続続・次世代エコカー・本命は?(127)

日産はこの件に関しても相当自信を持っているようで、2018年、来年のことであるが、モーター出力や航続距離を驚くほど高めた「ハイパワー版」の発売も計画していると言う。

(当ブログの2017.5.22NO.36http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/car/15/090600079/090700010/などを参照のこと。ここで2018年中と言っている。)

 

 

日産副社長が「LiBと全固体電池の間の電池形態」を示唆

電気自動車の新型「リーフ」の発表会にて

リーフ(2017年) http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/car/15/090600079/?rt=nocnt

  • 野々村 洸

  • 2017/09/07 11:35

日産副社長が「LiBと全固体電池の間の電池形態」を示唆

 

日産自動車取締役副社長の坂本秀行氏

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 電池の技術が進化している――。

 日産自動車取締役副社長の坂本秀行氏は、201796に発表した電気自動車(EV)の新型「リーフ」について「電池寿命が向上した」と語った。先代のリーフと比較すると、電池性能の劣化の早さが半分以下になったという。

 同氏は電池性能が向上した理由として、大学や研究機関と協力して研究してきたことを挙げる。日産は大型放射光施設「SPring-8」を用いて、充電中や放電中の電極内で起きている現象や電池劣化のメカニズムなどについての基礎研究を重ねてきた。電池が抱える問題点を1つひとつ研究し、そこで得た知見を製品開発に生かしたという。

三洋化成工業の新型電池にも言及

 劣化の抑制だけでなく、1回の充電当たりの航続距離に直結する電池容量の向上にも取り組む。坂本氏は「(基礎研究によって)正極で保持できるエネルギー密度が非常に増加した」と手応えを口にする。新型リーフに採用したLiイオン2次電池セルのエネルギー密度は240Wh/kg程度と見られる(関連記事:新型リーフの電池パック、同一サイズで容量は3割強増の40kWh)。
http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/car/15/090600079/090600001/?rt=nocnt

初代リーフは2010年の発売当初、エネルギー密度が140Wh/kgの電池セルを搭載していた。

 坂本氏は今後の車載電池の動向として、「Liイオン2次電池と全固体電池の間の電池形態が生まれる可能性がある」と述べた。1つの例として三洋化成工業の新型Liイオン2次電池について触れ、「(日産も)特許を取得しており、当社の研究所は将来性があると見込んでいる」(同氏)と言及した(関連記事: Liイオン2次電池に製造革新、樹脂で電極構造や集電体を実現)。
http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/mag/15/320925/080700169/?rt=nocnt

http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/car/15/090600079/090700008/

 

 

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http://car-japan.info/post-883/    

 

 

価格・距離・充電設備 EV普及占う新型リーフ

2017/9/6 17:08
ニュースソース
日本経済新聞 電子版

 日産自動車は6日、電気自動車(EV)「リーフ」の新型10月2日に日本で発売すると発表した。1回の充電で走れる距離は先代の4割増の400キロメートルに伸びた。価格は約315万円からで、補助金の分を引くと実質275万円から。環境への関心が特別に高くない「普通の人」でも、購入の選択肢にしそうな水準だ。リーフがEV普及の扉を開くのか。課題は何か。

 

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 「技術の粋を集めた。先代のリーフはEV時代の先駆者だったが新型は日産のコアになる商品だ」。ワールドプレミアと銘打った6日午前の発表会で、西川広人社長はこう胸を張った。会場は幕張メッセ千葉市)。ステージの床や壁面にグラフィックが投映され、青色のライトが飛び交う中に新型リーフが登場。高揚感を誘うロックコンサートのような演出に会場は沸いた。

 同分野でライバルの米テスラは7月、量産型EV「モデル3」を発売し話題をさらった。受注は約50万台。これに対し日産は、2010年のリーフ発売から累計28万台を実際に販売。EVの先駆者として市場を切り開いてきたとの自負を持つ。ダニエレ・スキラッチ副社長は同日の発表会で「日産は自動車を84年間造り続けてきたテスラにない強みがある。これからもEVのリーダーだ」と対抗心を隠さなかった。

 本気のプレーヤーの増加で、EV普及の機運は高まっている。米ゴールドマン・サックス証券は同日、EVの将来展望のリポートを発表。30年の新車販売に占めるEV比率は8%だが、4035%から最大51になると予想する。

