女々しいぞハリル、代表監督不適格(25)

本田との確執で解任?ハリルが質問状に“ゼロ回答”のサッカー協会をいよいよ提訴へ

AERA dot.   2018/05/19 10:18

 ハリルホジッチ前監督がついに提訴を決めた。サッカー日本代表監督を解任されたハリル氏は510日に代理人の弁護士を通じて、1週間を期限に日本サッカー協会へ質問書を送ったが、17日未明に弁護士事務所へ回答のファックスが届いたという。たが、内容は実質“ゼロ回答”。返答を受けて、ハリル氏は名誉回復を求めて東京地裁に「来週中の早いところ」(ハリル前監督代理人の弁護士)にも訴状を提出する方向だ。

 日本サッカー協会18日、30日のガーナとの親善試合の日本代表メンバー27を発表した。協会はいよいよ来たるべきワールドカップでの闘いに向かっている一方で、ハリル前監督との闘いも避けられなくなった。

ハリルホジッチ監督(右)と日本サッカー協会の田嶋幸三会長 (c)朝日新聞社 © Asahi Shimbun Publications Inc. 提供 ハリルホジッチ監督(右)と日本サッカー協会田嶋幸三会長…


 ガーナ戦に選ばれたメンバーが、W杯本大会に大きく近づいたのは間違いない。ハリル前監督に冷遇されていた本田圭佑香川真司岡崎慎司の“ビッグ3も選ばれた。

 特に本田は、ハリル前監督が427日に開いた解任後の会見で上げた、「2人の不満分子」の1人とされる。また、514日に放送したNHK番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」に出演した本田は「ハリルのやるサッカーに全てを服従して選ばれていく。そのことの方が僕は恥ずかしいと思ってるんで」と発言するなど、ハリル前監督に対する不満を隠していなかった。

 ハリル前監督の解任の動きの発端には、本田が協会に不満を訴えたのがきっかけではないのか、とサッカー関係者の間では噂されている。

「既に“ハリルジャパン”では”戦力外”扱いされていた本田が、自らがワールドカップメンバーに選ばれるには、監督に変わってもらうしかないと画策したのではないか。噂通りか別にしても、『プロフェッショナル』での本田の発言が疑惑に火を注いだ」(サッカー関係者)

 さらには本田は今回の27人の代表メンバーにも選ばれている。

 協会はハリル前監督を解任に至った理由の1として、「コミュニケーション不足」(田嶋幸三会長)をあげたが、実はこの言葉が尾を引いている。ハリル前監督は会見で「どこにコミュニケーション不足があったのか、教えて欲しい。解任後に選手たちから多くのメッセージをもらった」と自分自身にかけられた“コミュニケーション不足”のレッテルに納得していないのだ。確かに契約という厳密性が要求される世界において、抽象的過ぎる理由だ。

 万一、前述のように本田を始めとした一部選手たちからの解任要望があったとしても、協会がハリル側にも、そして公の場でも説明できるはずもない。しかもハリル前監督はワールドカップ予選での苦しい戦いを勝ち抜き、日本代表をロシアに導いた実績がある。会見で説明に困った田嶋会長が苦肉の策として「コミュニケーション不足」という言葉をひねり出した可能性もある。

 しかし、協会がハリル前監督と交わした契約には、協会は何の理由もなく契約を解除することができるという条項があったという。

「協会は理由がなくても契約を解除できたはず。会見での、ハリル氏のコミュニケーション能力を問題視する発言は不要だった。あの会見を一般の人が見れば、ハリル氏に落ち度があって、ある種『ハリル氏が契約を守らなかった、選手と対話をしなかった』と債務不履行での解除みたいな印象を与えたでしょう。契約上の必要性もないところで、人格否定みたいなことをされた。『契約を解除しました。苦渋の決断でそうしました』と説明するだけでよかった」(ハリル前代表の代理人弁護士)

 それゆえ、ハリル前監督は名誉回復を求めようとしているのという。

 ハリル前監督の代理人弁護士が先週、協会側に送った質問書でポイントだったのは次の2点だ。1解任の経緯に対する明確な説明、2理事会を通さず田嶋会長に実質一任された手順が正当なものかどうか。だが、協会側の代理人弁護士から17日未明にファックスで送られてきた回答は、納得できるものではなかった。

