった具合で白熱している21世紀のTNトヨタ・日産)バトル

20172月のセールスランキングを制したのは、PHVを追加したプリウスでした。


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20172月 登録車販売ランキングトップ10(自販連調べ)
1
位 トヨタ プリウス 15,958322,447台、2位)
2
位 日産 ノート 14,859324,383台、1位)
3
位 トヨタ C-HR 12,985316,816台、4位)
4
位 トヨタ アクア 11,379317,798台、3位)
5
位 日産 セレナ 10,983314,577台、6位)
6
位 ホンダ フリード 10,341314,799台、5位)
7
位 トヨタ シエンタ 10,128313,336台、7位)
8
位 トヨタ ヴィッツ 8,475312,654台、8位)
9
位 トヨタ ヴォクシー 8,468310,831台、10位)
10
位 ホンダ フィット 8,201311,629台、9位)

前月2位だった日産セレナC-HR、アクアといったトヨタのハイブリッド(を設定しているモデル)が押しのけるなど、上位陣にも動きの見えるランキングとなっています。トヨタといえばハイブリッドを新設定したヴィッツの伸び(前月は14位)も見逃せません。

僅差ですが、コンパクトミニバン・バトルをフリードがライバル、シエンタを抑えて制したのも注目といえるでしょう。

参考までに1月の販売台数を山本晋也氏の記事から、借用しよう。

20171月 登録車販売ランキングトップ10(自販連調べ)
1
位 日産 ノート 14,113
2
位 日産 セレナ 11,179
3
位 トヨタ プリウス 9,883
4
位 トヨタ C-HR 9,144
5
位 トヨタ シエンタ 9,108
6
位 ホンダ フリード 9,029
7
位 トヨタ アクア 8,225
8
位 トヨタ ヴォクシー 6,412
9
位 トヨタ ルーミー 6,218
10
位 ホンダ フィット 6,280

日産勢の躍進に対して、トヨタではブランニューモデルのC-HRが好調なスタートを切っている反面、プリウスとアクアという、かつての月間トップ常連モデルが勢いを失って感じられる結果になっています。

トップ10圏外での注目は11位にあがってきたスバル・インプレッサ。スバルとして久しぶりのトップ10入り(前回は201512月)も目前です。



山本晋也

 





http://clicccar.com/2017/03/08/451750/

 

ちなみに4月はSUVトヨタC-HR」がトップとなっており、ノートはそれなりに健闘しているようだ。セレナは圏外。

 

20174月の登録車セールスランキングに大異変!C-HRがトップを奪取

2017/05/10 07:03 by 山本晋也

一般社団法人 日本自動車販売協会連合会(自販連)から、20174月の登録車(軽自動車と海外ブランドを除く)の車名別の販売ランキングが発表されています。

3月は年度末ということもあり、5位までが1万台以上も登録されるという好調ぶりでしたが、4月は落ち着きを取り戻しています。その中で、ブランニューモデル「C-HR」の好調が目を引きます。



2017
年になってから、1月のトップは日産ノート2月はトヨタ・プリウスと話題のハイブリッドカーが競い合ってきましたが、新年度になってトップの座についたのは前月の4位からジャンプアップしたC-HRだったのです。

20174月 登録車販売ランキングトップ10(自販連調べ)
1
位 トヨタ C-HR 13,168台(前月4位)
2
位 トヨタ プリウス 9,920台(同2位)
3
位 日産 ノート 9,263台(同1位)
4
位 ホンダ フリード 9,111台(同5位)
5
位 トヨタ アクア 7,762台(同3位)
6
位 トヨタ ヴィッツ 7,078台(同8位)
7
位 ホンダ フィット 6,399台(同9位)
8
位 トヨタ ルーミー 5,852台(同15位)
9
位 トヨタ シエンタ 5,821台(同7位)
10
位 トヨタ カローラ 5,287台(同13位)

また、4位にホンダのコンパクトミニバン、フリードが上がってきているのに対して、日産セレナ(35位→417位)トヨタ・ヴォクシー310位→412位)といったMクラス・ミニバンが順位を下げているのは、トレンドの変化を感じるところ。ルーミーが上がってきているのも、コンパクトなスライドドア車に対するニーズが高まっていることを予感させるランキングといえそうです。

山本晋也

 

https://clicccar.com/2017/05/10/470859/

 

 

先ず敬意を表して日産の「ノート」から話題にしてみましょう。

 

このブログの冒頭で提示した「間違いだらけのクルマ選び」では、この「ノートe-POWER」はベストテンにも入っていない。いわゆるA+2B評価では16位、A評価では22位と下位に沈んでいる。

