続続・次世代エコカー・本命は?(87)

F 価格や航続距離の問題も近い将来解決できるのでしょうか?

ケルティー たしかにいまは価格の問題はありますが、それもギガファクトリーができるなどして、どんどん改善していくでしょう。航続距離もすでに500km走る。もう十分じゃないでしょうか。欲しいのは、急速充電の設備ですね。
アメリカではすでにEVを使いやすい環境が出来上がりつつある。私がサンフランシスコからロサンジェルスまで運転する場合、自分のモデルSを途中で2回充電します。23時間運転して、トイレ休憩のあいだに20分充電する。それをもう2回繰り返すだけ。先日も家族4人と大きな犬とで休日にオレゴン州ワシントン州まで10日間のドライブをしてきましたが、航続距離や充電の心配はまったくしませんでしたね。 (注、オレゴン州ワシントン州は加州の北に位置する太平洋岸の州である。ワシントン州でカナダと接している。)

F
 いちいち、どこのSAで止まって充電して、みたいな計画表を作らなくていいんですか?

ケルティー 基本的には考えなくて大丈夫です。すごく便利になっています。日本も将来的にはそうなると思います。

F
 テスラは日本規格のチャデモで充電できるんですか?

 

ケルティー チャデモも使えますが、なにかと面倒です(苦笑)。私たちのスーパーチャージャーは出力125Kwで、無料で、コンセントをさすだけです。

F
 日本にもそのスーパーチャージャーで充電できるところがあるんですか?

ケルティー いま東京、大阪、神戸など全国6か所にあります。無料で充電できますし、これからどんどん導入していきます。

F
 いま日本のショールーム東京のほかに先日、大阪の心斎橋に国内2拠点目をオープンしたそうですが、ほかの場所にオープンする予定は?

ケルティー 計画はあります。将来的には、名古屋、神戸、福岡、横浜、広島ショールームを出したい。その前にまず、スーパーチャージャーを増やし、そして、サービスセンターを増やし、そのうえでショールームを増やしたい。

F
 ケルティーさんは電池の専門家でいらっしゃいますが、EVを普及させるうえで、バッテリーの値段を下げた方がいいとお考えか、高くても航続距離が長い方がいいとお考えでしょうか?

 

ケルティー これにはいろいろな意見がありますが、私たちとしては500km走れば、今のところ航続距離は十分。これ以上の航続距離はいらないと考えています。あとは値段を安くしたい。みんなが買いやすいようにしたいと思っています。

F
 先日テスラに乗る機会がありましたが、EVの時代がきたんだなと実感しましたね。

ケルティー 多くの方にぜひ体感していただきたいですね。青山や心斎橋のショールームでも試乗できますし、箱根などで試乗イベントも行っています。実際に乗ってみたらきっと環境のことや難しいことは忘れて、とにかく買いたくなりますよ!

 

インタビュアー:フェルディナント・ヤマグチ
コラムニスト。半導体・電子部品専門のマーケット・アナリストとしての顔をもつ一方で、コラムニストとしても活躍。「日経ビジネスオンライン」、「Tarzan」、「cakes」等に連載をもつ。トライアスロンを趣味とし、圧倒的なバイタリティでプライベートと仕事を両立。仕事の関係上誌面への顔出しはNGでマスクがトレードマークになっている。

http://www.jaia-jp.org/50th/interview/018/index2.html

 

 

これ↓なども参照されるとよい。

インタビュー 電気自動車:最強のスポーツカーを作るには、テスラの技術責任者に聞く

http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1201/24/news015_3.html

 

 

さて、次は「Model 3」がどのような生産立ち上がりをするか、見ものである。今年半ばには、そろそろ量産試作が始まるのではないのかな。そしてことしの7月後半には、ボチボチモデル3のライン・オフが始まる。モデルSモデルXで、量産立ち上がりは経験しているので、新しい経験と言う物はそれほどないのではないのかな。あるとしたらバッテリーが18650から2170に変わることによるインバーターの変更などと言うバッテリーがらみのことだけではないのかな。

(続く)