 ハリル前監督の代理人弁護士は、こう指摘する。

「こちらの細かい質問には答えていない。ただ、手続きがおかしいというメッセージは伝わっているみたいでして、『時間的猶予がまるでなく、緊急性が高かったということで、田嶋幸三会長が技術委員会等と協議し、決断』した。47日にパリで本人に告知後、同9日に日本で記者会見し、後任監督を西野朗氏にすると発表。その後、『412日の第5回理事会で報告の上、承認された』という経緯だったと協会は主張しています。つまり、技術委員会等には監督解任を事前に相談したが、理事会を開いて承認を取ったのは事後だったのです」

 だが、不可解なことに日本サッカー協会のホームページで412日の決議事項を確認すると、代表監督の交代は明記されていなかった。代理人からこうした指摘があったからなのか、きのう17日に開かれた第6回理事会での決議事項の一つに、以下のような記述が加えてあった。

47日付けで、SAMURAI BLUE(日本代表)監督のヴァイッド・ハリルホジッチ氏及びコーチのジャッキー・ボヌベー氏、フィジカルコーチのシリル・モワンヌ氏、GKコーチのエンヴェル・ルグシッチ氏との契約を解除し、西野朗氏を新監督にすることについて412日開催の第5回理事会で報告の上、承認されたことを確認するとともに、念のため再度の承認決議をお願いしたい。』(協会ホームページより)

 これでは、解任の理由も手続きも「後付けです」(ハリル前監督の代理人弁護士)と思うのは、無理もないだろう。

 ハリル前監督の提訴の動きに対して、協会は回答に、釘を指す文面を入れている。

「協会は『契約に起因・関連する紛争は、FIFA紛争解決機関で行うことであって、東京地方裁判所には管轄権はない』と念を押してきたのですが、名誉毀損とかは別問題だと理解している。来週中の早いところで提訴することになります。ハリル氏本人は、名誉回復を一番求めていました。しかしそこについても協会から何もアプローチはなかった。こちらとしては、裁判をやろうというゴーサインをもらったと受け取りました」(ハリル前監督の代理人弁護士)

 今回の一連の動きを見ると、田嶋会長が本来、踏むべき手順を踏まず、トップダウンで決断したことがわかる。その余波で、ハリル前監督だけでなく、日本代表スポンサーも激怒したというのだ。日本代表に商品提供を提供するスポンサーに、監督交代に関する情報を事前に伝えなかったことで協会が慌てて対処する羽目になった。

「怒ったスポンサーが、ワールドカップに関するイベントで、当初出演予定のなかった日本代表の某有名選手を呼ぶことになりました」(関係者)

 田嶋会長が周囲や関係者に十分な根回しをせずに動いた結果、ハリル前監督だけにでなく、関係者にも余計な火種を残したのだ。

 そんな危うい状況だが、ハリル前監督解任劇については、契約期間内の給与も払うこともあって、協会側としてはもう「なかったこと」となっているようだ。回答にこんな箇所がある。

WCロシア大会を目前に控え、日本サッカー界が一致団結し、ワールドッカプという檜舞台で代表チームが最大限の力を発揮できるよう、あらゆる面でサポートしていくことこそが、現時点での最重要課題であると考えております。ハリルホジッチ氏及び貴職(代理人弁護士を指す)におかれても、本件が代表チームへ与える影響及び日本サッカー界が置かれた現状を十分にご理解いただきますようお願いします』

 ハリル前監督にこれ以上、騒がないでくださいということなのか。監督をハリル氏から西野氏へ交代させるという今回の田嶋会長の決断がワールドカップに果たしてどのような結果をもたらすのか?裁判の行方もその結果次第ではないか。(本誌 大塚淳史)

https://dot.asahi.com/wa/2018051900006.html?page=3

 

 

まあそれでも、ゴミ箱でなくて道端に捨てたために、早速ハリルには他からオファーがきているというから結構なことでは無いのか。

(続く)