 

自動車の専門家である島下泰久氏の「e-POWER」の評価は、それほど高くはない。まあ、並みと言ったところであろう。「電気自動車のまったく新しいカタチ」と謳ってはいるが、CO2を排出して走行している以上、決して電気自動車のマッタク新しいカタチなんぞではない。

ノートe-POWER

ある意味「虚偽広告」である。電気自動車なら、CO2は一切排出してはならないのである。

e-POWERは普通のガソリン自動車(と同じ)である。ただモーターで走っているだけである。その点、いわゆる電気自動車と走り方は同じと言えるが、分類上はいわゆる「ハイブリッド車」の一種で、「電気自動車のまったく新しいカタチ」ではなく、「ハイブリッド車のもう一つのカタチ」が正しい。ただバッテリーでモーターを回してタイヤを転がしているだけである。そのバッテリーの電気は、搭載しているガソリンエンジンで発電機を回して、供給しているものである。

2017人気ハイブリッド車おすすめランキング!燃費と評価は?」 http://is12.jp/rk-06.html

では、この「ノートe-POWER」を「プリウス」より上の第1位に評価しています。

 

このタイプのハイブリッド方式は、「シリーズ式」と呼ばれている。この件は小生のブログ「プリウス急加速問題(75)」(2011.04.15)で少し説明しているので、それを再掲しよう。

 

 

プリウス急加速問題(75)


ここでハイブリッド方式を勉強してみよう。先ずは「シリーズハイブリッド」方式とはどんな方式なのであろうか。ハイブリッドHybridとは「2つ以上の異なるものを組み合わせること」を表しているが、一般的には主に植物の交雑種のことでハイブリッドと言う言葉に接したことがあると思われるが、自動車で言う「ハイブリッドビークル」とは、2つ(以上)の異なった動力源を使う車を意味する。即ち内燃機関(主にガソリンエンジン)とバッテリーに蓄積された電気によるモーターと言う2つの動力で駆動する自動車である。そして、エンジンとモーターの使い方によってハイブリッド方式が異なる。

シリーズハイブリッド(直列式)方式は、エンジンは発電機を回すことだけに使われて車の駆動には使われない。車の駆動には発電機で作られた電気を蓄電池Batteryに蓄え、その電気でモーターを回して車を動かすものである。したがってエンジンは小型で、その代わりバッテリー・モーターは大型となる。エンジンで充電するため長距離走行が可能となる反面、出力はそれほど期待できない。

         バッテリー
          ↑↓   (直流電力)
        インバーター
            ↓ (交流電力)
E/G
発電機  モーター-車軸(駆動) と言う動力の流れになる。これに対して、



パラレルハイブリッド(並列式)方式と言うものがある。
この方式では、エンジンで発電もするが車の駆動にもつかわれ、更には発電された電気はモーターを介して、駆動にも使われる。発進や加速時にはエンジンとモーターが使われ(場合によっては発進時はモーターのみ)、低速時には発電機も回し充電も行うなど臨機応変に起動させる。そのため構造や制御が複雑となる。

            バッテリー
             ↑↓ (直流電力)
            インバーター
             ↑↓ (交流電力)
E/G
-→{発電機→モーター}--変速機車軸(駆動) と言う流れになる。ホンダのIMAはこの方式となる。そしてその両者のいいとこ取りをした方式が次のスプリット方式である。



スプリット(動力分割式)方式とは、
プラネタリーギアによる動力分割機構により動力を発電機とモーターに分割(スプリット)する方式である。プラネタリーギアによる発電機とモーターの回転制御を行うため、変速機が不要となる。
発進や低速走行ではEV走行し、通常走行ではエンジンで充電しながら駆動輪を回して走行できる。動力分割機構の制御が複雑になるが、変速機が不要となるコストメリットや低燃費と走行との高効率管理が可能となり、トヨタが採用している(THS)方式である。

          バッテリー
           ↑↓   (直流電力)
       イ ン バ ー タ ー
            ↑↓ (交流電力) 
      発電機   モーター   
            ↑↓
E/G
-→動力分割→--→車軸(駆動)
(遊星歯車)

GM
のシボレーボルトはこのうちどんな方式化は知らないが、このスプリット方式に近い方式なのであろう。そのためプリウスのこのプラネタリーギアの制御方式の中身を、知りたくて仕方なかったことであろう。そのためありもしない急加速問題を起こし、電子制御システムを無理やり提出させたものであろう。
さて本文に戻ろう。 

(続く)