 実際の普及のカギを握るのは、価格、航続距離、充電インフラの3点。プラス政策だ。

 因数分解してみよう。EVの価格を左右するのは電池三井物産戦略研究所(東京・千代田)によると、日産がリーフを発売した10年当時は、1キロワット時当たりの単価は10万~20万円だった。いまは2万~3万円に下がり、量産効果などで「今後3~4年で1万円台になるだろう」(三井物産戦略研の西野浩介氏)。航続距離も技術革新により「25年ごろには航続距離が500キロメートルを平均的に超えるようになる」(デロイトトーマツコンサルティングの尾山耕一氏)。

 数十分で充電できる急速充電器も増えている。リーフが充電できる日本発の規格「チャデモ」に対応した充電器は世界で13800ある。10年はわずか300基だった。

 さらに、世界各地で環境規制の動きも加速している。中国政府は自動車メーカーに対し、一定のEV生産を義務付ける規制を導入する見通し。英仏政府は今年7月、40年までにガソリン車やディーゼル車の販売を禁じる方針を表明した。欧州系コンサルティング会社、ローランド・ベルガー(東京・港)の貝瀬斉パートナーは「EVの普及は親和性の高い自動運転技術シェアリングの進化が深く関係する」と指摘。道路交通や運輸関連の法制整備もカギとなりそうだ。

 これだけを見れば、EVがガソリン車やディーゼル車に取って代わるイメージも浮かぶが、一方で様々な障害物も指摘されている。

 まずは素材。リチウムをはじめ電池の原料は価格が上昇傾向だ。ニッケルはフィリピンやマダガスカルマンガンは中国など産出地域が偏る。コバルトも銅やニッケルの副産物で、将来にわたり安定調達が確実かはわからない。「原料の需給が引き締まり電池の価格は下がらない」(大手商社)との見方も少なくない。

 航続距離の伸長も簡単ではない。距離を伸ばすには電池エネルギー密度のアップが必要だが、「電池の寿命を伸ばすことと両立させるのは難しい」(三井物産戦略研)。充放電を繰り返すと、電池が劣化して当初に比べて容量が少なくなる。電池の寿命は、中古車の下取り価格に響く。実際、先代のリーフの初期型は、中古車の販売価格が30万~40万円と安い。日産は新型リーフは電池の寿命を大幅に改善したと説明するが、一般論では電池寿命はEVのアキレスけん。消費者にとって、下取り価格の大幅な目減りは痛い。

 急速充電器は設置コストが課題だ。経済産業省によると、日本では出力が50キロワットの充電器なら機器費用は平均240万円、工事費用は230万~280万円する。高速道路のパーキングエリアなどでは送電線などがかさみ工事費が2千万~3千万円に膨らむケースがあるという。「初期費用に補助金を使っても単体で収支が合わない充電器は全国に少なくない」(経産省)。使う側と設置する側の双方にメリットを生む仕組みづくりが欠かせない。

 さらに根源的な問いは、消費者が欲しいと思うクルマかどうかだ。コストパフォーマンスには、美しさ、格好良さ、乗ったときの心地よさなど消費者の感性に訴える要素が多分に含まれる。エコのイメージだけではなく、EVならではの静かさや加速性能といった魅力をいかに磨けるかで、普及のスピードと自動車各社の競争力が決まりそうだ。

(藤野逸郎)

 

https://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ06HKC_W7A900C1000000/?n_cid=NMAIL004

 

 

とは言うものの、トヨタはまだEVを発売していないから、そうそう偉そうなことは言えない立場だ。バッテリー寿命の悪さなどを嫌ってトヨタは、EVの発売を渋ったきたわけだが、「パリ協定」に代表されるように各国で環境規制が厳しくなってきているから、何時までもHVに胡坐をかいているわけにはいかなくなってきている。

 

それにFCVについても、それなりに燃料電池車の普及のための環境整備に努力はしているようだが、あまりぱっとしていない。米国のZEV2018年規制対応にも、問題がないと言えるのかな。これも気になるところだ。

 

全個体電池かアルミニウム空気電池かは知らないが、トヨタのアッと言わせる電気自動車を早く見たいものだ。それにこれらの日産に関する話から、日産のFCVはなくなったと思った方がよい様な感じもする。技術が追いつかない訳ではない筈なのだが、これも見守りたいものである。

(終わり)